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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和四年(2022)5月26日(木曜日)
通巻第7348号
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欧米の政治ムードはウクライナ全面支援、ロシア敗退を目標化
ウクライナ国民が戦った以上、英米の武器支援は強化された
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もしゼレンスキー大統領がポーランドあたりへ逃れて、指令を出していたと仮定すると、ウクライナ国民があれほど勇敢に戦っただろうか?
むろん、クリミア半島をあっさりと併合された屈辱から八年かけての捲土重来は、英米のひそかな支援と、情報共有が基本にあった。ロシア軍の戦車の侵攻を食い止めたのは英米が提供したジャベリンとスティンガー・ミサイルであり、ロシアの軍事情報や部隊の移動などは英米の情報機関がウクライナ軍にもたらし、ゼレンスキー大統領の警護は英国の特殊部隊が担当している。
米国は「スィッチブレード」という自爆ドローン(別名『神風ドローン』)をウクライナに提供しており、射程90キロ。AIが確実に目標を捉え、戦車、装甲車を破壊するシロモノである。ペンタゴンはこの自爆ドローンを百基、ウクライナ兵を訓練し、供与した(『ゼロヘッジ、』5月26日)
ウクライナの「マイダン革命」(ヤヌコビッチ元大統領を追い出した)、カラー革命の仕掛け人の一人、嘗てはハゲタカファンド世界一と言われたジョージ・ソロスが、5月24日にダボスで演説した。
「ロシアのウクライナ侵攻は第三次世界大戦の始まりとなるかもしれない」とし、「自由な文明を維持する最良の方法は西側がウラジーミル・プーチン大統領を打ち負かすことだ」と徹底したロシア打倒論を述べた。キッシンジャーとはまるっきり正反対の過激左翼思想家らしい。
▲キッシンジャー批判の演説はジョージ・ソロス
ソロスは続けた。
「ウクライナ戦争は、『開かれた社会』と、中国とロシアなど閉鎖社会との闘争の一環だ」と定義しなおし、「私たちの(自由と民主主義の)文明は生き残れないかもしれない。ゆえにロシアを敗北させるしかない」と力説した。
また停戦交渉が間近と言うが、「プーチンはまったく信頼に値しない。かれの言動は計測不能であり、だから停戦は達成できない。プーチンのやることは予測不可能だ」
ダボス会議はウクライナ一色だが、ソロスは中国の習近平も批判した。
「世界最大の面積を誇るロシアと、世界第二位の経済である中国は、個人が国家に従属する『閉鎖社会』の主要国である。中国とロシアは開かれた社会にとって最大の脅威だ」とし、「植民地思想によって曇った世界像しか描けず、批判を受け付けず、貧困から救い出し、外国の抑圧者を追い払い、中国を再建したと中国共産党は自画自賛しているが、『ゼロコロナ』は失敗した。上海は反乱の危機に瀕している」と述べた。
ともかく事前の予測はみごとにはずれて、「ウクライナは降伏しろ」とテレビで放言していた橋本某は大阪市長時代の上海電力とのスキャンダルが表面化したことも手伝って影響力を失った。
ロシアの敗色を見て取ったスウェーデンとフィンランドはNATOへの参加をタイミング良く打ち出した。トルコが反対しているのは条件闘争である。
□◎○☆み○◎☆○や○☆△○ざ☆○◎◎き◎△☆□
Conversation
日本の恥を世界に晒さないでもらいたい。ウクライナの現状はもちろん、沖縄の現状を正しく理解していたら、こんなふざけた「冗談」が出るはずがない。沖縄県議会の皆さん、知事に緊張感を抱かせるのも貴方がたの役割です。
玉城沖縄知事「ゼレンスキーです」 冗談を陳謝 https://sankei.com/article/20220525-IOPMFM5ESRLNRGOVIGOWSF32KA/… 「他意はなく、不用意な発言だった。心からおわびしたい」と陳謝した。また、ロシアによるウクライナ侵攻を改めて批判し、「ウクライナの現状を軽んじる気持ちは毛頭ない」と弁明した。