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2020年9月10日 170号
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編集長ピックアップ
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中村将
尖閣諸島(沖縄県石垣市)沖で起きた海上保安庁の巡視船と中国船漁船の衝突事故から今月7日で10年を迎えました。衝突事故とはいいますが、中国漁船の挑発的かつ、危険極まりない行動の果ての事故でした。
事故の記憶もさることながら、逮捕した中国漁船の船長を検察は起訴することなく釈放したという事実は日本人として承服し難いことでした。釈放された船長が悠然と出国していった光景は忘れられません。
釈放に政治的圧力があったことは当時から容易に想像はつきました。関係者がそうしたことをほのめかす証言もありました。ただ、当時の政権内、しかも中枢に近いところにいた前原誠司元外相が事故から10年の節目に産経新聞に語った内容は実に衝撃的でした。あの時のもやもやっとした後味の悪い結末に至った経緯が、くっきりと輪郭を現したのです。
前原氏いわく、公務執行妨害容疑で勾留中だった船長を「釈放しろ」と迫ったのはほかならぬ菅(かん)直人首相だったのです。横浜市で約1カ月半後に迫ったアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で議長を努めることになっていた菅氏が、中国の胡錦濤(こ・きんとう)国家主席が来なくなる、と懸念したというのです。前原氏はそのときの様子を細かく証言しています。 ▼船長釈放「菅直人氏が指示」 前原元外相が証言 主席来日中止を危惧
しかし、なぜ前原氏は取材に対し証言したのでしょう。船長釈放をめぐっては、当時から内閣のスポークスマンで、首相の女房役とされる仙谷由人官房長官(故人)に批判が集中しました。前原氏はツイッターに「仙谷官房長官に対する筋違いの批判は、実情を知るものとして、ずっと心に引っかかっていた」と書き込みました。 ▼前原氏「仙谷氏への筋違い批判が心に」 産経に語った理由を投稿
事故発生から10年を経て、表に出た政権中枢のやり取りは多くの読者の方に読んでいただきました。
菅氏は自身のツイッターに「指揮権」を行使していないことを盾に、「私が釈放を指示したという指摘はあたらない」と投稿しました。 ▼菅元首相「私が釈放を指示したという指摘はあたらない」 ツイッター投稿
この際、論評はしませんが、前原氏のツイッターと合わせて読むと、何が問題だったのかが自然と浮かび上がってくるのではないでしょうか。
これこそ「ニュースの力(ちから)」です。
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懐かしいな!!!!!
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