川にかかる「水管橋」崩落、6万世帯が断水…市長「震度7でも耐えられるようにしていた」
一部が崩落した六十谷水管橋(3日午後5時43分、和歌山市で)
和歌山市は4日、市内を流れる紀の川にかかる「六十谷(むそた)水管橋」(長さ約550メートル)の一部が崩落した影響で、同日午前11時現在、市北部の約6万世帯(約13万8000人)が断水していることを明らかにした。復旧のめどは立っておらず、市立の幼稚園、小中学校と高校の計36校園が臨時休校となった。 【写真】大雨で傾いた鉄道橋脚、橋桁や線路もゆがんだまま
この水道橋は1975年3月に完成し、川の南側の浄水場から北側の地域に水を送る2本の水道管(直径約90センチ)が通っている。市職員が3日午後4時過ぎに橋の中央付近が約60メートルにわたって落下しているのを確認した。同日夜以降、川の北側のほぼ全世帯で断水が発生しているという。
尾花正啓市長は4日午前10時から記者会見を開き、橋は2015年度に耐震化工事を実施していたことを明らかにし、「震度7の地震でも耐えられるようにしていた。老朽化が原因とは考えにくい」と説明。近くの別の橋に応急用の水道管を設置する工事を行うことを検討しており、「4日中に復旧のめどを立てたい」との方針も示した。
休校になったのは、幼稚園5、小学校22、中学校8、高校1の計36校園。
市は4日午前7時から、休校になった22小学校に住民向けの給水所を設置。このうち野崎小では約100人が列を作り、78歳の女性は「トイレが流せず、お風呂にも入れず困っている。いつ復旧するかわからないのが不安だ」と話していた。
スーパーやコンビニエンスストアでは、ペットボトル入りの水の品切れが相次いだ。60歳代女性は3日午後9時頃、近所のスーパーに水を買いに来たが、すでに売り切れていた。「お風呂に水をためている途中で出なくなったから、慌てて来たのに」と困惑していた。
市は問い合わせの窓口を設置しており、電話(073・435・1353)。