写真・図版ヘイトスピーチを訴えるプラカードを掲げ、講演会への参加者らを取り囲んだ=2018年6月3日午後1時21分、川崎市川崎区、斎藤茂洋撮影

 川崎市排外主義的なデモを繰り返している男性らが計画した講演会が3日、中止になった。講演会でヘイトスピーチが行われるとして、会場の市教育文化会館周辺には、反ヘイトスピーチの市民団体のメンバーら数百人が集まり、入り口を塞ぐなどの抗議行動を展開した。
 抗議は市民団体「ヘイトスピーチを許さないかわさき市民ネットワーク」が呼びかけ、講演会開始の1時間前から「レイシスト(人種差別主義者)帰れ!」と連呼。講演会への参加者を見つけては取り囲み、押し返した。団体によると、約600人が抗議に参加したという。
 神奈川県警によると、市民団体側の男1人が、講演会参加者のプラカードを壊したとして、器物損壊容疑で現行犯逮捕された。容疑を否認しているという。
 この日はヘイトスピーチ対策法が施行されて2年。川崎市は今春、ヘイトスピーチの恐れがある場合、公的施設の利用を事前規制できる全国初のガイドライン(指針)を施行した。市民団体は指針による使用の不許可を求めたが、市は要件を満たさないとして利用を許可していた。
(斎藤茂洋)