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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成27年(2015) 3月26日(木曜日)弐
通巻第4497号
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速報)
この土壇場へ来て、ロシアが不参加表明の可能性
アジアインフラ投資銀行に独仏英伊が参加表明したことが逆バネに
*******************************参加表明の締め切りまであと五日となった。
英国の参加表明は米国を苛立たせ、その結果、アジアインフラ投資銀行が、発足まえに過剰な評価を受けた。
IMFのラガルデ専務理事もADBの中尾武彦相殺も「協力できる可能性はあるかもしれない」などと発言のニュアンスが対立型から様変わり、日本の麻生財務相は「入らないと言っているわけではない」と融資条件や運用方法の透明性を問題視した。
中国経済分析で世界的に有名なエリザベス・エコノミー女史は「はじめからお手並み拝見で、AIIBはAIIBと割り切って放置すれば良かった。米国の反対声明がかえって、中国の銀行設置に力を与えた」と皮肉る。
ところが、予期せぬ動きが出た。
ロシアは参加表明をしない方向で検討しているというのだ(多維新聞網、3月26日)。
ロシアのセルゲイ・ストルチャク財務副大臣は「ロシアは過去一貫して米国の金融支配に反対し、新しい国際機関の設立を呼びかけてきたので、AIIBの主旨には賛同する。しかしながら、この新組織にロシアが加盟するかどうかは未定である」と記者会見した。
第一に中国主導の度合いは拒否権に象徴されるが、ロシアが中国の風下に立つ積もりはない。
第二に英独仏など西側が加盟すると、ウクライナ問題でロシア制裁中のかれらが、ロシアの要望する融資案件には反対にまわるに違いない。ロシアは原油価格暴落以後、多くのプロジェクトが足踏み状態にあり、資金重要が強いが、逆に英独仏が対ロ融資に反対すれば、ロシアが加盟する意味がない。
第三に大国の政治力は単に金融力でははかれず、ロシアは軍事大国であり、その矜持がある。ロシアと中国の絆は軍事、政治的結びつきが強く、金融面での協力関係はそれほど重要とは言えない。
とはいうもののロシアは現在14の飛行場を建設中のほか、160キロの地下鉄、ハイウェイなど160件のプロジェクトを推進もしくは計画中で、2000億米ドルが必要と見つもられている。
ロシアが一方で期待する「BRICS銀行」にしてもブラジル、インドより、ロシアのGDP成長は遅れており、そもそもロシアとブラジルは原資負担にも追いつけない状況となってBRICS銀行も設立そのものが危ぶまれ始めている。
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