パルデンの会

チベット独立と支那共産党に物言う人々の声です 転載はご自由に  HPは http://palden.org

「バーニングにも屈しない」伝説的音楽プロデューサーが生んだ、奇跡のタッグ曲

本多圭の「芸能界・今昔・裏・レポート」

「バーニングにも屈しない」伝説的音楽プロデューサーが生んだ、奇跡のタッグ曲


http://i.adingo.jp/?p=pJN8xU8Fx0qrIo793HVLKPRao56u8miW1XIjveqyRRFFk5622GBM6ZrKMJ17fSwDt8RPlz9g5GbIgMwzBxuDJYkaw0z_PBg0OpgzUzZ6VjjhGYAEjOJQqVXfire9Oc6yT8j01h1evyyIbvWsbrwTwg..&v=z-vLDTfgMmA.&k=1&R=
http://www.cyzo.com/images/dfkjhdfgekjfewefw.jpg
「決してあきらめないで」を誕生させたコンビ。左から、ダライ・ラマ14世
ピーター・ヤーロウ、山田廣作
芸能取材歴30年以上、タブー知らずのベテランジャーナリストが、縦横無尽に話題の芸能トピックの「裏側」を語り尽くす!
 はやり廃りの激しい日本の音楽界において、古今東西老若男女に支持されるよう企画された骨太の楽曲が、徐々に話題になり始めている。しかも、その仕掛け人は、業界では一筋縄ではいかない骨太で知られる人物なのだ。

 話題の楽曲のひとつは、1960年代に世界で一大フォークブームを巻き起こした、アメリカを代表するフォークグループ「ピーター・ポール&マリー」のメンバー、ピーター・ヤーロウが昨年10月にリリースした「決してあきらめないで(ネヴァー・ギヴ・アップ)」だ。この曲、実はチベット仏教の最高指導者であるダライ・ラマ14世による“イジメ撲滅”をテーマにした詩をアレンジしたもの。ノーベル平和賞受賞者による作詞、伝説的フォークシンガーによる作曲・演奏・歌という組み合わせで、誰もが口ずさめるスタンダード・ナンバーになり得る楽曲といえる。

 もうひとつが、世界的な合唱団「ウィーン少年合唱団」が来日記念盤として、4月にリリースした『尊い人生』。“天使の歌声”が、昨年の話題曲「ひこうき雲」や「花は咲く」などをカバー。さらに、こちらもダライ・ラマ14世が、命の尊さを詩にしたためたタイトル曲「尊い人生」などが収録されている。

 この画期的ともいえる2枚のアルバムをプロデュースしたのは、音楽プロデューサーの山田廣作氏。業界では“山田会長”と呼ばれ、愛されている人物だ。山田会長は以前から「昨今のイジメによる自殺のニュースを聞き、子どもたちが幸せな生活を送れるにはどうすればいいか」と悩んでいた。そんなときに、ダライ・ラマによる、優しく「ネヴァー・ギヴ・アップ」と訴える詩の存在を知り、この詩を若者たちへの応援歌として世に出したいと、ダメ元でダライ・ラマにアプローチ。快く賛同を得たことで、ピーター・ヤーロウに作曲を依頼。結果、斬新なコラボが実現したという。ウィーン少年合唱団に、日本のヒット曲からダライ・ラマの作詞曲までを歌ってもらおうという発想もユニークだ。

 山田会長は、米国の“ケネディー・ファミリー”とも親しい。年に1回、ファミリーが主催するチャリティ・ゴルフコンペに日本人でただ一人、招待されている。だが、語学が堪能かというと、そうではない。英語もほとんど話せない。にもかかわらず、相手の心をわしづかみにしてしまう。スキンヘッドで髭を生やして、一見、コワモテに見えるが、優しさが目に表れているからだろう。それに、曲がったことが大嫌いだ。正しいことは正しいと、圧力に屈しない。

 筆者がかつて、“芸能界のドン”と呼ばれる「バーニングプロダクション」の周防郁雄社長と暴力団との黒い交際のレポート記事を書いた時、同社長から名誉棄損で提訴されたことがあった。その時、裁判でただ一人、証人になって事実を証言してくれたのが山田会長だ。今でも“芸能界のドン”をまったく恐れず、周防社長に問題がある思えば、公然と批判できる数少ない人物だ


山田会長は、ゴダイゴの各曲や島倉千代子の「人生いろいろ」、それに天童よしみの「珍島物語」など数々の曲をヒットさせた辣腕音楽プロデューサーとして知られているが、昔から、業界内のイジメ体質と闘ってきた。

 テレビ局の音楽番組のプロデューサーのもとには、番組出演依頼のためにレコード会社やプロダクションのマネジャーが日参していたが、プロデューサーは彼らをゴミのように扱うのは日常茶飯事。まともに話を聞くどころか、足蹴にするようなこともあったというが、それに対して、山田会長はテレビ局に出向いてプロデューサーに厳重抗議。テレビ局と音楽業界は対等であるべきと主張し、関係性の改善に尽力してきた。

 また、フジテレビの『夜のヒットスタジオ』のプロデューサーが、「奥飛騨慕情」が大ヒットした盲目歌手の竜鉄也に関して、「めくらだから使えない」と差別発言したことがあった。これを耳にした山田会長は、プロデューサーのもとにすっ飛んでいって、鉄拳制裁を加えた。いつしか、山田会長には「音楽業界のマイク・タイソン」とのあだ名がつくことに。

 そんな、業界内のイジメに真っ向から立ち向かってきた山田会長が、“イジメ”という世界的な問題を解決するために、ダライ・ラマとピーター・ヤーロウを口説いた。さらに「ウィーン少年合唱団」にまで、イジメをテーマにした曲をリリースさせた。日本の芸能関係者は、世界的な文化交流や社会貢献に無関心で、私利私欲に走る輩が大半だ。その中にあって、音楽で社会貢献をしようという志を持ち続ける山田会長の存在は貴重だ。「決してあきらめないで」と「尊い人生」が、世界的にヒットすることを期待したい。
(文=本多圭)