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「張成沢処刑後の北朝鮮と拉致問題」ー東京連続集会77



★☆救う会全国協議会ニュース★☆2014.02.01

張成沢処刑後の北朝鮮拉致問題」ー東京連続集会77


本日(21日)、東京で「張成沢処刑後の北朝鮮拉致問題-
東京連続集会77が開催された。韓国から金聖自由北朝鮮放送代表をお呼びして講演を聴いた。
金聖代表は張成沢処刑の背後には金正日政権の不安定さがある。外貨不足が内部矛盾を高めている。外貨が欲しくて金正日も拉致を認めた。同じことが2014年に起きる可能性がある。希望を持ってくださいと話した。
金聖代表が当日配布した講演概要をお伝えする。(=王へんに文)

金正恩政権の2年の評価と今後の見通し

金聖、自由北朝鮮放送代表
=王へんに文)
金正恩政権の1年目 複雑な内部事情
 金正日に対する短い哀悼期間を経た後、直ちに軍最高司令官に上がった金正恩20122金正日勲章を制定するなどお祭りの雰囲気造成、4月には党代表者会議と最高人民会議を開催し、長距離ミサイル発射に続き大々的な金日成生誕100周年記念行事を開催し、いわゆる体制安定を誇示した。
 6月には韓国の報道機関の座標まで明記した「最後通告」を公開するなど、対南威嚇を通じて韓国はもちろん北朝鮮内の雰囲気を高度に緊張させ、例年になかった少年団創立66周年行事を行うなどで子供までを含んだ「社会の団結」と「体制守護」を強調した。
 そして7月初め、金正恩李雪主を同伴して、ディズニー・キャラクターの人形が登場し「ロッキー」のテーマ音楽を演奏する牡丹峰女性楽団の公演会場に現れ、変化のジェスチャーを見せた。 白い半袖ジャケットとミニスカートを着たファッショナブルな平壌娘の歌と踊りに世界の耳目を集中させることに成功しした金正恩だ。

同じ年7月には北朝鮮軍の実力者と呼ばれた李英鎬総参謀長を処刑し、軍首脳部
の交替とともに権力層全体に対する人事を強行して、金正恩体制の安定化を誇示することもした。 (*李英鎬関連講演資料の紹介)
 だが、ここから金正恩の悩みが始まったと見るのが正しい。金正恩にとって父の遺産と等しい「共和国元老」らが音もなく消えてしまったのだが、当時の金正恩にはこれをコントロールする何の能力がなかったためだ。
 本意なのか本意ではないのかにかかわらず、金正恩は自分を支えてくれるだろうと信じて疑わなかった「父の側近」を失った。12月の金正日の告別式で自身と共に霊柩車を護衛したいわゆる権力核心7人のうち、軍部4人組が皆失脚したか閑職に退くのをただ見ているしかない環境を生きなければならなかった。 結局、残ったのは金己男と崔泰福など80才以上の象徴的人物であったし、金正恩体制の中核は突然大将称号を受けて北朝鮮の核心勢力に浮上した崔龍海と張成沢だけだった。
 それでも名実共に最高司令官としての権力を行使する金正恩、これを至近距離でしっかりと補佐する張成沢、ここにパルチザン闘士の子弟で誰か見ても問題ない崔龍海までがまわりを固めて金正恩体制は「完成」まで駆け上がるかのようだった。
 けれども背後では、金日成-金正日後継体制の「学習効果」のために金正恩に向かって急速に結集した北朝鮮権力の核心さえ「金正恩に近付くためには張成沢の『壁』を越えなければならない」という意味深長な話が広まり始めた。
 他方では、「張成沢系列人脈」が静かにに浮び上がり始めた。崔龍海を除いても金永日党国際部長、金平海党書記、文京徳平壌市党責任書記などであり、彼らはいわゆる北朝鮮の新しい実力者として名前が挙げられるまでになった。
偉大で神秘的な指導者から人間に墜落
 ここに元老世代の子供である呉日晶 (呉振宇・元人民武力部長の次男)、党軍事部長、徐ドンミョン(徐哲・元労働党書記の長男)対外保険総局長、李容浩 (李ミョンジェ党組織指導部第一副部長の長男)1外務次官、李ヨンチョル(李ファヨン・元党組織指導部副部長の長男)金日成社会主義青年同盟1書記などが張成沢の推薦で金正恩体制に入った。
 軍人事だけは張成沢の主導に任せないという金正恩の意思が作用したが、やはり張成沢の推薦と対立したことで「混乱の極み」の軍首脳部人事であったことがあちこちで感知された。
 ここで、金正恩1年を再び回顧すると「遊園地に行って雑草を抜き」、「金正日がしなかった肉声演説をし」、「各種行事に夫人李雪主を同伴し」、「機会があるごとに、おとな子供関係なく抱いて」やったことだけ残る。 (*李雪主動画関連の話紹介)
 加えて「ミサイル発射失敗を直ちに公開」するなど新しいリーダーシップと風貌を強調したけれども、アイロニーにもこれらのことは体制維持の核心事案である「偶像化」と「首領の神秘」を自ら崩すものとなっただけだった。
 結果的に、金正恩は過去の指導者のような偉大でもなく英雄的でもない普通の人間になってしまい、それだけに北朝鮮住民たちが金正恩にかける期待は「一日三食とうもろこしご飯でも食べさせてほしい」という現実的なことになってしまった。
 権力層の金正恩に向かう非常な結集と違い、住民たちは新しい指導者に対して知らない振りで一貫した。やはり金正恩体制は「権力核心層は結集する反面人民大衆は政権を冷遇する」逆三角形のような不安定な構図になってしまった。 (* 2年前日本での発言/最高司令官任命関連、自由北朝鮮放送記事の適中事例など紹介)
金正恩政権の二年目、これがポイント
 上記のようなことが張成沢によって企画され演出されたので、金正恩の内心の計算はより一層複雑になり悩みが深くなった。自らの能力と経験、人脈とリーダーシップでは何も出来
ないということを悟った金正恩にとって、張成沢は権力委譲期間の僅かの間もたれかかった叔母の夫でなく、北朝鮮のすべての権力を一手に握り締めた権力者であり、北朝鮮社会を水面下でコントロールする者として迫ってきた。
 このような張成沢を放置する場合、既存の北朝鮮独裁体制で容認されなかった2人者の歩みが可能になり、自身の存在にも決定的な影響を及ぼすことになるということを金正恩が分かってしまった。

 もちろん、新しく登場した指導者金正恩への北朝鮮権力核心部の忠誠心移動が全くないと見ることはできない。北朝鮮の独裁システム上、金正恩に対する忠誠競争で落伍者になるのはすなわち 「死」であり、盲目的な忠誠競争で生き残ってこそ権力の核心に立てるということを彼らは知っていた。それでも金正恩に近付くためには張成沢を経なければならず、張成沢を経ようとすれば「横枝」というレッテルが首にかかり、北朝鮮社会全般が揺れ動いた。
 そのような渦中でも張成沢金正恩体制の新しい基盤を用意するという口実下に、過去には非常設の協議機構の性格が強かった労働党軍事委員会を上手く復活させて、最高司令官就任後、当然金正恩の下に入るべき国防委員会(外貨稼ぎ機構など)を自分の党行政府に服属させた。
 20122金正覚総政治局第1副局長は、党中央軍事委員会と国防委員会名義で次帥称号が授与されたし、朴道春、金英哲、朱奎昌など23人に対する将軍昇進人事は最高司令官名義で断行されるなどで人事権をはじめとする重要事案を決める主体が変わってしまった。 (張成沢の権限...)

 そして金正日時代には一度も開かれなかった労働党中央軍事委員会拡大会議が軍要人をはじめとする北朝鮮のすべての重要案件を扱って決める奇想天外な現象まで表れた。

 このような「作業」を通じて、過去「金正日同志を首班とする革命の首脳部」という表現が「金正恩同志を首班とする党中央委員会」に変えられたようだった。 また、北朝鮮社会が軍中心から労働党中心の「本来の姿」に戻っていくように見えもしたが、よく調べれば「金正日先軍政治を消滅」させ「金正恩の独歩的存在を否定」する第3の勢力、いわゆる張成沢勢力の登場を公式化する段階まで北朝鮮社会が変わってしまった。

 このような事実を労働党組織指導部や金正恩書記室などが感知して金正恩に報告した確率が高い。特に労働党組織指導部は北朝鮮社会全般に対する党生活(政治的)指導と検閲を管轄してきた部署で、国家安全保衛部、人民保安部、検察の機能をはるかに凌駕する絶対的な力と権力を持つ部署として張成沢の「容疑」を明らかにすることはそんなに難しくなかったものと推定される。 (* 李雪主セックス関連報告説を紹介)
 結局金正恩が「決断」しなければならない局面になってしまった。自身の存在を脅かす第3の勢力と正面衝突するのか、でなければ執権3年目をむかえる瞬間にも叔母の夫に頼るのかを金正日自らが選択しなければならなかった。
結局金正恩が選んだことは前者であり叔母の夫を惨殺する人倫にもとる行為だった。
金正恩政権の今後
 北朝鮮の将来を考えるときに死んだ張成沢を引き出すのは張成沢のために金正恩が滅びるという確信があるためだ。その理由は第一に、張成沢を処刑することで金正恩こそ世の中に二人といない背徳者になったためだ。
 今北朝鮮張成沢を希代のならず者、革命の背信者としており、扇動員を総動員して張成沢処刑を正当化させようとしているが、北朝鮮住民たちはバカではない。軍将軍らも未来を楽観できない実情だ。 (*崔龍海も例外でないということを説明)
 彼らは金正恩こそが「政権つくりを助けた叔母の夫まで銃殺した非情な人間」であることをよく知っているだけでなく「幼い奴があまりにひどすぎる」という話を「勇敢に」拡散している。 過去金日成-金正日の時に作られた「偉大な首領」のイメージが壊れてしまったということだ。
 イメージの話しが出たので言及するが、金正恩偶像化は李雪主登場と共にすでに崩壊していた。過去、北朝鮮は独裁者の偶像化作業で「首領の女たち」に特に注目してきた。金日成の母、康盤石と金正日の生母、金貞淑北朝鮮の初、中、高教科書と大学教材で「革命の母」として讃えられており、世紀を越えて「慈愛深くて慈しみ深い」姿で人民を「気にかけてくださって」いる。


 遙か昔に死んだのででっちあげが可能な康盤石(金日成の母)と金貞淑 (金正日の生母)に比べて、金正恩の生母である高英姫は過去でなく現在の人物であることに加え、彼女は北朝鮮の基本階層と距離が遠い在日同胞出身であることが明らかになった。

 その上、芸術団俳優出身という李雪主が公開されたことで北朝鮮の人々に「金正恩も人間だ」という認識が広がった。李雪主は何がすぐれていて独裁国家の王妃になって金正恩と並んで立ったのかは分からないが、北朝鮮の現在を生きている女性である上、さらに芸能人出身なので北朝鮮住民皆の「噂話のたね」になってしまった。
 一方では成仏できずさまよっている張成沢の魂が、また他方では李雪主「ポルノビデオ」説が絶えず金正恩を悩ませるであろうし、それにより金正恩体制は深刻な危機状況をむかえることになるだろう。
 次に金正恩は「張成沢一味」をたたかなければならない負担を負っている。 張成沢罪状関連の発表を通じて北朝鮮張成沢個人でなく彼を「一味」の親分だと表現したため、 「一味に対する処罰」は避けられないと見なければならない。
 だが、自身を擁立した叔母の夫を粛清して非情だということに加え、張成沢余波にともなう「集団虐殺」まで敢行するならば金正恩のイメージは大きく揺れる。非情だということに殺人魔というレッテルまでついてしまうということを金正恩が知らないはずがない。

 したがって処刑は秘密に行ない、いわゆる「広腹政治」を標ぼうしながら粛清対象者を減らすこともできるが、そうなると北朝鮮連座制を勘案するならば金正恩の「敵」も黙っているかということになる。加えて今回の張成沢事件について北朝鮮の平凡な住民たちからも「先手を打たれた張成沢がバカだ」という話が出るほどだから、「張成沢一味が生きるためにでも先手を打つ」可能性まであるように見える。
 核とミサイルは北朝鮮独裁政権の存在理由であり生存のための最後の砦だ。止めるわけがない。韓国政府当局者の話のように内部結束のための外部への挑発と核実験、ミサイル発射のような挑発行為が2014年は一年間を通じて予想される。 彼らがすでに明らかにした通り、一方では軍事大国建設が、他方では経済建設が言われているけれど、経済通という張成沢が除去され、金正恩の周辺はすべて強硬一色で盲目的な忠誠競争だけが乱舞することになるだろう。そのような北朝鮮社会で幼い王子の「一人立ち」が予告されているだけだ。

 米国と日本、中国など国際社会は金正恩に関心さえ見せなくなっていて、大韓民国は毅然とした姿勢で「敵の挑発」に備えている。進退困難に陥った金正恩がロッドマンを呼び、中国などとの変わりばえのしない外交戦を展開しているが、金正恩はやはり「悪童」の友人、その以上でも以下でもない。

 残ったことは幼い王子の暴政と無謀さだけだ。執権2年目になっても年齢さえまともに明らかにすることができない幼い暴君の世渡りと感情、欲望などをしっかり分析して、これに対応するならば2014年が北朝鮮独裁政権滅亡の扉を開く分岐点になると確信する。 [終わり]


以上


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