パルデンの会

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ディープシークの梁文鋒は、「中国のサム・アルトマン」、李強首相が称賛。 あげくに習近平がアリババの馬雲らを招いての会合で表彰した

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 「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和八年(2026年)6月10日(水曜日)
    通巻第9321号  <前日発行>
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ディープシークの梁文鋒は、「中国のサム・アルトマン」、李強首相が称賛。
あげくに習近平がアリババの馬雲らを招いての会合で表彰した
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 ウォールストリートジャーナル、ブルームバーグなどの報道に拠れば、中国のAI企業「ディープシーク」の企業価値が520億ドル(約7兆8000億円)と評価され、テンセントが44億ドル出資を決めた。ほかにCATL(寧徳時代新能源科技)や政府系ファンド「国家人工知能産業投資基金」など合計74億ドル(1・2兆円)規模の出資が決った。

 トランプ大統領も「中国のオープンAI」と言われるディープシークを「ポジティブに見ている」と評価し、「米国のAI企業への警鐘となる」と言及した。それほどの衝撃を米国に運び、ラトニック長官率いる米商務省は「中国の猛追は凄まじく、その開発の時間差は8ヶ月に狭まった」と報告した。

 かくして「ディープシーク(深度求索)」の登場は斯界に衝撃をもたらした。
 僅か55日間の開発期間と558万米ドル(9億円弱)の低コストで『オープンAI』の多言語モデルに匹敵するという中国版生成AIの出現は、米国のAI企業、とくにエヌビディアの時価総額5890億ドル(94兆円)が株式市場から“蒸発”させたほどの破壊力を伴った(もっともエヌビディアはその後株価を回復、5兆ドル台で推移している)。

 ヘッジファンド「幻方量化」が資金を投入したのがディープシークの嚆矢だが、ならば「幻方量化」なるクォンツファンドとはいったい何かということになる。
 クォンツファンドは、ベテラン投資家の経験や勘に頼らず、数学・統計学モデルと膨大なデータ分析(コンピュータープログラム)に基いてAIアルゴリズムで機械的運用を行うヘッジファンド、つまりAIエージェントである。株価や企業業績などのファンダメンタルズ指標に加え、金利やマクロ経済データなどの統計モデルを用いるので“AI投資家”といえるだろう。

 このファンドは2016年2月に“AIオタク”だった梁文鋒が設立した。彼は2008年のリーマンショック時、浙江大学に在籍していた。大学生でありながらAIに滅法強く株式取引を開始し、そのAI取引アルゴリズムの開発と使用に特化したファンドだ。

 投資家のカンに頼らず、ひらすらコンピュータで取引し、相当額の稼ぎを得た。それらの資金でエヌビディアの高価な半導体を購入し、独自のラボを構築していた。
2023年5月、「幻方量化」を胴元として「DeepSeek」は独立企業となった。翌年はやくも「DeepSeekV2」をリリース、競合相手はバイトダンス、テンセント、百度、アリババグループといった大手テクノロジー企業だった。

 2024年12月、DeepSeek「V3」がリリースされた。これは6710億のパラメータを持ち、学習データセットは14.8兆トークンに及んだ。そして客観的事実として中国における人工知能技術の発展がすでに米国と大差ないこと、そのうえ25年1月に発表したスマホ向けのAIチャットアプリは、米国や日本の無料アプリランキングで1位を獲得した。

 創業者・梁文鋒は、「中国のサム・アルトマン」と称され、李強首相は梁を招いて「中国国民としてとても誇りに思う」と称賛。あげくに習近平がアリババの馬雲らを招いての会合で表彰したほどだった。
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