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米大学で増える孔子学院に、議会の取り締まりの網が

3/24(土) 14:04配信
ニューズウィーク日本版
外国の出先機関に「透明性」の確保を求める法案を米下院が検討中
中国語や中国文化を教えるプログラムを実施している教育施設の孔子学院に、外国の出先機関としての登録を求める法律が、米下院で検討されている。中心になっているのは、ジョー・ウィルソン下院議員(共和党)。外国政府がアメリカの大学に資金を提供して政治的プロパガンダを行うことを取り締まろうというものだ。

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この草案では、孔子学院を名指ししてはいない。しかし中国政府が出資し、アメリカの100以上の大学内に開設している孔子学院は当然、今回の法律の適用対象だ。孔子学院は最近、アメリカの大学で中国共産党がタブー視するテーマの議論を妨害するなど、学問の自由について懸念をもたらしている。

法律の草案は、アメリカがナチスに対抗する目的で制定した外国機関登録法と同じ趣旨だ。外国政府のためにロビー活動や講演を行う組織・個人を司法省に登録させ、資金の提供先や活動内容の報告を義務付ける。

「目的は外国機関と大学の透明性を確保することだ」と、ウィルソンは言う。「アメリカ国民はプロパガンダの標的になっていることを知る必要がある」

孔子学院について懸念を強める議員は増えている。マルコ・ルビオ上院議員共和党)は2月、地元フロリダ州内の孔子学院の閉鎖を求めた。「国内外での中国の積極的な政治活動は、アメリカの教室に『潜入』し、探求の自由を抑圧し、表現の自由をむしばむものだ」と、ルビオは語っている。

3月初めにはセス・モールトン下院議員(民主党)が地元マサチューセッツ州の40の大学に書簡を送り、孔子学院の閉鎖や新規開校を控えるよう求めた。

中国共産党は、孔子学院が国の宣伝機関であることを公式に認めている。李長春(リー・チャンチュン)元政治局常務委員によれば、孔子学院は「中国の外国におけるプロパガンダ組織の重要な一部」だ。

<タブー視されるテーマ>

ドイツのゲーテ・インスティテュートやフランスのアリアンス・フランセーズも政府の援助で自国の言語や文化を世界に普及させる組織だが、これらの団体は政府から独立している。だが孔子学院はアメリカの教育機関に深く入り込み、受け入れ先の大学でチベットや台湾の問題などの議論を妨害している。

孔子学院では「はっきりとタブー視されるテーマがいくつかある」と、全米学者協会が昨年出版した孔子学院に関する報告を書いたラチェル・ピーターソンは言う。「孔子学院で語られる中国はいいことずくめ。孔子学院の中では、いいこと以外は存在しない」
中国政府からの資金援助は不透明
大学が孔子学院の経営やカリキュラムをどれほどコントロールできているか、中国政府からどれだけの資金を受けているかを外部から知るのは難しい。孔子学院と受け入れ側の教育機関との合意は、通常は公表されない。外部から知ることのできた事実の多くはリークによるものか、ジャーナリストが情報自由法を使って手に入れたものだ。

今回の草案には、アメリカの大学が外国からの資金提供を明らかにすることも盛り込まれている。既存の高等教育法は、大学が25万ドルを超える外国からの資金提供や寄付の公表を義務付けている。草案はこの金額設定を低くしているのだ。

「父が第二次大戦で中国に駐留したので、私は中国びいきの家庭で育った」と、ウィルソンは言う。「初めは孔子学院が素晴らしくて、中国人と友好関係を結べると思った。だが、プロパガンダは無視できない」

From Foreign Policy Magazine

<本誌2018年3月27日号掲載>
ベサニー・アレン・イブラヒミアン