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アメリカ、ついに【チベットカード】を切る

 米が中国の人権弾圧を問うため切った「チベット」カードの破壊力

MAG2NEWS
 
2020.05.26
 
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お互い譲歩する気配は見られず、ますます激化する一方の米中覇権戦争。ここに来てついにトランプ政権は、「チベットカード」という切り札をぶつけてきました。ウイグル問題と並び、中国の人権・宗教に対する姿勢が問われるチベット問題を突きつけられた習近平政権に「勝ち目」はあるのでしょうか。今回の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんが、チベット問題について改めて説明するとともに、今、日本が中国に接近することがどれだけ危険か、歴史を紐解きつつ解説しています。

 

アメリカ、ついに【チベットカード】を切る

アメリカが、ついに【チベットカード】を切りました。

米中覇権戦争

世界では今、何が起こっているのでしょうか?そう、「米中覇権戦争」が起こっているのです。

米中覇権戦争の前哨戦がはじまったのは、2015年です。この年の3月、「AIIB事件」が起こった。イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スイス、オーストラリア、イスラエル、韓国など、いわゆる「親米諸国群」が、中国主導AIIBへの参加を表明した。これらの国々は、「入るなよ!」というアメリカの要求を完無視したのです。世界はこの時、「親米諸国ですら、アメリカではなく中国のいうことを聞く。アメリカの覇権は終わった。これからは中国の時代だ!」と考えた。

 

アメリカのリベンジがはじまりました。突如、「南シナ海埋め立て」が大騒ぎされるようになった。2016年、反中のトランプさんが大統領選で勝利しました。2017年、トランプさん、大統領に就任。彼は反中ですが、米中関係はこの年、穏やかでした。この年、金正恩が狂ったように、核実験、ミサイル実験を繰り返していた。それで、トランプは、北朝鮮貿易の9割を占める中国の助けを必要としていた。

しかし、2018年になると、中国は「北核問題を解決する気が全然ない」ことがわかってきました。そこで、トランプは、金との直接交渉に乗り出します。2018年6月、米朝首脳会談が行われました。中国のサポートが不必要になったトランプは、遠慮なく国を叩くことにします。

2018年7月、8月、9月、トランプは連続で中国製品の関税を引き上げました。そして、2018年10月4日、ペンス大統領がハドソン研究所で、中国との【冷戦開始】を宣言した。こうして、オフィシャルに、「米中覇権戦争」がはじまったのです。

米中覇権戦争の形態

米中戦争とはいっても、両国は「核大国」。大規模な戦闘は、なかなか起こりにくい。それで、戦争は他の形態をとっています。

情報戦、外交戦、経済戦、代理戦争。外交戦とは、味方を増やし、敵国を孤立させること。経済戦。たとえば、関税引き上げ戦争。ファーウェイバッシング。代理戦争。たとえば、アメリカは、香港の民主化勢力を支援する。あるいは、台湾への武器売却を激増させる。台湾が、WHOに参加できるよう、運動を盛り上げていく。情報戦。これは、「敵国を悪魔化させること」を目的とします。突如、「中国は、ウイグル人100万人を強制収容している」という事実が注目されるようになりました。

国連、中国政府がウイグル人100万人拘束と批判

BBC NEWS JAPAN 2018年09月11日

 

中国政府が新疆ウイグル自治区でウイグル人を約100万人、テロ取り締まりを「口実」に拘束していると、国連は懸念を強めている。国連人種差別撤廃委員会は8月末、最大100万人のウイグル人住民が刑事手続きのないまま、「再教育」を目的とした強制収容所に入れられているという指摘を報告した。8月半ばにスイス・ジュネーブで開かれた同委員会の会合では、信頼できる報告をもとに中国政府が「ウイグル自治区を、大規模な収容キャンプのようにしてしまった」と委員たちが批判。

 

もう一つのネタは、新型コロナウイルスです。「中国政府が新型コロナウイルスの真実を隠蔽したせいでパンデミックが起こった!賠償金払え!」とさらにアメリカは、【チベットカード】を出してきました。

 

パンチェン・ラマはどこに?

中国はパンチェン・ラマの居場所を「直ちに」公表せよ、米国務長官

5/19(火)9:19配信

 

【AFP=時事】マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官は18日、25年前にチベット仏教第2の高位者パンチェン・ラマ(Panchen Lama)に認定され、その後まもなく拘束された男性の居場所を「直ちに」公表するよう中国に要求した。チベット亡命政府も17日、パンチェン・ラマの「健康状態と居場所」を公表するよう中国に求めていた

これ、普通の人は、意味がよくわかりません。どういうことなのでしょうか?

 

世界的な支持を得ているノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)受賞者で、亡命中のチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世は1995年5月14日、当時6歳だったゲンドゥン・チューキ・ニマ(Gedhun Choekyi Nyima)氏をパンチェン・ラマの生まれ変わりと認定した。
(同上)

パンチェン・ラマは、チベット仏教では、ダライ・ラマに次ぐ地位にあります。ダライ・ラマ同様、「転生している」とされます。ダライ・ラマは1995年、ゲンドゥン・チューキ・ニマを「パンチェン・ラマの生まれ変わり」と認定しました。しかし、中国政府は、6歳のこの少年をパンチェン・ラマと認めず、捕まえてしまったのです。

パンチェン・ラマはその3日後に拘束され、以来、一度も姿が確認されていない。人権団体はパンチェン・ラマが「世界最年少の政治犯」になったとして、中国政府を非難した。
(同上)

さらに中国政府は、ギェンツェン・ノルブという人物を、勝手に「パンチェン・ラマである」と決めてしまった。つまり、今世界には、二人パンチェン・ラマがいる。ダライ・ラマ公認のパンチェン・ラマ。(中国政府が拘束している。)中国政府公認のパンチェン・ラマ。

ポンペオ氏は、「チベット仏教徒は、他のあらゆる宗教団体の信徒らと同様、政府に干渉されることなくその伝統に従って宗教的指導者を選出、教育、崇拝できなければならない」「パンチェン・ラマの居場所を直ちに公表するよう中華人民共和国政府に求める」と述べた。
(同上)

当然の要求ですね。

 

日本は、2次大戦の過ちを繰り返すな

日本は第2次大戦時、致命的なミスを犯しました。1939年、第2次大戦がはじまった時、日本はナチスドイツの同盟国ではありませんでした。ところが、1940年、正式な軍事同盟国になった。日本は、ナチスドイツが、「ユダヤ人を大量虐殺していること」は、全然気にしなかったのですね。

第2次大戦開始から79年後の2018年、今度は「米中覇権戦争」がはじまりました。日本がドイツの軍事同盟国になってから79年後の2019年、安倍総理は、習近平を国賓として日本に招待しました。チベットの民を120万人虐殺した国。今もウイグル人100万人を強制収容している国。「武漢に新型コロナウイルスを持ち込んだのは米軍だ!」とトンデモフェイク情報を、外務省報道官が世界に宣言する国。

こんな国のトップを天皇陛下に会わせて、一体何がしたいのでしょうか?「日本は、現代のナチスドイツ、中国の味方だぜ!」と世界に宣言したいのでしょうか?

人は誰でもミスを犯します。しかし、賢明な人は、過去の失敗から学び、同じ間違いは繰り返しません。日本は80年前、ユダヤ人を大虐殺しているナチスドイツの同盟国になり、大失敗しました。

 

ウイグル人を100万人強制収容している中国は、「現代のナチスドイツ」と呼ばれています。同じ間違いを繰り返さないでください。安倍総理、「現代の近衛文麿」にならないでください。「近衛文麿の間違いから学ぶ人」であってください。

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