パルデンの会

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<支那に対し尖閣領海での海上警備行動を警告との報道。事実とすれば日本国の外交姿勢の歴史的転換だ>。



2016年1月12日号。
支那に対し尖閣領海での海上警備行動を警告との報道。事実とすれば日本国の外交姿勢の歴史的転換だ>。


 4時起床。東京は雨。
 そのニュースは『ザ・ボイス』の本番中に飛びこんできた。デビッド・ボウイさんが逝った。5時台のニュースになんとか滑り込ませることができた。
 おそらく容易に推測していただけると思うが、私はロックというものが全くわからずに生きてきた。ポップスそのものも、40代になってサザンオールスターズに目覚めてからようやく聴くようになった。どうも私はリズム感というものが先天的にどこか狂っているようで、せっかく絶対音感を持っているのに片方の車輪だけで音楽とつきあってきたようなものだ。ピアノをやっていたことを知る友人たちから、灘校時代に何度かバンドに誘われた。しかし、たちどころににクビになった。「おまえ、リズムいうもんがないんか」である。もうひとつはキーをかえるというのがわからない。私にとってドはドなのだ。
 だからボウイさんの音楽そのものは結局は理解できずに来たといっていい。しかし、その「存在」は他のアーチストたちと違って私の中に深く刻まれていた。そう。デビッド・ボウイは少女マンガのファンにとっては偶像だったのだ。と同時に彼が「日本的なもの」を愛していることが私にはよくわかった。子どものころから愛国者であった私は(どんな子どもや)本能的にそんな英国人のことが好きだったのだろう。さすがは産経新聞、他の大マスコミとは違ってそうした視点を持つ記者がいた。訃報を引くならばこの記事しかあるまい。
 <日本を愛し、日本人に愛されたはかなげなロック・スター>
 
http://www.sankei.com/west/news/160112/wst1601120010-n1.html
 この記者、ひょっとして少女マンガが好き?<ロック・スター>にその対極とでもいうべき<はかなげな>という形容詞はなかなか思いつかない。関西の産経には異能の記者が多いが、そもそも「はかなげ」などという言葉は滅多に新聞では見ないだろう。
 <「音楽のスタイルをまるで洋服のように変え、自己を化身させようと考えたポップな役者」(米誌ローリング・ストーン)として、音楽性やサウンドを時代に合わせて大胆に変革し続けた。ライブでは演劇やパントマイムの要素も取り入れ、ロック音楽に高い芸術性を持ち込み、唯一無二の存在感を打ち出した。
 それを可能にしたのが日本や東洋文化への強い憧れだった。常に謎めいた危うさやはかなさ。京都を愛し、ファンの間では長い間「別宅がある」とさえ噂されてきた。日本を代表するファッションデザイナー、山本寛斎さんのステージ衣装も好んで着た。
 昭和55年には宝酒造(本社・京都市)の宝焼酎「純」のテレビCMに登場。BGMは自作のインストゥルメンタル曲「クリスタル・ジャパン」。商品は爆発的にヒットした。日本を愛し、日本人に愛されたロックスターだった。>
 さすがに私もこの曲は覚えている。あのころ「純」をよく呑んだなあ。すみません、ボウイさんのファンのみなさん。こんな私のことなので偉大なスーパースターの作品が焼酎と一緒に記憶されています。でもいい評伝でしょ?世界中で無数のメディアが彼を悼む記事を書くだろうが、これこそ「日本人にしか書けない」ものだと思う。

 昨日まででほぼ全国の成人式は終わったわけだが、全国で繰り広げられた乱痴気騒ぎの記事は、紙幅の無駄になるのでいちいちは引かない。しかし沖縄限定だった馬鹿踊りが、癌細胞のように日本国全土に広がっていると感じるのは私だけだろうか。これまた産経が「成人式DQN」という素晴らしいタイトルでまとめを作っているので、これを見てもらうのがいいだろう。
 
http://www.sankei.com/search/?q=%E6%88%90%E4%BA%BA%E5%BC%8FDQN&fq=all&sort=desc
 う~ん、これはなかなかの知恵だな。個別の出来事を読むよりも、この羅列がもっとも雄弁だ。低能がやっていることなので、ディテールを知っても仕方がない。事件としては単純だから、見出しだけで何をやらかしたか充分にわかる(笑)。このリストを見ても民主党岡田克也代表は年頭に言ったように被選挙権年齢の引き下げの法案を国会に提出するのだろうか。
 <被選挙権年齢引き下げを/今国会に法案提出/岡田民主代表>
 
http://jp.wsj.com/articles/JJ11136760790046693807519568098440567616161
 <民主党岡田克也代表は5日の記者会見で、国会議員などに立候補できる被選挙権年齢について「若者が知事や市長、国会議員になれないのは極めておかしな話だ」と述べ、引き下げる法案を今国会に提出する意向を明らかにした。>
 昔の日本人は「分際」をわきまえていた。「若輩の分際で」と年長者が叱った。その目で見てだいたいどのくらい成熟したならば、大切な公職に就けていいかを長年の経験から判断してきた。だから被選挙権の年齢をある程度高くしてきたのだ。いかにも世間の常識を知らない民主党らしい提案と言えるだろう。バカもの…もとい若者の票を当て込んでいるんだろうけれども、そういうところはあの連中は本能的に意外と見ていて、民主党なんかには入れないよ。また馬鹿丸出しをやらかしたわけで、やっとつなぎ止めている支持層も離れていくだろう。
 ご存じのように選挙権もむしろ年齢を引き上げろというのが私の主張である。遊園地で成人式をやってもらってはしゃいでいるなんて「子ども」ですぜ。「成人」でもそうなのである。あそこに来ていない方々も一票を持つ風景というのはいかがなものなのか。
 馬鹿の振り返りはやめるとして、ひとつだけ建設的な提案。会場への酒の持ち込みをきちんと取り締まりなさい。入り口でチェックすればすむことだ。もっと言えば、アルコール検知をやって酔っぱらいは入れるな。事件を見ていると、たいがいが泥酔してやらかしている。簡単なことである。「大人の社会にはルールというものがある」を教えるのが成人式でしょう。あそこで酔っぱらって騒ぎを起こすような連中は、将来に飲酒運転で事故を起こす可能性が圧倒的に高いと思う。そういう怖さを知らしめるためにも効果的だと思うのだが。私?成人式なんて行っていませんよ。風俗ライターとして、ちゃんと外で酒呑んでいましたから。

 尖閣における脅威の「質が変わった」と私は昨日の日記で指摘した。海上保安庁ではなく、自衛隊での対応を視野に入れるべき時がやって来る、と。失礼しました。民主党政権時代とは違って、今の日本国政府におかれては、もうちゃんと手を打っていたことが、今朝の報道でわかった。
 <尖閣侵入なら、海自が海上警備行動/中国に通告>
 
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20160111-OYT1T50106.html
 <政府が中国軍艦による尖閣諸島沖縄県石垣市)の領海(周囲約22キロ)への侵入に備え、新たな対処方針を決めていたことが分かった。
 国際法に基づく無害通航を認めず、海上警備行動を発令して自衛隊の艦船を派遣し、中国軍艦に速やかな退去を促す。新方針は、昨年11月の中国軍艦による尖閣諸島周辺の航行後、外交ルートを通じ中国政府に通告された。国連海洋法条約は平和や安全、秩序を脅かさない限り、軍艦であっても他国の領海を自由に通航できる無害通航権を定めている。ただ、中国は尖閣諸島の領有権を主張しているため、無害通航を求める可能性は低いと日本政府はみている。「中国が『無害通航だ』と主張することは、日本の尖閣諸島領有権を認めることと同義になる」(外務省幹部)ためだ。>
 なるほど、これを踏まえて支那は「主要な装備を外した元フリゲート艦」を領海に侵入させてみたわけか。政府の通告は支那の自国領だとの主張を逆手にとった、なかなか面白い一手である。それに対する「準軍艦」の領海侵犯。いやあ、ヒリヒリするような外交戦だ。しかも、戦後の日本国では始めて、お互いに武器を手にしている。いつも書いているように「軍事と外交は車の両輪」なのだ。軍事力の背景なくしての外交交渉というものはありえない。明らかに、日本国の外交は新しい段階に入った。私に言わせれば、いい方向で。尖閣の防御のみならず、外交もまた「質」が変わったのだ。これまた大マスコミはどこも書かないけれども。その中で、重要性にどこまで気づいているのかはわからないが、これは読売新聞のスクープと言えよう。

 外交と言えば。こちらも絶妙のタイミングを狙ってきた。
 <安倍首相、ロシア訪問を検討/5月サミット前に>
 
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20160110-OYT1T50094.html
 <安倍首相は10日のNHKの番組(9日収録)で、5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)開催に先立ち、ロシア訪問を検討していることを明らかにした。
 首相は「北朝鮮問題などはロシアの建設的な関与が必要であり、サミットの議長国としてプーチン氏と会って話をすることも重要だ」と述べた。首相は昨年11月の首脳会談でプーチン氏からロシアの地方都市訪問の提案を受けている。>
 どれほど安倍晋三首相がこの会談を重視しているかといえば「最強の外交官」である高村正彦副総裁を「シェルパ」としてモスクワへ送り込んだことでもわかる。
 <自民・高村副総裁、日露議員交流促進を確認>
 
http://www.sankei.com/world/news/160112/wor1601120002-n1.html
 しかも記事にあるように関係者との会談で高村さんは北方領土問題を堂々と持ちだしているのである。安倍さんは勝負に出始めたと私は見る。なぜこのタイミングなのか。これまた大マスコミは背景について気づいていないのか触れないが、こんなことがある。
 <露の国家基金「2019年初めに底つく」/資源頼み、欧米制裁/プーチン政権さらに窮地>
 
http://www.sankei.com/world/news/160110/wor1601100036-n1.html
 <2008年のリーマン・ショック時にロシア経済を下支えた、石油や天然ガスの税収を基盤とする露政府の基金が19年にも枯渇する見通しであることが明らかになった。財政赤字を補填するための基金からの支出に歯止めがかからないことが原因だが、資源収入頼みの経済政策の行き詰まりが背景にある。>
 先日触れたサウジアラビアと似た構図だ。資源価格の値崩れは世界史を動かしつつある。経済が逼迫したロシア。いつかを思い出しませんか?そう。ソ連崩壊のあとのエリツィン政権時代だ。先日『カツヤマサヒコSHOW』で鈴木宗男さんが解説していたが、あれは「北方領土返還が目の前まで来ていた」瞬間だった。日本国の投資や技術援助が喉から手が出るほどロシアは欲しかったのだ。今、状況はそれに似つつある。安倍さんが動いたのはそこを見切ったからだろう。『SHOW』を観ておられた方ならピンと来たかも知れない。あれ、そこらの報道番組よりもずっと役に立つのですよ、とまた自画自賛(笑)。

 私たちの世代にとっては「夢の実現」。
 <夢のON対決!名球会フェスで王さんの直球を長嶋さん打ち返す>
 
http://www.hochi.co.jp/soccer/national/20160111-OHT1T50186.html
 江夏豊さんと王貞治さんの対決もあったとのこと。見出しだけでも残しておきたくて余白を使わせていただいた。

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