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北が政治犯収容所を拡大 張派粛清、国連決議に逆行

北が政治犯収容所を拡大 張派粛清、国連決議に逆行

産経新聞 4月7日(月)7時55分配信

 北朝鮮が複数の政治犯収容所で施設を増設し、規模を拡張させていることが6日、複数の消息筋の話で分かった。金正恩キム・ジョンウン)第1書記の叔父、張成沢チャン・ソンテク)氏の粛清に絡み、幹部ら約1200人を近く処罰する見通しであることも判明。大量処罰に伴い、増設を迫られたとみられる。北朝鮮の人権侵害を非難した国連人権理事会の決議に逆行する形で、金正恩政権は新たな「人道に対する罪」に手を染めようとしている。(桜井紀雄)

北朝鮮の内部情報に接する消息筋らによると、敷地の拡張や建物の増設工事の動きが確認されたのは、咸鏡北道(ハムギョンプクド)にある化城(ファソン)16号と清津(チョンジン)25号、平安南(ピョンアンナム)道の北倉(プクチャン)18号の3収容所。いずれも最も管理が厳しく「生きて出られない」といわれる「完全統制区域」で、受刑者は核施設建設など過酷な労働も強いられるとされる。

昨年12月の張氏処刑以降、秘密警察の国家安全保衛部などが大規模な内部捜査に着手。政権が一方的に断定した「張派によるクーデター」に「主導的に関与した」として、朝鮮労働党朝鮮人民軍幹部ら約200人と、それに「付き従った」として、周辺の幹部や家族約1千人を選別して身柄を拘束したという。

拘束された約1200人は、平安南道の价川(ケチョン)14号や咸鏡南道の耀徳(ヨドク)15号などの収容所5カ所に一時収容された。9日の最高人民会議での人事発表以降に、クーデターに主導的に関与したとされる200人の大半が処刑され、残りが政治犯収容所送りになる公算が大きいという。

張氏の側近や直系親族の処刑、中朝貿易従事者や脱北者家族の追放は伝えられていたが、一斉処罰に向けた動きが明らかになるのは初めて。収容所の拡張規模からみて、さらに処罰対象者が増える可能性もある。

国連人権理事会は3月末、政治犯収容所での迫害や拉致といった「人道に対する罪」で、指導者らの刑事責任追及を国連安全保障理事会に勧告する決議を採択したばかり。金正恩政権は国際社会の要請に逆らい、強制収容所を使った“恐怖政治”を一層拡大しようとしていることになる。

また、張派粛清に絡み、左遷されたり、身の危険を感じて行方をくらませたりした幹部も少なくないとみられる。政権は幹部の若返りも進めており、多くの公的ポストに空きが生じ、賄賂で役職を買う「売官」も横行し始めたという。

軍を監視する総政治局の政治指導員という有利なポストでも5千~2万ドル(約50万~200万円)、地方の役人では、約5千中国元(約8万円)で職位が売り買いされているという。消息筋は「公職に就けば賄賂を受け取れる立場になり、1週間で元手を回収できるとされる」と話している。