パルデンの会

チベット独立と支那共産党に物言う人々の声です 転載はご自由に  HPは http://palden.org

中国の金備蓄は予想数字の三分の一となっていた奇々怪々   あの鳴り物入りの「国富ファンド」、財布は空に近いのでは?



宮崎正弘の国際ニュース・早読み(中国の金備蓄数字の奇々怪々)


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成27年(2015)8月15日(土曜日)
  通算第4627号   <前日発行>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

中国の金備蓄は予想数字の三分の一となっていた奇々怪々
  あの鳴り物入りの「国富ファンド」、財布は空に近いのでは?

***************************************

 天津浜海地区の港湾近くでの大爆発、キノコ雲という惨事の画像に、もう一つ大事なニュースがかき消されている。日本のメディアは日本企業の被害にばかり焦点を当てている。
 中国の金備蓄の「公表数字」である。

 これまで中国とインドの金買い(これこそが「爆買い」だ)、
アラブ諸国顔負けの買いッぷりで、日本からも中古の宝飾品がごっそり買われた。中国の金ショップには早朝から長蛇の列があった。
国家備蓄は3000トンと予測されていた。
蓋を開けると三分の一の1054トンだった。
http://lets-gold.net/chart_gallery/chart_gold_demand2.php

 中国の金消費は2014年に、じつは激減している。
前年1311・8トンと世界一だったが、これを813・6トンに減らしていたのだ(じつに38%の需要減)。
 これにより世界の国別の金保有ランキングが行進された。
 米国、ドイツ、IMF、イタリア、
フランスについで中国は7位に後退し、つぎがスイス、九位が日本で765トン。

次の推論が成り立つ。
第一に世界の金相場は原油価格と平行するかのように下落につぐ下
落、一オンス=1200ドルを割り込んでいる。
原油は一バーレル=100ドル台から、
いまや40ドル台にまで暴落した。サウジは赤字国債を発行し、ロシアは不況に陥没し、あおりを食らって米国シェールガスの開発ブームは止まった。
中国が金を売却していたのである。

第二に鳴り物入りだった中国の国富ファンドの最近の「活躍」
が伝わらなくなった。サウジやクエートの国富ファンドに迫る3000億ドル規模の資金は、有益な「投資」にまわされている筈だった。この中には5兆円にものぼった日本株があった。
手元資金不如意に落ちいって、日本株を静かに売却したらしい。
というのも、日本企業の株主リストは公開されているが、豪のオムニバスファンド(中国国富ファンドの別働隊)の名前が見つからないからだ。ほぼ日本株を売却したと推定される。

第三に保有する米国債を取り崩している。
中国の外貨準備は「帳面上」、世界最大となって4兆ドル近いが、
それならナゼ、米国蔡を徐々に取り崩しているのだろう?
米国債保有は年初来、日本が筆頭に返り咲いている。

こうみてくるとリーマンショック直後からの財政出動と地方政府の
無謀な不動産開発の拠点となった「融資平台」と、国有銀行の強気の融資によって膨らんだ中国のインフラ建設、不動産投資が、一時期は中国に未曾有の成長をもたらしたかのように報道されたが、実態は各地にゴーストタウンを造り、償還時期が来ても返済資金がなくなり、金融緩和、利下げ、預金準備率引き下げを繰り返したが、行政の金融政策でも資金不足状態から抜け出せなかった。つぎにシャドーバンキング、理財商品の販売で庶民からカネを巻き上げ、国有企業の回転資金にまわしてきた。

それでも足りなくなった外貨準備を取り崩し、
国富ファンドの保有財産を切り売りし、金備蓄を取り崩して手者不如意を埋めてきたのではないのか。

こうした方法は姑息だが、静かに行われ、
しかしそれでも足りなくなって株式市場に目を付けた。庶民のカネを、相場を人為的につり上げることによって高騰を演出し、個人投資家という庶民の資金を吸い上げた。だが、この株式は「市場経済」の原則からはるか遠い、出鱈目なメカニズムだったために、相場が崩れ、六月からの上海株大暴落となった。
そして人民元の切り下げである

一連の動きを読めば、
すべてはリーマンショック直後からの強圧的な財政出動のツケが回って、中国経済はいかに藻掻いても藻掻いても「蟻地獄」の陥穽から抜け出せない状況となった。

 
すべては身から出た錆、
株式暴落と人民元安がこれから本格的に始まる。