パルデンの会

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岸田文雄総理の長男の秘書官の「公邸・大はしゃぎ」問題 ,「秘書官交代」となった。「更迭」、つまり「パパが、クビにした」かと思っていたが実はそうではなかった

 

こんにちは。表現者クライテリオン、編集長の藤井聡です。

 

 岸田文雄総理の長男の秘書官の「公邸・大はしゃぎ」問題ですが、最終的に「秘書官交代」となりました。当初当方は、てっきり「更迭」、つまり「パパが、クビにした」という話かと思っていたのですが実はそうではなかったようです。

 

 そもそもパパ(文雄)は、息子翔太郎の素行には色々と問題があるので、辞めさせたいと思っていたが、一人っ子の翔太郎を溺愛してきたママ(祐子)が「そんなの絶対ダメ!」と言い張ったため、クビにできなかったとのこと。でも今回の「大炎上」で、翔太郎の心が折れ、「もう絶対辞める!!」と言い出し、パパとママの「辞めるなんて言っちゃダメ。がんばりなさい」という説得も聞かず、仕方なく、辞任させることにした…そうです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/52b1e6413a4da3af47827aec3f9f0fd143cd99ed

https://news.yahoo.co.jp/articles/26dfa784bafb4d3c0deb06fbc4dedfaeb4b0fb08

 

つまり、「パパが悪い事をした息子を懲らしめるためにクビにした」のではなく、「息子が辞めるといいだし、しぶしぶパパが認めた」という話なのであって、パパは結局、息子に罰を何も与えなかったのです

 

これには心底、驚きました。誠に酷い話です。

 

この話の何が問題なのかを改めて整理すると、次のようになります。

 

第一に、長男翔太郎が、「公邸の使用権」という政治権力を「私物化」して公邸で大はしゃぎパーティをした、という「悪事」がバレた。

 

第二に、文雄パパが、「秘書官の任命権」という政治権力を「私物化」して、秘書官には全く相応しくない息子を、秘書官に任命していた、という「悪事」がバレた(今回の一件で、息子は秘書官に相応しくないことが改めて証明されたから)。

 

第三に、文雄パパは、「秘書官の罷免権」という政治権力を「私物化」して、(以前のLGBTで問題発言した秘書官には「更迭」という罰を与えた事を踏まえれば)本来ならば公邸を不適切に使用した息子に「更迭」という罰を与えるべきところ、祐子ママと、パパの自分の『許してやりたい』という私的な気持ちを優先し、不当に許して罷免しなかった、という「悪事」がバレた。

 

要するに、今回の一件は、岸田文雄という人間が、自分が総理大臣になったってことで手にした政治権力を私物化する、という「悪事」を働いていたという話なのです。

 

これが国民の逆鱗に触れた訳で、大炎上している、という次第。

 

こういう「政治権力の私物化」あるいは、「政治権力の私的流用」は、政治腐敗(political corruption: 政治腐敗)と呼ばれます。

 

この政治腐敗については、安倍政権期にも詳しく論じていますが…

 

藤井聡】安倍政権「腐敗」仮説:今、日本がウソで自滅しかかっているのは、安倍政権が「腐敗」しているからではないか?

https://newscast.jp/news/412448

 

…一般に、「政治家や公務員が権力を利用し不当な利益を得ること」と定義されているのが「政治腐敗」というものです。

 

これをかみ砕いて言うと、次のように説明することができます。

 

政治腐敗とは…

『国民が政治家を

 「国民や国家をよくしてくれる」と信頼して

 いろんな政治権力を与えてやったのに…  

 それをネコババして、自分のために使う事。』

 

ここで重要なのは、民主主義政体においては、政治権力は国民が政治家に「与えてやっているものだ」という点。

 

この一点さえしっかり認識すれば、政治腐敗というものは、「裏切り」なのであって、「民主主義の敵」そのものである、という点が明晰に浮かび上がります。だから、政治腐敗は「大罪」なわけです。

 

岸田一家は、「官邸使用権」や「秘書官任命権」「秘書官罷免権」といった、国民が、みんなのためにやってくれるなら…ということで与えてやった大きな「政治権力」を、ネコババして、長男の教育や、長男への利益供与、長男の保護という、極めてプライベートな目的に、祐子ママと相談しながら私的流用していた、というのが、今回の一件の本質なのです。

 

 

さて、総理の政治腐敗は、極めて深刻な問題です。

 

なんと言っても、総理というものは、国内最大の政治権力を持つ存在だからです。

 

ですから、その辺の小役人の腐敗とは桁違いに巨大な被害を、日本全体にもたらすのです。

 

事実、岸田が行った「増税」や「少子化対策」や「ウクライナ訪問」や「G7首脳広島慰霊イベント」は皆、口では日本のためだ、世界のためだと言っていますが、それらは全て、「自分のため」に、自らの総理権限を使って行ったものに過ぎないとしか考えられないものばかりなのです。

 

その結果、経済は疲弊し、少子化は進行し、極東の安全保障環境は劣悪化し、日本人としての誇りが根底から汚されるという最悪の事態となっているのです。

 

当方は、こうした岸田の政治腐敗の一つ一つを、政策論の観点から丁寧に批判して参りましたが、その背後にあるのは、「総理の政治腐敗」=「総理権限の私的流用」の問題だったのです。

 

そうである以上、この腐敗問題は、レベルが一つ「上」の、日本にとっても超絶に深刻な超一級の重大問題となっているわけです。

 

で、その問題が、今回の長男の大はしゃぎ事件によって、誰の目にも明らかな形で白日の下に晒された、という次第です。

 

だからこそ、我々は、岸田総理の政治腐敗を絶対に許してはならないのです。

 

この総理の政治腐敗を、早く止めなければ、日本は確実に滅びることになるのですから。

 

是非、こういう視点から、この岸田一族のふざけきった公邸写真を今一度、眺めてみてください。

 

そのおぞましさがさらに際だってくるのではないかと、思います。

 

ではまた、来週。

 

追伸:

本記事は、メルマガ『藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~』(https://foomii.com/00178)で配信したものの抜粋です。このメルマガでは、ここ数日はこの岸田長男問題を下記のように取り上げつつ…

 

「岸田氏長男秘書官辞任」問題の本質は岸田文雄氏の政治腐敗。その腐敗の抑止には、国民の怒りが大きければ大きいほど、効果的である。

https://foomii.com/00178/20230602000816109799

 

岸田パパが長男翔太郎をクビにしたのは公邸の不適切行動が原因でない。それが「バレたから」である。もはや「岸田政権の腐敗」は歴代最高水準に達している。

https://foomii.com/00178/20230530033353109661

 

維新の台頭問題や…

 

維新の台頭の根本原因は、維新が「ヤンキー風」だから。でもヤンキー政治は「気合い」があっても、確実に国を滅ぼします。

https://foomii.com/00178/20230528071448109571

 

「維新」が台頭したのは、岸田自民が完璧に失った「ヤンキー気質」を「売り」にしているからである。

https://foomii.com/00178/20230525201311109502

 

…G7の岸田氏の欺瞞について論じています。

 

広島G7でウクライナ支援を鮮明にした岸田総理は、戦争被害と核使用リスクの双方をいたずらに拡大させた。

https://foomii.com/00178/20230523081434109390

 

岸田氏によるG7広島平和祈念イベントは、「核廃絶の機運醸成」「ロシアの核使用抑止」にとって何の役にも立たない。

https://foomii.com/00178/20230522071136109338

 

「平和・反核」アピールを通して、(対中国圧力の増強を通した)日本の安全保障増強のチャンスを自ら潰した岸田総理によるG7運営

https://foomii.com/00178/20230520153702109290

 

是非ご一読ください。

https://foomii.com/00178

 

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