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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和2年(2020)11月4日(水曜日)
通巻第6688号
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中国、「アント」の上場を突然延期し、馬雲を取り調べ
3兆6000億円が「蒸発」するのか?
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これは「大事件」である。
「アント」は香港と上海の株式市場にIPO(株式公開)を行う予定だった。この予告があって、本来なら暴落気味の中国の株式が、一定されてきた。
アントはアリババ傘下の金融子会社、庶民銀行と換言してもよい。利用者10億人、スマホ決済の主流になりつつある。
ということは中国当局の経済統制が限界を超える。国家金融主義で、通貨の統制を図ってきた中国共産党に取ってみれば、脅威である。
株式上場を予定してきたアント、投資家の熱狂も手伝って事前申し込みが殺到していた。株式情報筋によれば、史上空前の3兆6000億円というデビューを飾る予定だった。
中国当局は馬雲(アリババ創業者)の取り調べを行っていた(11月2日)、この情報がもたらされると、アントの香港、上海同時上場の延期が発表された。
馬は「新たらしい時代の証券への監督は対応できるが、古い感得監査は受け入れがたい」として、当局の神経を苛立たせていたという。統制側からみれば、馬の発言は挑発的であり、共産党支配への反対声明とも受け止められるからだ。
習近平は五中全会で、中国の「GDPを2035年までに二倍にする」と発言したらしい。
公式発表ではGDP数値目標は示されていない。2035年までに中国のGDPが二倍になる可能性は殆どないが、というよりこれからは縮小の方向へ向かうだろう。
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「アリペイ」運営のアント・グループ、上場が突然の延期
史上最高額となる見込みだった中国のスマホ決済サービス「アリペイ」の上場が突如、延期されることになった。アリババグループ傘下の「アリペイ」を運営するアント・グループは、今月5日に
「アリペイ」、上場計画延期 当局が慎重姿勢に転換か 中国
【上海時事】中国電子商取引最大手、阿里巴巴(アリババ)集団系列で電子決済サービス「支付宝(アリペイ)」を運営する金融会社アント・グループは3日、上海、香港両証券取引所で5日に計画していた新規株式公開(IPO)を延期する方針を決定した。 上海証券取引所の公告によると、ITと金融を融合した「フィンテック」について、中国の監督管理体制の見直しなど「重大な事案」が発生したため。国内の金融リスクが高まる中、当局がアントの一部事業を問題視し、上場に慎重な姿勢に転じた可能性がある。 アリペイはQRコードなどを使ったモバイル決済を浸透させたことで知られ、最近はアリババの顧客基盤を生かして保険の販売、小口融資など各種金融サービスを拡充。フィンテックの有力企業として急成長を続けていた。 今回のIPOでは上海、香港でそれぞれ172億ドル、合計344億ドル(約3兆6000億円)を調達。2019年12月に上場したサウジアラビア国営石油会社サウジアラムコ(294億ドル)を抜き、過去最大の上場案件となる見通しだった。
ところが3日になって上海証券取引所がこの上場を延期すると発表しアントの報告内容が条件を満たしていないとした。また、香港メディアは香港での上場も延期されると報じている。 中国当局がアリババ創業者のジャック・マー氏らを呼び出して指導を行ったことが明らかになったばかりで、マー氏は先月、「未来への責任感から発言する」として当局の金融政策を批判していた。(ANNニュース)
「アリペイ」、上場計画延期 当局が慎重姿勢に転換か 中国
【上海時事】中国電子商取引最大手、阿里巴巴(アリババ)集団系列で電子決済サービス「支付宝(アリペイ)」を運営する金融会社アント・グループは3日、上海、香港両証券取引所で5日に計画していた新規株式公開(IPO)を延期する方針を決定した。 上海証券取引所の公告によると、ITと金融を融合した「フィンテック」について、中国の監督管理体制の見直しなど「重大な事案」が発生したため。国内の金融リスクが高まる中、当局がアントの一部事業を問題視し、上場に慎重な姿勢に転じた可能性がある。 アリペイはQRコードなどを使ったモバイル決済を浸透させたことで知られ、最近はアリババの顧客基盤を生かして保険の販売、小口融資など各種金融サービスを拡充。フィンテックの有力企業として急成長を続けていた。 今回のIPOでは上海、香港でそれぞれ172億ドル、合計344億ドル(約3兆6000億円)を調達。2019年12月に上場したサウジアラビア国営石油会社サウジアラムコ(294億ドル)を抜き、過去最大の上場案件となる見通しだった。