日本ではジャイアントパンダの誘致の段階で、必ずと言っていいほど乳児・幼児・児童を利用した歓迎ムードの演出を行ないます。
しかし、中国のジャイアントパンダは外交を有利にすすめるための「政治的動物」であることが指摘されており、そもそもワシントン条約により繁殖保護研究以外の海外取引が禁止されている動物です。慰安や娯楽を目的に展示するものではありません。
仙台市内・宮城県内の教育関係者、保護者、地元の各団体(友好団体・商工団体等)におかれましては、くれぐれも幼稚園児や小学生をはじめとした子どもを、パンダ誘致に利用することのないようお願いします。
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2011年、亘理町立荒浜小学校は、日本パンダ保護協会の名誉会長である黒柳徹子さんに協力する形で、全学年の児童生徒に仙台市へのパンダ誘致を求める寄せ書きを書かせました。
学校名が判明したのは、中国の報道映像からでした。
この寄せ書きは、近藤真彦さんから内閣総理大臣野田佳彦さんに託されました。この時伊藤敬幹副市長も同席していました。寄せ書きはその後、程永華駐日中国大使に届けられ、仙台市ジャイアントパンダの招致を渇望している、という中国側の話の根拠となりました。
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当会は2012年4月5日、当会は亘理町立荒浜小学校に対して寄せ書きを作成した経緯をはじめとする公開質問状を送付しましたが、現在に至るまで一切回答がありません。
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また、同年12月20日、当会は仙台市に公開質問状を送付しましたが、回答は「寄せ書き作成の経緯について、本市は存じ上げておりません。」でした。
子どもを利用するだけ利用して、大人は答えません。知りません。
亘理町立荒浜小学校と同じような非理非道は、二度と御免です。


2012年4月23日、仙台市は中日友好協会会長の唐家センを、若林区内被災者用仮設住宅に招待。この時、子どもたちに手描きのパンダの旗を振らせることで、パンダ誘致歓迎ムードを演出しました。
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唐家センは被災者の視察と激励に訪れたはずが、尖閣諸島問題に言及するなど、きわめて政治的な内容になりました。
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同地は5月の天皇・皇后両陛下御行幸啓を行いましたが、天皇・皇后両陛下に、中国にパンダをおねだりしましたと話した被災者は、1人もいなかった、いるわけがない、との話でした。また、誰が子どもたちに手描きのパンダの旗を作成させ、1列に整列させて旗を振らせたのかも、被災者達は固く口を閉ざしたままです。
子どもの利用をしたパンダ歓迎ムードの演出は、明らかに後ろめたい行為なのです。

2018年3月22日の読売新聞オンラインから始まった、河野太郎外務大臣が中国の王毅首相にジャイアントパンダの貸与を要請し、候補地が神戸と仙台であると報道された時、民放はこぞってパンダ歓迎ムードの演出を行いました。
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どの局も、3月23日のセルコホームズーパラダイス八木山に見学に訪れた子どもに対して、「パンダ好き?」「ここにパンダが来るかもしれないって、どう思う?」「ここでパンダ見れたら嬉しい?」といった、完全な誘導質問を行った上での映像を用いています。
思慮分別の未成熟な子どもを誘導質問で利用するパンダ誘致の歓迎ムードの演出は、放送倫理上も問題だと思います。

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死者・行方不明者約1万8,000名もの犠牲者を出した東日本大震災の復興のシンボルとして、仙台市は中国からのジャイアントパンダを誘致しており、中国も中国共産党の機関紙である「人民日報」などを通してそのように報道されています。
仙台市民は、東日本大震災津波で大切なわが子を喪った被災者達を前にして、「仙台の東日本大震災の復興のシンボルは中国のパンダです」と、胸を張って言えますか?
子どもたちを利用し、寄せ書きを書かせるということは、子どもを楯に大人が隠れる行為に他なりません。


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パンダの誘致に子どもの寄せ書きを利用する行為は、恩賜上野動物園へのパンダの再誘致を、当時の東京都知事である石原慎太郎さんに台東区が行っています。
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2017年7月24日、神戸市立王子動物園へのオスのパンダ誘致を求める神戸市議会議員と程永華駐日中国大使。「神戸の幼稚園児が描いた絵を持つ」。
神戸については、オスのパンダが死んでメスのパンダの「丹丹」だけが飼育されている、繁殖保護研究ができていない状況が続いているため、オスのパンダの誘致は十分理にかなっています。
しかし、こうして子どもを利用した演出には、賛同できません。

河野太郎外務大臣王毅外相の日本での経済対話の予定は、4月15~16日が軸です。
日中韓首脳会談で中国の李国強首相が来日するのは、5月9日~11日を予定しています。

仙台パンダで子どもたちの寄せ書きを利用することは、子どもたちを政治的に動員する行為に他なりません。
仙台市東日本大震災の復興のシンボルは中国のパンダで本当にいいのか?
園名や学校名や団体名を伏せることなく発表し、市民への説明責任を背負う覚悟はあるのか?

「子どもたちのため」を考えているなら、決して行うべきではない行為であると、ここに記します。