勝谷誠彦氏の有料ブログ より転載
2017年2月18日号。
<北朝鮮が「動揺」しているように見える金正男暗殺の真犯人は誰か>。
2時起床。 何も好き好んで起床したのではなく、電話で起こされたのである。「何か情報はあるか」半島系の情報関係者だ。時差はほとんどないので、あちらも徹夜で仕事をしているのだが、いい迷惑である。「ないよ。もうそういう現役は引退したんだよ」。だがあちらが混乱していることは確かだ。金正男タヌキさんは、本当に北朝鮮が暗殺したのか、どうなのか。その手口のダサさはここでも指摘してきたが、かなりひどい。北朝鮮はなにか焦っているように見える。私の感触では「自分たちがやっていないのに、やられた」という印象がぬぐえないのだ。
<マレーシア駐在の北朝鮮大使は17日深夜、声明を発表し、クアラルンプール国際空港で殺害された北朝鮮の金正男氏の遺体を「遅延なく引き渡す」よう強く要求した。またマレーシア警察が行った検視結果について「われわれの許可なく、一方的に行われた」として受け入れを拒否した。
北朝鮮大使は、金正男氏の死因を「心臓まひ」とマレーシア側から伝えられていたと主張した。
大使は、金正男氏の遺体が安置されているクアラルンプール市内の病院で記者団に声明を配布した。>
北朝鮮としてはめずらしく積極的な広報だ。「俺たちじゃないよ。誤解だよ」とアピールしているようにも思われる。遺体のひきとりを強要しているのは、むしろ誰がやったのかを知りたいためではないかとすら思われる。大使館があることでわかるようにマレーシアは北朝鮮と比較的、仲がいい。「識者」の方々は「だからクアラルンプールで暗殺された」という方が多いが、さすがは軍事を知らないみなさんだ。友好国に迷惑をかけるようなことはするわけがない。友好国であるかとうかと、暗殺者が潜入できるかどうかなどは、はかりにかけるまでもない。
潰れかけているいうか、潰れている毎日新聞だが、朝鮮半島における地下情報に関しては、文藝春秋とタメをはっている。もとそこにいて競った私が言うから間違いない。文春は次に紹介するヒトの手記を出しているくらいだからね。『週刊文春』は発売の日程だけのせいで新聞にはかなわなくて、悔しいだろう。毎日、最高のコメントをとってきた。
<金正男氏がマレーシアで殺害された事件について、1987年の大韓航空機爆破事件の実行役、金賢姫元死刑囚(55)が毎日新聞の書面インタビューに応じた。金さんは自身の経験から、女2人がすぐに逮捕されたことについて「厳しい訓練を受けた工作員とはとても思えない」と「東南アジア女性を雇った請負殺人」との見方を示した。
金さんは北朝鮮の情報機関「対外情報調査部」(当時)に所属し、工作員の訓練を受けた。
ベトナム旅券を所持した女が現場の空港に戻って逮捕されたことについて「いぶかしく思った。(2人は)北朝鮮で厳しい精神や肉体の教育、訓練を受けたのではないようだ」と指摘した。また、2人が「いたずらだと思った」と供述していることについては「もしそうなら現場から離脱しなかったはずだ」と推測。女性を使ったのは「相手が警戒心を持ちにくいという心理を利用するため」で、自身も日本人女性に偽装したが「接触した人から疑いを持たれなかった」という。>
いや、元プロのコメントは素晴らしい。ひとことごとに「その通りだ」と私はまだ不勉強の自分を恥じた。となると「誰がやったのか」。地下水脈の騒ぎを見ていると、支那も北朝鮮も困惑しているのである。このタイミングで誰がなんということをやらかしてくれたかと。手口の稚拙さを見ると「マフィア」の匂いの方が濃い。タヌキさんはいろいろとヤバい筋でカネを転がしていた。そちらの可能性もあるのではないか。
夜明け前から「うるせえ」なのだが、ともかくその世界がざわざわしているのはわかる。こういうのは悪い感覚ではない。今日、日記は、早く着信しますよ。ときどき携帯の着信音で起こされて「早すぎる」とお叱りを頂戴しますが、今日はそうかも。
後略
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問合せ(メールの未着など):info@katsuyamasahiko.jp
情報提供・感想:stealth@katsuyamasahiko.jp
購読解除:http://katsuyamasahiko.jp/procedure/dissolve
発行:株式会社 世論社
<金正男氏の遺体引き渡し要求/死因「心臓まひ」と伝達/北朝鮮大使>
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017021800068&g=prk<マレーシア駐在の北朝鮮大使は17日深夜、声明を発表し、クアラルンプール国際空港で殺害された北朝鮮の金正男氏の遺体を「遅延なく引き渡す」よう強く要求した。またマレーシア警察が行った検視結果について「われわれの許可なく、一方的に行われた」として受け入れを拒否した。
北朝鮮大使は、金正男氏の死因を「心臓まひ」とマレーシア側から伝えられていたと主張した。
大使は、金正男氏の遺体が安置されているクアラルンプール市内の病院で記者団に声明を配布した。>
北朝鮮としてはめずらしく積極的な広報だ。「俺たちじゃないよ。誤解だよ」とアピールしているようにも思われる。遺体のひきとりを強要しているのは、むしろ誰がやったのかを知りたいためではないかとすら思われる。大使館があることでわかるようにマレーシアは北朝鮮と比較的、仲がいい。「識者」の方々は「だからクアラルンプールで暗殺された」という方が多いが、さすがは軍事を知らないみなさんだ。友好国に迷惑をかけるようなことはするわけがない。友好国であるかとうかと、暗殺者が潜入できるかどうかなどは、はかりにかけるまでもない。
潰れかけているいうか、潰れている毎日新聞だが、朝鮮半島における地下情報に関しては、文藝春秋とタメをはっている。もとそこにいて競った私が言うから間違いない。文春は次に紹介するヒトの手記を出しているくらいだからね。『週刊文春』は発売の日程だけのせいで新聞にはかなわなくて、悔しいだろう。毎日、最高のコメントをとってきた。
<金正男氏殺害/金賢姫元死刑囚「工作員とは思えない>
http://mainichi.jp/articles/20170218/k00/00m/030/065000c<金正男氏がマレーシアで殺害された事件について、1987年の大韓航空機爆破事件の実行役、金賢姫元死刑囚(55)が毎日新聞の書面インタビューに応じた。金さんは自身の経験から、女2人がすぐに逮捕されたことについて「厳しい訓練を受けた工作員とはとても思えない」と「東南アジア女性を雇った請負殺人」との見方を示した。
金さんは北朝鮮の情報機関「対外情報調査部」(当時)に所属し、工作員の訓練を受けた。
ベトナム旅券を所持した女が現場の空港に戻って逮捕されたことについて「いぶかしく思った。(2人は)北朝鮮で厳しい精神や肉体の教育、訓練を受けたのではないようだ」と指摘した。また、2人が「いたずらだと思った」と供述していることについては「もしそうなら現場から離脱しなかったはずだ」と推測。女性を使ったのは「相手が警戒心を持ちにくいという心理を利用するため」で、自身も日本人女性に偽装したが「接触した人から疑いを持たれなかった」という。>
いや、元プロのコメントは素晴らしい。ひとことごとに「その通りだ」と私はまだ不勉強の自分を恥じた。となると「誰がやったのか」。地下水脈の騒ぎを見ていると、支那も北朝鮮も困惑しているのである。このタイミングで誰がなんということをやらかしてくれたかと。手口の稚拙さを見ると「マフィア」の匂いの方が濃い。タヌキさんはいろいろとヤバい筋でカネを転がしていた。そちらの可能性もあるのではないか。
夜明け前から「うるせえ」なのだが、ともかくその世界がざわざわしているのはわかる。こういうのは悪い感覚ではない。今日、日記は、早く着信しますよ。ときどき携帯の着信音で起こされて「早すぎる」とお叱りを頂戴しますが、今日はそうかも。
後略
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発行:株式会社 世論社
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成29年(2017)2月18日(土曜日)
通算第5191号
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「日本は数百年の敵、中国は千年の敵」が朝鮮民族の怨念
***********************
ここまで我慢したのに、われわれの忍耐の限度を超えた。ついに北朝鮮に裏切られたのか、というのが中国に拡がる意識であるとワシントンポストが分析している(2017年2月18日)。
金正男を永年に亘って政治的に保護してきた中国は、金正男がマカオを離れて、ちょっと外国へ出た隙に暗殺されたということに衝撃を受けている。
公的機関は一切のコメントを避けている。
暗殺はミサイルテストの翌日であり、まったく中国が予期せぬタイミングでなされ、しかも金正恩の命令であったことがばれない工夫を凝らしていた。
「もし金正恩の指令であったことが証明されれば、中国は国連の北朝鮮非難決議に加わるだろう」というコメントに留めているが、中国の静かな怒りは納まっていない。
「金正恩態勢は残忍このうえなく、しかも移り気で予測不能、何をしでかすか判らない」。ということは「暗殺をあれこれ討議するのではなく、われわれがなすことは核戦争に備えることである」
と政府筋の高官がワシントンポストの貴社に語ったそうな。
つまり「日本は数百年の敵、中国は千年の敵」というのが朝鮮民族のDNAに深く宿る怨念であり、北京にとっては、「裏切られた」という歴史意識が急激に中国人に拡がっている。
▽△◎み□◇▽や□◎○ざ◎□○き○□◇
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成29年(2017)2月18日(土曜日)
通算第5191号
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「日本は数百年の敵、中国は千年の敵」が朝鮮民族の怨念
「裏切られた」という意識が急激に中国人に拡がっている
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ここまで我慢したのに、われわれの忍耐の限度を超えた。ついに北朝鮮に裏切られたのか、というのが中国に拡がる意識であるとワシントンポストが分析している(2017年2月18日)。
金正男を永年に亘って政治的に保護してきた中国は、金正男がマカオを離れて、ちょっと外国へ出た隙に暗殺されたということに衝撃を受けている。
公的機関は一切のコメントを避けている。
暗殺はミサイルテストの翌日であり、まったく中国が予期せぬタイミングでなされ、しかも金正恩の命令であったことがばれない工夫を凝らしていた。
「もし金正恩の指令であったことが証明されれば、中国は国連の北朝鮮非難決議に加わるだろう」というコメントに留めているが、中国の静かな怒りは納まっていない。
「金正恩態勢は残忍このうえなく、しかも移り気で予測不能、何をしでかすか判らない」。ということは「暗殺をあれこれ討議するのではなく、われわれがなすことは核戦争に備えることである」
と政府筋の高官がワシントンポストの貴社に語ったそうな。
つまり「日本は数百年の敵、中国は千年の敵」というのが朝鮮民族のDNAに深く宿る怨念であり、北京にとっては、「裏切られた」という歴史意識が急激に中国人に拡がっている。
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