パルデンの会

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中国の都市化計画は大風呂敷か? 秒読みの中国共産党崩壊


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宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
   平成25(2013)年7月9日(火曜日)貳
        通巻第3978号
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中国の都市化計画は大風呂敷か
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 中国の都市化プロジェクトは史上空前の規模である。
 「あと12年間で二億五千万人の農民を都市へ移動させる」という大計画。本当なら日本の二倍以上の人口が他へ移民するに等しい。
 1980年代の中国の農民人口は80%だった。現在の中国のそれは47%だが、ほかに17%が都市への流民となった。つまり国民の64%がすでに都市に住んでいるのだ。
 エネルギー、食料などの配分にも大問題が生じている。そのうえ計画通り「2025年までに都市人口を9億人」にするには毎年6000億ドルの資金が必要となる。
 農地を奪われ、都市へ強制移動させられても、農民出身者にはエンジニア系の職業がなく、移転に伴う補償金を食いつぶせば、いくら住宅が廉価だとしても水道光熱費は支払い続けなければならない。農村に残った人々は若くても40代から50代、新しい職業といえばビルの夜警くらいしかない。農民戸籍では年金ももらえず医療保険はない。
 
あまつさえ7月が卒業時期だというのに大学新卒者(今年度は700万人)の33%しか就職先が内定していない。GDP成長率は顕著に鈍化している。
 いったいこの難題を中国共産党が解決する方法はあるのか。
 地方政府にとって、もはや低所得者住宅を建設する余力がなく、計画は計画、実行するには予算がない。だから各地で農民の不満が噴出し、死傷をともなう暴動が起きる。暴動件数、いまや年間20万件、手の施しようがなくなった。
 ところが皮肉なことに不動産投機によるマンションの空き屋状況はますます悪化しており、中国全土の空き屋および空き室は最低みつもっても8500万戸、最悪の想定は一億戸を超えている。

 これらは投機、投資のために金持ちが購入したもので、低所得者が住むわけではない。いずれコンクリートの腐食が始まって廃屋となる危険性が高い。内蒙古自治区のオルダス市郊外カンバシ区は百万都市ができて居住者は二万八千人しかしない。このように各地に鬼城(ゴーストタウン)が出現している。

 『TIME』(6月17日号)が書いた。
 「習近平は『中国の夢』と言ったが、世論調査では中国人の七割が『不同意』と回答した。外国企業は中国から撤退をはじめ、銀行などは中国投資を引き上げ、いまでは北京に住んでいる外国人は1%以下となった。ニューヨークはちなみに35%の市民は外国産まれである」。

 伊勢丹もヤマダ電器も撤退した。
 年間8300万人の中国人が海外旅行をなし旅行費用を含めて落とすカネが1020億ドルにものぼると興奮して歓迎するのは旅行宿泊業者らだが、手放しで喜べるだろうか?
 世界中いたるところで、対中感情は悪化し、BBCの世論調査でも世界中の39%は中国人にネガティブな反応を示した。そのなかには膨大な援助を貰っているアフリカと中南米諸国も含まれていことが分かった。
 中国の夢はまさに他の国にとって悪夢となった。