パルデンの会

チベット独立と支那共産党に物言う人々の声です 転載はご自由に  HPは http://palden.org

台南の地震の被害について、もう少し冷静に対応してみましょう。



台湾の方からの 実際の台湾地震の状況 報道です。
確かに 何棟か倒れた 高層アパートの被害は大きいですが、 通常の低い家や アパートや
道路、電力線の被害はあまり伝わってきていません。
もう少し 状況を見極めてもいいのかもしれませんね。


台湾在住の日本人の方のブログを読んでみてください。


あしたはもっと遠くへいこう   より転載


 

日本人のみなさんへ。台南地震へ募金なんかするより、台南人がもっと喜ぶ応援方法を台南在住のぼくは伝えたい

  2016/02/08                                                    


今回台湾の南部で地震があって日本から募金が集まっているみたいなんですが、極論を言っちゃえば、別に募金しなくてもいいんじゃないの?
と、いま台南市に住んでいるぼくは思うんです。
こんにちは!2015年12月に台湾の南部、台南に引っ越してきたまえちゃん@Maechan0502です。

さて2016年2月6日午前4時未明。台湾の南部で地震があったことは日本でもニュースが報道されました。
ネガティブなニュースで台南が取り上げられるのは住んでいる人間として残念なのですが……、ただ台南に住んでいる人間として日本の報道や友人からのメッセージでぼくは違和感を覚えたんです。
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いや、今回の台南の地震の被災状況って、東日本大震災と比べ物にならないくらいの微弱な影響なんですよ。
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なのに、日本では「3・11の東日本大震災と比べて募金が少ない!」だの、「台湾の一世帯あたりで募金いくらしてくれた」だの言い出す人もいて、住んでいるぼくとしてはギャップばかり感じています。
たしかに募金するのはありがたいんですが、極論募金なんかしなくてもいい。でももっと大切なことを台南に住んでいる日本人のぼくは伝えたいんです。

水を差すようで悪いのですが、現地に住んでる人間として言わせてください。ではどうぞ。

 

被災者の冥福を祈りたい。けれど、今回の被害の多くは人災であるという事実

まず最初に募金しなくてもいいと言いましたが、決してぼくは今回の震災の影響で亡くなった方のことを忘れているわけではありません。本当に今回の震災の影響は痛ましいと感じています。
2016年2月8日2時現在、今回の地震の影響で亡くなられた方は29名。今後100人以上増えるかもしれない可能性をはらんでいます。予断は許されません。
特に2月8日の今日は台湾の旧正月なので、それを家族で過ごすために多くの人が田舎に帰ってきました。ここ台南市でもそうです。楽しい旧正月間近にこんな被害に遭って、ぼくは台湾人の友達もいるので、悲しみを想像すると苦い顔をせざるを得ません。

ただ今回、日本のニュースで流れたビルの崩壊映像は台南市のごく一部です。いや、7棟が崩壊して、そのうちの1つのビルが大惨事を引き起こしています。
現にニュース見ても亡くなられた方の29名中、2名が他の場所で亡くなられ、残りの27名はビルの崩壊の影響で亡くなられました。

残り120名以上も救出作業を待っていますが、これから亡くなられる方が増えるなら、このビルの崩壊で閉じ込められた方です。ちょっと考えたくないのですが……。
なので、今回の震災で亡くなられた被災者というのは、一つのビル「だけ」の影響です。

後追いの一部の日本のテレビのニュースでも報道されていますが、この崩壊したビルは違法建築で、手抜き工事で一斗缶などをビルの中に入れ、安く済ませようとしてました。
だから台南市がガレキに埋もれているとか、あんなビルの崩壊だらけというのはない。そんな事実はどこにもありません。
ぼくらが本気で困っているのは、地震から3日経つのに未だに断水してるくらいです。

日本のマスコミは大きな被害を作りたがってるんじゃないの?


しかし日本に住んでいる日本人にしてみたら、「どうやらそれだと困る」みたいなんです。
ぼくの住んでいるゲストハウスの日本人オーナーは一昨日から日本のテレビ局から電話がかかってきて、いろいろと電話取材されいてるのですが、日本のマスメディア的には「もっと大きい被害であってほしかった」と望んでそうな様子がうかがえます。
「今回の地震での被害状況は?何か困っていることはありませんか?」
しかしそんな質問をされても、こちらとしては被害状況はほぼありません。多少地盤が緩いからか、数ミリ家のタイルが浮き上がったくらいで、あとは影響なし。
ぼくらが切実に困っているのは、マジで3日間断水してるくらいで、周辺住民としてはそれに一番困っています。
ただこれってニュースになりにくい情報なんですね。日本のマスコミ側としたら不謹慎ですが、もっと大きな被害に遭ったという答えが返ってくるのを待っていたようです。しかし住んでいるぼくらからしてみれば、別に東日本大震災レベルで被害に遭っているわけでもない。
まに日本で起こる震度5くらいの地震だったんです、今回のは。

でもこれは日本のマスコミだけでなく、 ぼくら日本人の意識でもある

しかし現地にいるぼくからすると、これはマスコミだけでなく、日本にいる日本人の多くがそうなんじゃないかと感じています。
募金に対して東日本大震災で200億円支援してくれた台湾人にお礼を!」と呼びかけるのもそうです。その助けたいという気持ちはわかるけど、何かこういう時にぼくらは綺麗なストーリーを作って、理解しやすくしようとするんじゃないでしょうか?
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お互いの募金を通じての日台交流。うん、世界で兄弟姉妹や親友みたいな日本と台湾の関係は、非常に話としては美しいですね。
でも現地に住んでいるぼくは言いたいんです。「いや、そんな話をデカくしなくていいから」と。
たしかに亡くなられた台湾人の方の命は尊いし、そこには亡くなられた方の数だけの人生があります。その気持ちはわかる。そして募金してくれればたしかにありがたい。
しかし台南の現地にいるぼくらは普通に生活しているし、ビルの崩壊ばかりテレビに写されても困るわけです。だってぼくらの半径3キロ以上見渡しても、どこもビルなんて崩壊してないんですから。
毎日のようにぼくが丸亀製麺を食べに行ってる台南の新光三越ビルも、地震当日はびくともしませんでした。募金だって、あれくらいの被害なら台南市の税金でなんとか解決できます。
だけど逆にマスコミがたった1つの崩壊したビルを写しまくり、日本の人たちが「東日本大震災で支援してくれた台湾人に募金を!」と叫ぶたびに、イメージとしては「今回の地震東日本大震災クラスに大きい地震だ」という誤ったイメージが広がるのです。
すると起こるのは何か?
風評被害です。

今回の地震の騒ぎを大きくすればするほど、台南に観光客は来なくなる

現にゲストハウスではお客さんのキャンセルが相次いでるし、他の台南のホテルもそうなんでしょう。
ぼくの住んでいる場所から徒歩5分の距離にある台南観光名所の赤崁楼 (せきかんろう)はなんともないのに、来る観光客が減ります。
台南市は台湾の京都と呼ばれている場所なのに、観光客来ないんじゃ、全然観光産業が成り立ちません。たしかに民家は断水してて不便だけど、全然危険じゃないのに……。
みんな表立って文句は言わないけど、これもまたリアルな本音です。
募金もいいけど、今回は全然被害なんてないわけです。7つの崩壊した建物と、ビルに取り残された人命は本当に大事だけど、一方で見えない風評被害もある。
台南市は去年の夏もデング熱という高熱が出る熱帯病が大フィーバーして、隣の高雄市は数百名の患者が出たのに、台南市だけダントツで1万人を超える患者が出ました。
だから去年の夏から秋に観光客が来なかったのに、また地震で台南に観光客が来なくなる。
デング熱は危険だから来たくないけど、今回の地震は全く影響ないのに、人が来なくなるのは残念でなりません
そしてぼくは募金と募金でつながるより、リアルに日本人が台湾に来て、台湾と台湾人の良さと優しさを感じてほしいと切に願ってます。

まとめ 日本人のみなさんへ。台湾人との交流をイメージで終わらせず、リアルに繋げてほしい

東日本大震災で台湾人は200億円という義援金を送ってくれました。しかしぼくら日本人は正直、お金の金額じゃ台湾人の優しさやなんで圧倒的な義援金を送ってくれた理由をリアルに感じられないと思うんです。
少なくてもぼくはそうでした。
ぼくが台湾の台南市に住むようになったのは、元を辿れば今から3年前の2013年にフィリピン英語留学していた時に、台湾人と3ヶ月間一緒にいたのがキッカケです。
そこでぼくは初めて台湾人という人たちに出会いました。やたらと人懐っこくて、カタコトでいいから知っている日本語をぼくにしゃべってきて、そしてぼくに対して笑いながらからかってくる。
そんな台湾人と出会い、ぼくは初めて台湾人に惹かれました。もっと知りたいと思い、やがてぼくは台湾に住むに至ります。人生とは不思議なもの。英語を習いにいったハズの日本人が、3年後に台湾に住んでいました。
ぼくにそこまでさせたのは、間違いなく台湾人の魅力にあった。そう断言できます。
ぶっちゃけぼくは今回の地震に気付かず寝ましたが、心配してくれた台湾人の友達に事実をありのままに伝えると、台湾人の女友達のニッキーはこう言いました。

「カズ、あなたブタちゃんみたいに寝てたんでしょ!」
余計なお世話だよ……。そう思いながらも、ぼくはそんな台湾人の友達が出会った頃と変わらず好きだし、一人でも多くの日本人に知ってほしいと思っています。
でもあなたに本当の台湾人の魅力を伝える方法はわずかです。どこで台湾人と直接話すか、ここ台湾に来て、リアルにふれあうことしかありません。
だからぼくは思うのです。募金と募金を通す作られた日台交流のイメージより、本物の台湾と台湾人とふれあったほうが楽しいんじゃないか?って。そしてたかだか数千円から数万円の募金より、台湾まで足を運んでくれたほうがよっぽど深い台湾人との交流ができるハズです。
そう、今台南人が日本人にしてもらって喜ぶのは、募金ではなく台南への観光だと思います。
日本から台湾までわずかLCC (格安航空会社)で往復2万円で行けるので、ぜひ台湾に来てみてください。台南でお待ちしています。
歓迎光臨台南!  (ようこそ台南へ!)
ではまた。
PS 2月8日台湾時間の午前11時。ようやく断水が復旧しました!これで普通の台南生活になります!ありがとう、復旧してくれた台湾人のみなさん。
これでいよいよいつもの台南ですよ。
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