米国務長官と会談したパナマ大統領「一帯一路」から離脱方針示す…運河は「我が国が運営」
【パナマ市=大月美佳、ワシントン=淵上隆悠】米国のルビオ国務長官は2日、就任後初となる外遊先の中米パナマでホセ・ラウル・ムリノ大統領と会談し、パナマ運河から中国の影響力を排除するよう求めた。ムリノ氏は、パナマに運河の運営権があると反論した一方、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」から離脱する方針を示した。 【地図】香港系企業が運営する二つの港湾を結ぶパナマ運河
パナマ運河の太平洋側と大西洋側の出口にある二つの港湾は、香港系の会社が管理している。これに対し、米国のトランプ大統領は1月20日の就任演説で「中国がパナマ運河を運営している。それを取り戻す」と訴え、通航料金が高すぎると不満を示した。トランプ米政権は米中対立が激化した際に運河が閉鎖される事態を懸念している。
米側の発表によると、ルビオ氏は会談で、トランプ氏が「中国共産党が運河を管理している現状は脅威だ」と指摘していると伝え、「早急な変化がなければ、米国は必要な措置を取る」と警告した。運河の再管理を主張するトランプ氏は軍事力の行使も示唆している。
ムリノ氏は会談後の記者会見で「運河は我が国が運営していることに疑いはなく、今後も変わらない」と強調し、トランプ氏の主張を否定した。