パルデンの会

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アフガニスタンにおける米国の完全撤退は、ISの復活を促し、中国国内でのウイグル人、イスラム教徒への弾圧を開放する本当の中国国内での熾烈な テロ活動が始まる事を、米国は知っているようだ。

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宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)4月15日(木曜日)
     通巻第6862号  
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 バイデン、アフガニスタンから完全撤退を表明。    トランプ路線を追  アフガンは無政府状態、          テロリストの天下になるが、米国の底意は
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 トランプ前政権ははやくからアフガニスタン撤退を表明していた。
 200兆円を超える天文学的な戦費を注ぎ込み、一時は十万人ものアメリカ兵を派遣した。犠牲は3000名を超えたが、アフガニタンに米国が描いたような秩序も平和も訪れなかった。壮大な無駄? 「投票箱」が民主主義と誤信する米国の野心的なアフガニスタン主化は水泡と帰した。

 オバマ政権後期から、駐屯する米軍兵力の規模縮小を行ってきたが、バイデン政権は、この撤退予定をいったんは白紙に戻した。4月時点で残留米軍は2500名となった。当初は五月一日までの撤収予定だった。
 3月18日、オースチン国防長官はインドを訪問し、クアッドの共同軍事演習などの狭義を行った。その足でアフガニスタンを電撃訪問した。

 4月13日、ホワイトハウスでバイデン大統領は正式にアフガニタンからの完全撤退を表明した。911テロから二十年の記念日をひとつのメルクマールとするためだ。換言すれば、トランプ路線を継承する。発表前にバイデンはブッシュ元大統領、オバマ元大統領に電話し、撤退声明の段取りを伝えた。

 さて米軍が撤退したあと、何が起こるか?
 ガニ政権の基盤は首都カブールとその周辺にしか及んでおらず、各地にはテロリストを言われる武装集団が盤踞したまま。
 タジク系、キルギス系、そしてヘクマチアル派に北部同盟の残党が武器を所有し、政府軍に攻撃を仕掛ける。撤退後、いずれ各派が武闘を繰り返し、無政府状態が出現するだろう。

 しかし米国は戦略的要衝としてのアフガニスタンを重視しておらず、介入の動機は911テロに対しての報復。それが泥沼化したのだ。トランプは、この意義の薄いアフガニスタンへの介入を、国益は繋がらないと判断し撤退を唱えていた。反対していたのはペンタゴンと旧オバマ政権のブレーンらだった。オバマは「アフガニスタン戦争は『良い戦争だ』」と啖呵を切っていた。

 注意深く事態の成り行きを見ているのはロシア。そしてISである
 ISがこのところ沈黙を守り、戦力を温存させてきたのは『米軍撤退後』に焦点を充てているからである。
 なぜならアフガニスタンを軍事拠点とすれば、次に彼らが仕掛けるのは中国である。中国共産党の過酷なウイグル弾圧は、おなじチュルク系の民族的紐帯に重ねてイスラムの連帯である。

 米軍の撤退で、軍事的脅威が目の前にくるのが中国だろう。
 ウイグル自治区での収容所、言論弾圧と洗脳を西側は「ジェノサイド」として非難する。国際社会に孤立を深め、北京五輪ボイコットの合唱も日一日と大きくなってきた。

 バイデンは米国の世論調査の民意の変化に沿って表向きの撤退を演じながら、裏ではむしろ対中国への武装集団の出撃基地となることを秘かに意図しているのではないかとの邪推も生まれる。

 ◎☆◎◎み☆◎□☆や□◎◎☆ざ◎◎□☆き◎☆◎◎