016.3.20 19:18更新
チベット亡命政府首相選で投票 「一党独裁」中国に対抗、民主的指導者選出を誇示
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【ニューデリー=岩田智雄】インド北部ダラムサラに拠点を置くチベット亡命政府の首相と議員を選ぶ選挙の投票が20日、ダラムサラやニューデリーを含む世界各地で行われた。亡命チベット人らは、中国共産党の一党独裁に対抗し、民主的な政治指導者選出の形を内外に示した。結果判明は、来月の見通しだ。
首相選は、昨年10月に行われた予備選を勝ち抜いた現職の国際法学者、ロブサン・センゲ氏と議会議長のペンパ・ツェリン氏の戦いで、予備選で66%強を得票したセンゲ氏が有利とみられている。今回は、チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世が政治からの引退を表明してから2度目、正式に政治権限を首相に譲ってからは初めての選挙となった。有権者は、各国の亡命チベット人約9万人で、首相の任期は今年8月から5年間。
首相候補のセンゲ氏とツェリン氏はいずれもチベットについて中国からの独立ではなく、「高度の自治」を求めており、どちらが当選しても亡命政府の従来の方針に変更はなさそうだ。完全独立を主張する候補は予備選段階で姿を消した。ただ、中国政府は高度の自治も事実上の独立とみなしており、習近平政権はチベット亡命政府との対話の扉を閉ざしたままだ。
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