中国四川省で11月26日、共産党政府の政策により文化消失の危機にあるチベットの自由を求めて63歳のラマ僧が焼身自殺を図り、死亡した。2009年以来、中国当局に対する抗議のため焼身自殺したチベット人は、151人にのぼる。29日にラジオフリーアジア(RFA)が報じた。
匿名希望の情報筋によると、テンガ氏は焼身の苦しみのなか、チベットの自由を求めるとの言葉を発していたという。さらに「公安と武装警察官がすぐさま現場に到着して、身体を運び去った」と述べた。その後、テンガ氏一家は警察の監視下に置かれ、地域の警備が強化したという。
「現在、テンガ氏の自宅周辺は警察が張り込んでおり、電話が通じない為、現状を把握するのが難しい」と続けた。別の消息筋は、「テンガ氏の遺体はまだ家族の元に戻っていない」と述べた。
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現地住民によると、テンガ氏はチベット文化や言語を学ぶことが出来るチベット仏教寺院で、有志の教師をしていたという。「テンガ氏は地元でとても人望のある人物で、村人たちから『先生』と呼ばれていた」と語った。
その目的は、中国共産党によるチベット文化と民族に対する弾圧の抗議、そして1959年のチベット蜂起失敗時に亡命したダライ・ラマの帰還を求めているとされる。チベット亡命政府の推計では、当時、中国人民解放軍の占拠に対する抵抗として蜂起したチベット人たちを、同軍が武力弾圧したことで、8万人ものチベット人が死亡したと主張する。中国共産党政府はこれを否定している。
(編集・佐渡道世)
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