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破壊措置命令、常時発令へ


北朝鮮ミサイル

破壊措置命令、常時発令へ

 政府は、北朝鮮が3日、日本の排他的経済水域EEZ)に弾道ミサイルを発射したことを受け、自衛隊が常に迎撃態勢を取れるよう、破壊措置命令を常時発令する方針を固めた。政府関係者が5日、明らかにした。事前に兆候を把握しにくい移動発射台(TEL)を使った発射に備える。核実験や相次ぐ弾道ミサイル発射など軍事的挑発を繰り返す北朝鮮をけん制する狙いもある。

 政府はこれまで、周辺国の情報や北朝鮮の事前予告などに基づき、首相の承認を受けて防衛相が破壊措置命令を随時出してきた。しかし、3日の中距離弾道ミサイル「ノドン」発射の際には事前に兆候を十分つかめず、破壊措置命令は出ていなかった


 政府は、北朝鮮のミサイル発射が今年だけで17発になるうえ、今回、北朝鮮が日本領海の外側に広がるEEZにミサイルを撃ち込んだことで、能力向上も深刻にとらえている。防衛省幹部は、TELの使用によって、日本が射程に入る「ノドン」「スカッド」「ムスダン」などの短・中距離弾道ミサイルが「いつでも事前察知されることなく奇襲的に発射できる状況だ」と指摘する。

 政府は、破壊措置命令の常時発令を急ぎ、ミサイルへの即応態勢の構築を図る。実現した場合、海上配備型迎撃ミサイル「SM3」を搭載した海上自衛隊イージス艦や、地上配備型迎撃ミサイル「パトリオット」(PAC3)を常に展開することになる。

 稲田朋美防衛相は5日の記者会見で「防衛省自衛隊はいかなる事態に対しても国民を守るべく、警戒態勢の向上を検討している」と述べた。

 ただ、自衛隊保有する弾道ミサイル防衛(BMD)対応のイージス艦は現在4隻で、点検整備が必要なため、同時に運用できるのは最大3隻。日本全域をカバーしようとすれば「隊員の休みや訓練回数が減り、部隊の練度が落ちる恐れがある」(自衛隊関係者)という。新型SM3の導入やイージス艦の増隻が計画されているが、破壊措置命令を常時発令しても、当面は防御範囲を選定するなど状況に応じた警戒態勢を取らざるを得ないとみられる。

 日米韓の防衛当局は5日、課長級のテレビ会議を開き、北朝鮮による弾道ミサイル発射は国連安全保障理事会決議に違反した挑発的行為で、地域の平和と安定に対する重大な脅威だという認識で一致した。3カ国で引き続き情報共有を進める。

 一方、自衛隊は5日、秋田県沖での「ノドン」の破片とみられる物体の捜索を終了した。海上自衛隊護衛艦が洋上で4平方メートルほどのビニール製の袋など漂流物を回収したが、弾道ミサイルやその一部と確認できたものはなかった。【村尾哲、町田徳丈】