パルデンの会

チベット独立と支那共産党に物言う人々の声です 転載はご自由に  HPは http://palden.org

<写真・北朝鮮の暮らし>庶民のタンパク源「人造肉」


イメージ 1

<写真・北朝鮮の暮らし>庶民のタンパク源「人造肉」

2014年2月 7日 11:13       
◇90年代「苦難の行軍」期から普及 「先軍のイカ」との呼び名も
(ペク・チャンリョン)
イメージ 22011年、北朝鮮内部で取材を続けるアジアプレスの金東哲(キム・ドンチョル)記者が、直接中国に持ち出してきた「人造肉」。金記者は北朝鮮専門誌「リムジンガン」で多数の文章を発表している、撮影 アジアプレス
慢性的な食糧難に陥っている北朝鮮の人々は普段、どんなものを食べているのだろうか。北朝鮮内部で秘密裏に撮影された写真を元に、庶民の生活事情に迫るシリーズ。今回紹介するのは、庶民が好む「人造肉(インジョコギ)」。油を搾った後の大豆の残りカスの固めたものだ。
幅5センチ、厚さ3センチ程度の帯状で、ぐるぐると巻かれた写真の姿で全国の公設市場や路上で売られている。また、片手ほどの大きさに切り取った人造肉の中にご飯を詰め、辛く味付けされた「人造肉ご飯」も、屋台の食べ物として人気を集めている。
90年代、北朝鮮では、「苦難の行軍」と呼ばれる時代があった。金日成主席(当時)の死去に伴い国家システムが崩壊、未曾有の経済難と社会混乱が訪 れ、200万~300万人といわれる餓死者が出たのだった。人造肉が普及し始めたのはその頃。当時、多くの人々にタンパク質が圧倒的に不足する中、いわば 「時代の要求」を受けての登場だった。
「人造肉ご飯」を食べている男性。2012年8月咸鏡南道高原(コウォン)郡、撮影 アジアプレス
実は人造肉にはもうひとつの呼び名がある。「先軍のイカ」というのがそれだ。人造肉が、故金正日総書記が「苦難の行軍」を打開するために打ち出した、「先軍政治」というスローガンと共に全国に広まったことを皮肉った呼び方だ。
イメージ 3

女性商売人たちが、人造肉を手に取って巻いている。2013年9月平安南道平城(ピョンソン)市、撮影 アジアプレス
人造肉は大豆の搾りかすをローラーで伸ばして作られる。何度伸ばしたのか、そして油をどれだけ搾ったのかが味を左右する。当然、油っ気の多いものの方が香ばしく美味しい。
庶民の代表的な食材であるため、料理法も様々。細く切ってトウガラシ粉と酢であえたものは、酒の肴として男性に人気だ。また、野菜と共に炒めて食べる料理もある。
傷みにくい上に軽く、持ち運びにも適しているため、各種建設事業や農作業、軍事訓練に強制的に動員される男性たちに重宝される。筆者も北朝鮮に住んでいた当時、ずいぶんお世話になった。
例えば民間の軍事訓練で15日間家を離れる「赤衛隊訓練」の際に、人造肉は必須だった。訓練所の兵営で夜、車座になり、ちぎった人造肉をわさびにつ けたのをつまみに酒を飲んだものだった。つまみを食べ尽くした別のグループの誰かが「おい、人造肉を1メートルだけ分けてくれ」と声を張り上げていたこと は、忘れられない記憶である。