沖縄でなぜ 県民が豊かにならないのか?
それは 県民に蔓延る パチンコ屋の乱立である。 あの小さな島に 本土の首都圏のように
パチンコ屋が林立している。 いま基地反対を声高く 叫ぶ 県知事あるいは 労働組合員も
何らかの形で パチンコ産業とのかかわりを作る。
世の中のありとあらゆるギャンブルは必ず胴元が得する仕組みになっている。そうでなければ「ギャンブル場運営」という商売が成り立たないから当たり前の話である。もちろんミクロ的な現象としてある特定の人物が賭けに勝って大儲けするようなことも生じるが、その裏には当然それ以上に大きな損失を出す人もいるわけで、こうしたミクロ的な事象は件数が増えれば確率分布に集約されていってマクロ的にはギャンブル場が絶対に得する仕組みになっている。
中には「本当のギャンブルのプロは、技術で運の世界を脱する」という主張をする人もいるかもしれないが、残念ながらそうした認識は根本的に歪んでいる。技術ではなく確率論に左右されるからこそ「ギャンブル」なのであって、仮にその確率を操ったり歪めたりする方法を用いているとしたら、それは程度にもよるが「いかさま」ということになってしまう。
ギャンブル依存症と犯罪の関係
ギャンブル依存症の罹患者は、こうした本来の「ギャンブルのプロ」が持つべき現実認識がドーパミンの過剰反応などにより阻害されていくのだが、本人は発病に気がつけないため、これまで通り自己管理ができるつもりでいる。その結果、自らの経済的な許容範囲を超えて「ギャンブルをするためにギャンブルをする」ということを繰り返してしまう。結果としてギャンブル依存症の罹患者は長期的には負けが込み、最後は必ず借金の問題を抱えることになる。
しかしながらギャンブル依存症罹患者は「自力ではギャンブルを辞められない」という状況にあり、またドーパミンの過剰反応は、思考を司る前頭葉に強く影響するため「ギャンブルで作った借金をギャンブルによって返す」という認知のゆがみが起きてくる。そしてそれに気づけず、「借金に借金を重ねる」「ウソをついて他人から金を借りる」などの経済的に持続不可能な手段をもって再びギャンブルに挑み、さらに借金を重ねていく。
ギャンブル依存を原因とした経済犯罪件数は?
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警察庁の犯罪統計*1によると、我が国における業務上横領罪の件数は近年認知件数ベースで1000件程度(平成22年:959件、平成23年:939件、平成24年:1029件)、検挙件数ベースで700件程度(平成22年:674件、平成23年:679件、平成24年:701件)となっているが、まずはこのうちどの程度がギャンブル絡みの事件なのかということについて考えていきたい。
警察庁の統計*1によると、業務上横領事件の35~40%程度(平成22年:38.0%、平成23年:40.5%、平成24年:35.5%)が「遊興費充当」を動機とするものとされている。統計の定義上、ギャンブル依存を動機とする事件もここに含まれるのだが、残念ながら公式統計ではこれ以上の内訳がない。
この調査では多重債務者の借入の要因をギャンブル費と遊興費を別にして集計しているのだが、借入に至った理由について、当初段階では13.0%がギャンブル費で8.5%が遊興費、返済困難時では12.0%がギャンブル費で7.7%が遊興費とされており、どちらも両者の割合の比率は概ね3対2と、ギャンブル費が上回っている。
過去3年間の業務上横領罪の動機のうち遊興費充当に該当するものは平均38.0%なので、それに5分の3を乗じた22.8%程度をギャンブル費充当が目的の横領・着服事件とする。この22.8%という数字を過去3年間の業務上横領件数の平均976件と掛け合わせた「223件」を我が国で起きているギャンブル依存症を原因とする横領・着服と考えることにしたい。
ギャンブル依存が原因の経済犯罪の規模
しかし、ギャンブル依存を原因とする横領・着服事件は金額のバラつきの幅が大きいという特徴がある。近年では、大王製紙の経営者であった井川意高氏が2010年4月から2011年9月までの総額で100億円を超える金を不正に引き出し、マカオやシンガポールのカジノに使い込んだことが話題となったが、他にも2014年にはNEC系の子会社の社員が15億円、2015年には北越製紙の社員が25億円弱のギャンブル依存症を動機とした巨額の横領・着服事件を犯している。
例えば2010~2012年に金額も含めて報道があったギャンブルを原因とする32件の業務上横領犯罪の総額をカウントすると141億円程度となるが、そのうちの100億円弱は大王製紙の事件によるものである。この場合、大王製紙の案件を入れて平均を算定すると1件当たり4.4億円程度になるが、これを除くと平均1.3億円程度となり3億円以上も差が出てしまう。
このようにギャンブル依存を原因とする経済犯罪の平均金額は、しばしば起こる巨額横領事件の有無・その規模に左右されてしまう。そこで、ここでは巨額な横領事件が判明しなかった2009年10月~2010年9月の期間を対象に詳細な調査を行った日本公認不正検査士協会の「横領等社内不正データ単年度分析」のデータを参考にすることにしたい。同調査では平均的な横領・着服事件の損害額の平均を4836万円としている。
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ギャンブル依存を原因とする凶悪犯罪
当然、ギャンブル依存を原因とする犯罪は、経済犯罪に限るものでなく、強盗、殺人、児童虐待などの凶悪犯罪も見られる。例えば平成24年の強盗事件は2474件だがそのうち681件は遊興費充当目的とされる。仮に先ほどと同じように、このうちの5分の3程度がギャンブル依存によるものと考えると、400件程度の強盗の原因になったものと考えられる。
なお、犯罪統計によると2012年の保護責任者遺棄責任致死罪の件数は4件なので、パチンコの熱中を原因とした上記2件でその半分を占めることになる。これはこの年に限ったことではなく、パチンコの熱中を原因とした児童遺棄は年間1~2件程度の毎年のように報じられている。
我が国においてギャンブル依存症問題は長らくほとんど対策を取られることなく放置され続けてきたわけだが、改めて、パチンコの射幸性抑制、予防教育の推進、学生・多重債務者等のギャンブルの制限、治療費の支援など総合的な対応策の在り方を見直すべき時が来ているのではないだろうか。