中国を中心に東アジアの政治経済問題を幅広く取材・分析
鳥瞰的な視点を踏まえつつ、虫瞰的に情勢を論じていきたい。
鳥瞰的な視点を踏まえつつ、虫瞰的に情勢を論じていきたい。
衛藤発言は100%正しい
●衛藤晟一氏の「オバマ政権批判」と「発言取り消し」について、「それなら最初から言うな」といった形式論的な批判が目につきます。事の本質は中国にNOといえない米国の現実であり、習近平の顔色をうかがう一方、友好国にはひたすら忍耐を要求する日和見主義的で、レームダック化したオバマ政権の在り方なのです。そうした弱腰の米国に愛想を尽かし、独自の防衛戦略を世界各国が模索し始めているという現実こそが重要なのです。その中にはイスラエルも、サウジも、フィリピンも含まれています。
●日本政府要人たる衛藤氏の発言もそうした国際認識の反映にすぎません。民族の防衛本能という「地下のマグマ」は発言取り消し程度で抑え込めるわけがない。衛藤氏を批判する「論者」たちは自己の対中認識と日本の安全保障についても語ってほしいと思います。それでなければ論争にならないではありませんか。
●安倍政権のキーマンのひとりから飛び出した米国批判。事件の本質は長く続いた親米エスタブリッシュメントたちの米国に対する信頼感の揺らぎにあるのです。
時代は1971年のニクソンショック前夜を思わせます。米中はさらに接近するとみていい。
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