~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和七年(2025年)5月10日(土曜日)弐
通巻第8779号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
赤い、赤い大學に政府補助金は打ち切りばかりではない
基金への課税をトランプ政権は検討
**********************************
アメリカの大学に、2016年以降、3億7,300万ドルもの“DEI資金”(政府補助金)が投入されていた。44州とワシントンD.C.の130の大学を調査し、281のDEI(多様性・公平性・包摂性)基金を特定したが、トランプ政権の方針により、多くはDEIプログラムを終了した。
ところがいくつかの大學は、依然として左翼が強く、プログラム名称を変更しただけで、誤魔化している実態も浮き彫りになった。
例えば、ネブラスカ大学リンカーン校は、「多様性と包摂性基金事務局」の名称を「コミュニティと帰属意識支援基金」に変更していた。
ミシガン大学は学生奨学金を含む、「DEIイニシアチブ基金」として寄付をあつめ、「ジョージ・フロイド記念奨学金」を設立した。
デラウェア大学はDEIプログラムをむしろ拡大し2,100万ドルを調達した。デラウェア州はバイデンの地元である。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)芸術建築学部は、「反人種差別、公平性、多様性、包摂性」プログラムを実施しており、これにはUCLA芸術人種平等基金も含まれる。トランプ政権にそっぼを向いて補助金打ち切りなんぞ怖くないとする意思表示だ。なにしろカリフォルニア州知事は同性婚の結婚式に自ら出席し、LGBT推進の旗を振るニューサム知事のところである。
トランプ政権がハーバード大学に要求したのはすべての局職員の採用記録ならびに入学支援の記録の共有で、これにより人種による区分け、出身国などをチェックする。DEI標準の屈折があったか、どうかをチェックしようというわけである。
そのうえ留学生の『犯罪記録あるいは暴力行為』を記録しなければ、国土安全保障省は入学資格を剥奪すると警告している。従来、白人の間では入試合格不合格への「逆差別」感が強かった。
次にトランプは大學基金の免税措置撤廃に動く。532億ドルの基金を持つハーバード大学は、資金凍結をめぐって連邦政府と法廷闘争を続けている。過去にも同大學は免税資格の剥奪の危機に直面した。
ハーバード大学はいずれも提訴して対抗している。
☆□☆△み◇☆◎◇や△□◎☆ざ△◎☆き◎☆△◎