パルデンの会

チベット独立と支那共産党に物言う人々の声です 転載はご自由に  HPは http://palden.org

「社長交代が早すぎる」 王将新社長に渡辺常務昇格


勝谷誠彦氏の有料ブログより

 「王将」の射殺事件について宮崎哲弥さんが面白いことを言っていた。「社長交代が早すぎる」と。
 これには、私も驚いていた。経済界の常識で言えば、葬儀を終えてそのあと役員会をやって選出するのがまあ常道だ。なのに。
 <王将新社長に渡辺常務昇格>
 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/enterprises/jinji/20131220-OYT8T00340.htm
 <王将フードサービス19日、大東隆行社長(72)の死去を受けて臨時取締役会を開き、後任社長に渡辺直人常務(58)を昇格させた。
 渡辺氏は入社以来約30年にわたり、営業畑を歩んできた。>
 創業者一族の中で「家族会議」を開いてもこうはなかなかいかないでしょう。通夜の席でなんとなく話し合いがあって、葬儀を終えてそのあと会社として正式に決定する、くらいがせいぜいだ。にもかかわらずこのスピードなのは、何か早急に対処しなくてはいけないことがあるのではないかと勘繰りたくもなる。大東隆行社長は、ある意味でワンマンだったと聞く。であれば、彼が何をやっていたのかを分析し、良きことは継承するというようなことをしばらくは集団指導体制で検討するのが普通だと思うけどなあ。
 どうも年も押し詰まってきたのに「世情騒然」なのである。立て続けに組織のトップにいる人物がいきなり射殺されるというのは尋常ではない。
 <北九州市漁協組合長、銃撃され死亡/暴力団の犯行視野に捜査>
 http://www.nishinippon.co.jp/nnp/f_kitakyushu_keichiku/article/59270
 <20日午前7時55分ごろ、北九州市若松区畠田2丁目の路上で、「バンバンという発砲音が聞こえ、男性が倒れている」と、住民から110番があった。福岡県警若松署によると、男性は同区畠田1丁目、北九州市漁業協同組合組合長の上野忠義さん(70)。胸と左腕の少なくとも2カ所に拳銃で撃たれた痕があり、市内の病院に救急搬送されたが、約2時間後に死亡が確認された。拳銃を使う手口などから、県警は暴力団の犯行の可能性があるとみて殺人事件として捜査を始めた。>
 あるいは二つの事件は、薄い関連性があるのかも知れない。朝、待ち伏せをして近距離から確実に仕留める。もちろんお二人につながりがあるわけではないだろうが「どうしようか」と迷っていた極道の背中を、京都の事件が押した、程度の関連性は考えられる。両方とも住宅地であり、小学校などからそう遠くもない。
 「なぜ漁協の組合長が」と思うのが、都会人の普通の感覚だろう。あのですね、東北の被災地の漁協のみなさんの、あの朴訥で勤勉な人生を思ってはいけません。漁協というのは「魚以外の利権」の巣窟なのである。昔、毛唐鼠園を作るにあたっての、地元漁協との交渉ごとにちょっと取材で首を突っ込んで「これはイカン」とすぐに手を引いたことがある。それほど、怖い。今回のように銃弾が飛んでも、私はちっとも不思議ではない。
 結局は「海をカネにかえている」のである。港湾整備の利権、埋め立てにともなう補償の利権。莫大なものである。ちなみに、みんな私たちの税金ですよ。しかも国土交通省ではなく農水省がそれらを握っていたりする。ホント、怖い世界です。
 「北九州市漁協組合長」という肩書もひとつのキモだ。市の漁協は平成19年に7つの漁協が統合して作られた。漁師の世界というのは、浦と浦とであまり仲がよくないことが多い。裏社会がそうしたことにつけ込む余地があったのかどうなのか。
 
 いずれにせよ、毎日のように拳銃で一般人が殺されるというのは、日本社会においては稀有な日々である。残念なことだが、あちこちのヤバい場所を歩いてきた経験から言うと「テロルの空気」というのは伝染しやすい。コップに水がギリギリまで一杯になっているところに、一発の銃弾が最後の一滴を落とすのである。北九州のケースで「背中を押した」と書いたのはそういうことだ。
 それに加えて北朝鮮がますます狂い始めていることがある。
 <北朝鮮が日本で粛清決行の恐れ/潜入中の張氏一派を狙い暗殺部隊派遣か>
 http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20131219/frn1312190731000-n1.htm
 <北朝鮮金正恩キム・ジョンウン)第1書記が、日本国内に暗殺部隊を送り込むとの見方が浮上している。銃殺された叔父の張成沢チャン・ソンテク)前国防委員会副委員長は偽名で何度も日本に入国しており、張一派の潜入工作員が巨額の資金を日本国内で隠蔽しているというのだ。>
 いま北朝鮮で起きているのは「忠誠競争」だ。いかに金正恩に対して手柄を見せるかが、自分の命にかかわって来るからだ。記事にあるように、日本に送り込まれているのは張成沢一派を粛清するための工作員たちかも知れない。しかしそうした中で「はねっかえり」が出ないとも限らない。
 では「はねっかえり」はどうやって自分の「手柄」をたてようとするだろう。その貧しい頭で考える相手、それは同胞の韓国と同盟の支那の双方から憎まれている人物で、ひとりしかいない。安倍晋三首相である。
 実は、秀逸なる工作員たちから危惧の声がしばしば届いている。安倍さんは今なお公邸に住まずに、自宅から通っている。そのルートが毎日同じであり、先導する警備の車も1台しかないというのだ。これは情報工作の世界ではあり得ないことである。ぜひとも当局に見直しをお願いしたい。
 ちなみに。さきほどの記事の中で、私の『週刊文春』の時の同僚でもある、筆者の加賀孝英さんはこう書いた。
 <今だから明かすが、張氏は過去に何度も偽名で日本に入国していた。これは私(加賀)だけではなく、外事警察も確認している。>
 いやいや、加賀さん、あのころの『週刊文春』でやったじゃん。不肖・宮嶋茂樹センセイの大スクープを。宮嶋君は、世界の情報機関のどこもが確認していなかった張成沢の姿を、成田に張り込んで撮ったのである。よくぞ撃たれなかったものだ。
 今出ている『週刊文春』では張成沢処刑の大特集をしているので、グラビアはこれで来るかと思ったのに、載っていなくて驚愕した。私の後輩たち、ひょっとして知らない?
 残念なので私が使わせてもらうことにした。来週発売の『SPA!』の巻頭の私のコラムにどーんと載る。しょうがないじゃん。『週刊文春』が使わないんだから。ちなみに『カツヤマサヒコSHOW』の来年3回目(だったかな?)のゲストは不肖だ。今度の月曜日に収録します。今夜はいよいよ、レーモンド松屋さん!スタジオで生うたです。観てね。