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対中包囲網で結束、東シナ海・南シナ海の懸念を首脳宣言に明記【伊勢志摩サミット】



2016.5.27 22:43

【伊勢志摩サミット】安倍外交の成果 対中包囲網で結束、東シナ海南シナ海の懸念を首脳宣言に明記

http://www.sankei.com/images/news/160527/plt1605270088-n1.jpgサミットの拡大会合に臨む安倍首相(手前から3人目)ら各国首脳=27日午前、三重県志摩市(代表撮影)

 安倍晋三首相は主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の議長として先進7カ国(G7)の討議を主導し、中国の一方的な海洋進出を念頭に「東シナ海南シナ海の状況を懸念」と明記した「伊勢志摩首脳宣言」をまとめた。アジアなどの7カ国首脳らが参加した27日のサミット拡大会合でも「開かれた安定した海洋の確保」について意見交換し、G7以外の国も巻き込んで中国を牽制(けんせい)した。

 「南シナ海情勢や北朝鮮をめぐり、アジアの安全保障環境が厳しくなっていることは、出席した欧州の首脳にも十分に伝わった」
 安倍首相は27日午後のサミット議長記者会見で、こう胸を張った。首相はアジアから地理的に遠い欧州の各首脳らに、いかに中国や北朝鮮問題の重大性・喫緊性を認識させるかに腐心してきたが、今回は確かな手応えを感じたようだ。
 「安倍首相のリードの下で、民主主義、法の支配など普遍的価値観を共有する各首脳らは各国の事情も含め率直に話し合っていた」
 外交筋はこうサミットを振り返るが、会議がうまく運んだ理由の一つは継続性にある。安倍首相のサミット参加は、第1次政権時を含めて5回目だ。それだけ各首脳らとの親睦も深まり、意思疎通が良好となっている。
 昨年3月に、ドイツのメルケル首相が来日した際、安倍首相との間で首脳外交の意味をめぐってこんなやりとりがあったという。
 安倍首相「あなたは中国には何度も行っているのに、日本にはずっと来なかったのはどうしてか」
 メルケル氏「日本の首相は毎年代わるから、会っても仕方がないと思った」
 当初は中国への警戒心が薄かったメルケル氏も、現在では南シナ海での中国の一方的な軍事拠点づくりなど力による現状変更に強い関心を示すようになった。外務省幹部も「やはり安倍政権が長く続いていることが外交に与える影響は大きい」と指摘し、こう語る。
 「そうじゃないと、オバマ氏が広島を訪問するわけがない。安倍政権が安定していて強いから訪問が実現した」

 政府関係者はオバマ氏の広島訪問について、ひそかに今月6日の安倍首相とロシアのプーチン大統領との会談がどんな影響を及ぼすかに注目していた。米国はもともと日露の接近を歓迎していない上、会談では首相が極東地域での産業振興など8項目の経済協力まで打ち出したからだ。8項目に関して当初、事務方は公にしない予定だったが、安倍首相の判断で発表したとされる。

 「ここまで対露関係改善に踏み込んでも、米国はこれにほとんど反発は示さず、わずか4日後の10日には広島訪問を発表した。これも安倍政権への信頼ゆえだ」(政府関係者)

 25年2月の安倍首相の初訪米時、オバマ氏は明らかに首相に距離を置いていた。それが25日夜の日米首脳会談では、元米兵による女性の死体遺棄事件への対応について、厳しく迫る首相に対しても「オバマ氏は相当、協力的だった」(政府高官)とされ、両氏の関係は一変している。(阿比留瑠比)

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