パルデンの会

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中国のジレンマをいかに?<中国艦船と米巡洋艦が「一触即発」/南シナ海>


勝谷誠彦氏の有料ブログより

 平和ボケしている国にいるとなかなか肌で感じられないだろうが、米支の軍事的緊張はよほど高まっている。
 

<中国艦船と米巡洋艦が「一触即発」/南シナ海

 http://sankei.jp.msn.com/world/news/131214/amr13121410530006-n1.htm
 <南シナ海で活動中の米海軍のイージス巡洋艦が、中国海軍の艦船から停船を要求された上で航行を妨害され、緊急回避行動を取っていたことが13日、発覚した。不測の事態を招く危険な行動であり、米政府は中国政府に抗議した。
 米国防総省国務省の当局者によると、事件があったのは5日。米海軍の巡洋艦「カウペンス」が航行中、中国艦船が停船を要求し、警告を発した。カウペンスは公海上であることから要求を無視して航行を続けたが、中国艦船はカウペンスの前方に回り込み、進路をふさごうとしたため、カウペンスは緊急回避行動を強いられた。
 カウペンスは、演習のため南シナ海に展開していた中国の空母「遼寧」の動向を監視していたとみられている。>
 <13日、発覚した>のは、米軍の機関紙『スターズ・アンド・ストライプス』が書いたからだ。書いたこと自体が、支那に対する警告と挑発だと言える。同紙によると、双方の艦船の距離はわずか460メートル。海でまだしもよかった。空ならば2001年の海南島事件の再現になっていた。海南島事件とは、米軍の電子偵察機EP3E支那人民解放軍海軍航空隊所属のJ8II戦闘機とが空中衝突し、支那側は墜落、米軍機は海南島に不時着したものの 搭乗員が身柄を拘束され、偵察機のデータを徹底的に調べられたという出来事だ。これも南シナ海上空のことだった。
 やり口がそっくりなのである。まことに幼児的な挑発であって、まともな軍隊どうしでは起きるはずのないことだ。軍事関係者であれば、支那軍の練度と統制力を嘲うに違いない。日清戦争の前に、大きな戦艦を誇示しながらその中の廊下で脱糞をしているような支那軍のありさまに、各国の観戦武官が仰天したというが「伝統」は健在なようだ。
 もちろん、だから危ういとも言える。偶発的な「事故」は日本もまったくひとごとではない。尖閣諸島沖では、もっとヒリヒリするような攻防が今日もなされていることだろう。だってあそこでは、漁船を装った工作船がホントに突っ込んできたからね。「衝突」を回避できているのは、支那側ではなく、日本側の海上保安庁自衛隊の練度が高いせいだろうと私は思う。ごくろうさまです。
 冒頭に書いた、米支の軍事的緊張は、実はこのニアミスそのものからだけ、私は感じ取ったわけではない。南シナ海にカウペンスが来ているのか、と驚いたのだ。カウペンスは確か第三艦隊に所属しているはずだ。南シナ海へは「出張」なのである。東太平洋の護りから外してまで、支那海軍の動向をウォッチしていることに、アメリカの現況に対する危機感があらわれている。
 次の「戦場」は南シナ海になることを痛感させる出来事だ。

 アメリカはミサイル巡洋艦を出張させてまで軍事的に南シナ海を護ってくれているが、政治的、外交的にはやはり東亜の盟主の日本の出番だろう。安倍晋三首相は就任以来、そのことをよく理解して頑張っている。
 

<日本とASEAN/「空の自由」で対中結束を>

 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131215/plc13121503200001-n1.htm
 <日本・東南アジア諸国連合ASEAN)特別首脳会議が、中国による東シナ海への一方的な防空識別圏設定を念頭に、「飛行の自由」をうたう共同声明を出した。
 中国の防空圏設定は、海、空両面からの対外拡張主義の発露としてアジア地域共通の脅威となっている。この強い対中牽制(けんせい)メッセージを歓迎したい。
 共同声明には、「飛行の自由および民間航空の安全確保に向けた協力強化」が盛り込まれた。
 中国が防空圏設定を発表してから時機を失せず、日本とASEANが、交流40周年の節目に東京の地から声を一つにして、それに異を唱えた意義は大きい。>
 産経新聞のこの「主張」はいいところを突いている。「全首脳が」(いろいろと国内事情でそれどころではないタイのインラック首相は除く・苦笑)「東京に」来てくれたことが大きいのである。支那は、歴史的、本能的にまことに嫌に感じているだろう。なぜならばあそこは「朝貢外交」の国だからだ。「あちらから来る」ことに意義があるのである。来させる、しかし貢ぎ物よりも大きなお土産を渡して威厳を示すというやり方だ。今回は、まさにそれ。
 

<日・ASEAN、「飛行の自由」で連携強化/中国けん制/特別首脳会議共同声明>

 http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS1401Y_U3A211C1MM8000/
 <安倍首相はODAで、鉄道や空港の整備を後押しする考えを表明した。>
 ちゃんと日本もお土産を渡している(笑)。「平成の大東亜会議」というべきで、アジアの対立軸がいよいよ鮮明になってきた。

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