米大統領選をめぐり、トランプ大統領が敗北を認めないなか、周囲の意見が分かれ始めているようだ。CNNによると、トランプ氏の娘婿のクシュナー大統領上級顧問と妻のメラニア氏は、落選を受け入れるよう説得しているが、トランプ氏の長男と次男は、徹底抗戦を続けるべきだとして、共和党や支持者らにも同調するよう求めているという。 【動画】「選挙を盗むのをやめろ」と抗議するトランプ氏の支持者。その目の前ではバイデン氏の支持者が喜びの踊りを舞っていました トランプ氏は8日、前日に続いてワシントン郊外にある、自身が所有するゴルフ場でプレーを楽しんだ。米メディアによると、大統領就任以後で210回目。この日も、郵便投票に不正があったなどとする主張をツイッターで展開し、敗北を認める様子は見せていない。トランプ陣営の報道官はCNNの報道を「事実ではない」と否定し、激戦州などで再集計を求めた訴訟を続ける意向を示している。 一方、共和党のブッシュ元大統領(子)は、バイデン氏に電話をかけて当選を祝った。声明では、バイデン氏を「政治的な違いはあるが、国を率いて団結させる機会を得た好人材だ」と述べた。トランプ氏に対しては、選挙戦での健闘をたたえ、再集計を求めた法廷闘争を行う権利はあるとしながら、今回の大統領選は「根本的に公平」で「結果は明らか」だと指摘した。各国首脳からも、バイデン氏への祝福が続々と寄せられている。 バイデン氏と民主党は、政権移行に向けた公式サイトを本格始動させて、次期政権が取り組むべき課題と対策として「新型コロナウイルス」「経済危機」「人種間の平等」「気候変動」の4本柱だと発表。「米国の中産階級を立て直し、経済回復に導く」とした。(ワシントン=野上英文)
朝日新聞社