本当に 日本人は道理を考えなくなった。
仙台市、パンダ受け入れへ全庁横断会議
課題山積…多額の経費「被災者に目配りを」
仙台市は19日、中国からのジャイアントパンダの貸与実現に向け、全庁横断の会議を発足させ、市を挙げての態勢整備に乗り出した。市は、パンダによる経済効果を50億円と見込むが、パンダ受け入れには園舎の建設をはじめ多額の費用がかかる。復興事業が緒に就いたばかりのタイミングで走り始めたパンダの受け入れ準備に、疑問の目を向ける市民もいる。
パンダ受け入れに向けた課題について検討するプロジェクト会議の委員長に就任した伊藤敬幹副市長は、初会合後、「年内か年度内に飼育計画を策定し、貸与協定を締結したい」と述べた。今年が日中国交正常化から40周年の節目にあたることを意識し、パンダ貸与の実現に強い意欲を示した。
だが、課題は山積している。
受け入れ先となる八木山動物公園(太白区)に、パンダの園舎を建設する費用だけで3億5000万円かかるとみられる。その先も毎年の飼育費用のほかに、繁殖のための「保護資金」が年に約1億円かかる。東京の芸能事務所「ジャニーズ事務所」が、貸与から5年間の費用を負担する考えを表明しているが、それ以降は市の負担となる。
市は「パンダが来れば、年間の入場、者数50万人が100万人まで倍増し、入園料収入も年に1億円程度増える」とする。増収分の1億円を繁殖費用に充てる考えだが見込み通りになるかは不透明だ。
交通手段の確保も課題だ。2015年度には地下鉄東西線が開業を予定し、動物公園駅もできるが、開業前にパンダが来る可能性もある。市は地下鉄開業に合わせ、500台分の駐車場の整備を計画しているが、計画を前倒しして駐車場を整備し、バスの増便も検討する。
市民合意の問題もある。昨年秋にパンダ貸与の動きが突然浮上し、市民の受け止め方は様々だ。若林区の仮設住宅に住む貴田喜一さん(66)は「パンダで子どもたちが喜ぶのは良いが、被災者にも十分に目配りしてほしい」と話す。21日にはパンダ受け入れに反対する市民団体が市内でデモ行進を予定する。
(2012年4月20日 読売新聞)地方版