中国、団体旅行を約80カ国解禁 日本や米国など10日から
(更新) [会員限定記事] 日経
【大連=渡辺伸】中国政府は10日、日本や米欧、韓国を含む世界78カ国・地域への団体旅行を新たに解禁したと発表した。新型コロナウイルスの影響で2020年1月に禁止して以来、約3年半ぶりの再開だ。コロナ前の19年に延べ1億5千万人を超えた中国の海外旅行者の回復に弾みがつく。
当局が旅行会社に「団体旅行や、航空券とホテルのセット販売を10日から解禁する」と文書で通知した。中国外務省は理由を「国際航空便の回復が続くなか、国民の海外旅行への意欲が高まっている」ためと説明した。
中国は今年2月、20カ国を対象に約3年ぶりの海外団体旅行を許可し、3月に40カ国を追加した。今回の解禁で計138カ国・地域が対象となる。
新たに日韓に加え、米国、ドイツ、英国、インドなどを加えた。大麦への制裁関税を撤廃したばかりのオーストラリアを加えた一方、カナダは対象から外れた。
経済成長に伴い、中国の海外旅行者は19年まで拡大が続き、受け入れ国に大きな経済効果をもたらした。ただコロナ禍の20〜21年は中国が出国を制限し、2千万人台に落ち込んでいた。
日本政府観光局（JNTO）によると、中国本土からの訪日客はピークだった19年に約959万人となり、訪日外国人（インバウンド）全体の3割を占めていた。観光庁の19年時点の訪日外国人消費動向調査によると、観光・レジャー目的で訪日した中国人の30.3%は団体ツアーだった。
