産経新聞より転載
目の前で爆弾テロ!生き延びるために知っておきたいこと
2015.11.30《爆弾テロの主な形態》
爆発物は時限式、衝撃感知式、操作式に分けられ、その基本的な形態は(1)手荷物等の使用、(2)小包や手紙の使用、(3)乗り物(車、トラック、自転車)に対する設置、(4)自爆、手榴弾等爆発物の投てき―がある。また、近年はCBRN(化学、生物、放射性物質、核兵器)を使用した爆弾テロ等に関する問題意識も高まりつつある。〔外務省〕
すぐそばにあるテロの脅威
青森中央学院大学教授で、国際テロリズム研究を専攻する大泉光一氏「日本では…自動小銃など銃火器を入手するのは困難だが、爆発物を製造するのに転用可能な薬物は容易に調達できる。こうした爆発物を大量にトラックに積んで建物に突っ込まれたら、ひとたまりもない」と指摘し、日本の脆弱な危機管理体制に警鐘を鳴らす。
ドカーン! もし付近で爆発音を聞いたら…
逃げる人々に押し倒されて下敷きにならないよう注意する。もし倒れ込んでしまった場合は、混乱した人々の流れが収まるまで膝を抱えて丸くなり、待つことで被害を最小限に抑えることができる。非常事態においては、周囲の喧嘩や騒乱に対して余計なアクションを取らないようにする。
(2)動き回って粉じんをかき立てない。口と鼻をハンカチなどで覆う
(3)居場所を周囲に知らせるために、配管などを叩く
(4)粉じんなどを吸い込む可能性があるので、大声を上げるのは最後の手段
自爆テロ犯や小包爆弾…「怪しいもの」を察知する
自爆テロ犯には(1)ベルト装着によるぎこちない動き、(2)爆発物を隠すための不自然な厚着、(3)自爆直前の緊張による神経質で特異な振る舞い、(4)麻薬等薬物を服用している場合の異常な表情や行動、(5)爆発物を作動させるための腹部や大腿部をまさぐる格好―などの特徴が見られることがある。
- 住所・氏名等の記載内容、消印、切手の貼りすぎなど
- 包装が不自然(稚拙な包装、テープやひもを多用し必要以上に頑丈など)
- 必要以上に「親展」、「至急」、「取扱い注意」など
- 臭いがする(靴墨、アーモンドのような臭いや芳香)
- 時計のような音や液体の音等異常な音、など…
国土交通省は2015年1月現在、鉄道利用者が駅ホームで不審者・不審物を発見した際に迅速に駅務室・警備員室などに連絡するための手段を整備している。通報の際は、連絡用インターホンを利用する。装置は、駅ホームでは「防犯ボタン」、車内では「非常通報器」などと表示されている。
- (1)触らずに、速やかに容疑物件から遠ざかり、警察など関係当局へ通報し、事後の処理を依頼
- (2)指サックやライター大の爆弾で人を殺すこともできるため、容疑物件が小さくとも軽視しない
- (3)犯人は分かりやすい所に一個を仕掛け、他の爆弾から注意をそらせ、より大きな被害を発生させようと考えていることも念頭に
個人の「危機管理意識」が全体の安全を高める
安全生活アドバイザーの佐伯幸子氏は、都市部では特に匿名性が高いと指摘した上で「自分一人くらい関係ない、ということではなく、いつでもテロ襲撃に巻き込まれる可能性は誰にでもあるので、周囲に気を配り、異変があればすぐに察知できるように『防犯意識』を高めて欲しい」と話す。
- (1)地下街や地下構内にいるときも、地上へ脱出する最短距離の出口をつねに意識する
- (2)高層建物にいるときは、必ず非常口や非常階段をチェックする
- (3)停電に備え、小さな懐中電灯などはキーホルダーなどで身につけておく
- (4)大判サイズのハンカチやタオルなどを携帯する
- (5)緊急時にハンカチを濡らしたり、目を洗浄するためにペットボトルのミネラルウォーターを持ち歩く