パルデンの会

チベット独立と支那共産党に物言う人々の声です 転載はご自由に  HPは http://palden.org

今回、拉致犯罪だけではなく遺骨など多くの案件で包括的に合意したのは、拉致そのものを「くるむ」ためである。「たくさんの中のひとつだよ」で北朝鮮が屈したという印象を薄めたのだ


勝谷誠彦氏の有料ブログより

 朝日新聞が支えてきた「ファンタジー」につけ込んでここまで日本国を愚弄し続けてきた支那は、突如始まった「東亜の盟主」としての反撃にたじろいでいるのではないだろうか。安倍晋三首相がアジア安全保障会議で演説をした。そもそもこの場で「基調講演」を安倍さんがやってのけたというところが、外交的な勝利である。
 

<首相/アジア安保会議で中国に自制求める>

 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140530/k10014869861000.html
 <安倍総理大臣は、「南シナ海における紛争の解決をまさに3原則にのっとり、求めようとしているフィリピンの努力を強く支持し、ベトナムが対話を通じて問題を解決しようとしていることを支持する。今こそ南シナ海のすべての当事国が、物理的な変更を伴う一方的な行動を取らないという固い約束を交わすべきときではないか」と述べ、海洋進出を強める中国に自制を求めました。>
 ここでは支那の名前を出さない。他国の案件だからだ。しかし。
 <安倍総理大臣は東シナ海を飛行していた自衛隊機に中国の戦闘機が異常接近したことを念頭に「日本と中国との間には不測の事態を防ぐため、海・空に連絡メカニズムを作る約束があるが残念ながら実地の運用に結びついていない。私たちは海上での戦闘機や艦船による危険な遭遇を歓迎しない」と述べ>
 自国に関わる出来事では、はっきりと支那の名前を挙げた。いわば日本国が盾となって批判をしたわけでフィリピンやベトナムは溜飲を下げたであろう。支那の面子がここまで国際会議で潰されたのは珍しい。わあわあと何を言って来るか楽しみだ。

 昨日お約束した、日朝協議再開に関しての続報を。
 「合意の大枠は既に決まっていた」「約束を違えれば、ふたたび制裁を強化すればいい」。私が書いてきたことを裏付けする発言が、次々と「解禁」された関係者から出てきていましたね。あながち間違っていなかったとホッとした。
 大マスコミだけ見ていると「制裁解除」「経済援助」などという「アメ」ばかりが目立ち、それが交渉への批判の材料になっているが、実は政府はストックホルムでの対話の直前に大きな鞭をふるっていた。ほとんどの大マスコミがなぜか報じなかっただけだ。


<「朝鮮総連への強制捜査は政治的テロ」、北朝鮮が日本を猛烈批判>中国・環球時報が21日伝えた

 http://www.xinhua.jp/socioeconomy/photonews/383217/
 <北朝鮮労働党機関紙・労働新聞は20日、日本の警察が今月12日、マツタケの輸入をめぐって在日本朝鮮人総連合会朝鮮総連)などに対して行った強制捜査について、「日本が朝鮮総連を抹殺するために行った悪辣な政治的テロ行為であり、両国関係に深刻な影響を与える」として猛烈に批判した。中国・環球時報が21日伝えた。>
 面白いですね。私の聞くところではこの捜査は全国の総連関連の施設や企業の多数に及んでいる。記者クラブが知らないわけはない。しかし、ほとんど書かなかった。一方で、支那のメディアはこのように騒ぐ。「ムチ」をふるいながらも「書かせない」日本と、焦って「書かせる」支那とのここでもプロパガンダ合戦があったのではないか。
 もはや政権の存廃そのものが危うい韓国はほっておいて、と。アメリカである。
 

北朝鮮制裁強化法案を米議会が可決>

 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140530/k10014852331000.html
 <北朝鮮拉致被害者を含む日本人行方不明者の再調査を開始した時点で日本側が制裁措置の一部を解除することで日朝両政府が合意するなか、アメリカでは議会下院の外交委員会が北朝鮮に対する制裁を強化する法案を可決しました。>
 記事には、もともと上程されていた法案だという。しかし、私がずっと書いているように、ストックホルムであったのは儀礼的な「手打ち」であって、交渉は着々と積み上がっていた。それが逐一、同盟国であるアメリカに伝えられていたことは間違いないだろう。であればこのタイミングで新たな「ムチ」がアメリカからふるわれたのが偶然であると思うほど、私は鈍感ではない。オバマ大統領の外交オンチにいささかつけ込んで日本が一歩前に出たことは間違いないが、同時にホワイトハウスではなく議会がこうした仕掛けをしてきたことはなかなか興味深い。
 あとひとつ。金正恩が恩人までぶち殺す「人非人」だから逆に儒教倫理を乗り越えて先例をひっくり返す可能性がある、とも私は指摘してきた。とはいえ、面子はある。今回、拉致犯罪だけではなく遺骨など多くの案件で包括的に合意したのは、拉致そのものを「くるむ」ためである。「たくさんの中のひとつだよ」で北朝鮮が屈したという印象を薄めたのだ。馬鹿ばかしいが、これも外交の手練手管のひとつである。ホント、外務省やるじゃん、だ。バカと役人は使いよう…いやいや。この調子で頑張っていただきたい。

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