パルデンの会

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トランプ再選に黄信号

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宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和2年(2020)6月8日(月曜日)
        通巻第6527号
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トランプ再選に黄信号。共和党内に深刻な亀裂
マティス前国防、ケリー首席補佐官についでパウエル前国務長官離反
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 共和党内に深刻な亀裂が入った。筆頭はジョージ・ブッシュ・ジュニア元大統領だ。「トランプには投票しない」と公言している。

 上院ではマコウスキー、ミット・ロムニーらがトランプ批判を強めている。ロムニーはもともとが反トランプ。2012年の共和党統領候補になった大物で、モルモン教徒として知られる。

 リーサ・マコウスキーは父親のアラスカ州の地盤を継いで、上院議員に当選した。サラ・ペーリン元アラスカ州知事の政敵である。ペーリンは2008年の大統領選挙で副大統領候補になった茶会系政治家。

 トランプ前期に政権中枢を担ったマティス国防長官、ジョン・ケリー首席補佐官らが「トランプ大統領は国防を理解していない」と批判しはじめた。「アメリカを分裂に導く」と非難、現職のエスパー国防長官も「暴動へ軍の投入には反対」と述べ、足並みの乱れが表面化した。
 国内暴動に軍が派遣されたのは、アメリカでも過去に一回あるだけで、内乱の懼れがある時だけ。一般的に国内治安は州兵の役割である。

 鉄壁の支持基盤であるエバンジュリカルの一部宗教指導者もトランプ批判を展開しているが、カソリック信者の支持率は37%に急落している。

 ここにコーリン・パウエル元国務長官が「バイデン候補に投票する」と発言して、共和党に鮮烈な衝撃を運んだ。
パウエルは黒人ゆえに、黒人差別とするキャンペーンを張りだした民主党リベラル系に同調する発言を繰り出すことは予測された。

 全米に燃えひろがる暴動は一過性のもので、いずれ沈下する。
問題は経済の立て直しである。失業率に改善が見られないと、秋以降の本番に、トランプは相当の苦戦を強いられる可能性が高まった
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