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「
宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成23年(2011) 8月5日(金曜日)弐
通巻第3390号
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中国の不良債権は地方政府が乱発した開発債だけで、およそ170兆円が怪しい
米誌ビジネスウィークが指摘。「火遊び」のツケがやってくる
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マグローヒルから経営がブルームバーグに移行したが週刊『ビジネスウィーク』は
健在。
同誌最新号は、中国のメチャクチャな地方政府の起債と借り入れ金の実態を特集した。
地方政府は「開発公社」を設立して、売却した土地に、マンション群、ショッ
ピングモール、体育館、スタジアムなどを建設し、銀行から巨額を借り入れてきた。
この類の「開発公社」は中国全土に、およそ一万社。買い入れ総額は邦貨換算で
250兆円、このうち170兆円が不良債権化する懼れがある、と報じた。
中国のSECも14兆2000億元という数字を発表している。(一元=12円で
計算)。
ファンド筋が中国の地方政府のダミーである「XX開発公社」の開発債を購入する
のは金利の魅力である。ちょうどギリシア国債が高金利をつけて世界の投資家から
カネを集めたような近似行為だ。
JPモルガンの元幹部は同紙に「これは火遊び」と辛辣な言葉をあびせ、また
クレディスイスの幹部は「借り入れ返済のため、地方政府は土地のたたき売りも
始めている。このため地方によって不動産価格は三割下がっている」とコメントした。
なにかとてつもなく大規模な金融惨事がおこりそう。