パルデンの会

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中共は意図的に数千万人の犯罪歴のない一般国民のDNAサンプルをデータベース化した。安定維持の名目の下で、市民社会を抑圧する能力が大幅に向上できると報告書は指摘している

中国当局が市民に大規模DNA検査 その裏の目的は

中国当局が市民に大規模DNA検査 その裏の目的は
人類遺伝子の研究は医療保健、生物安全、経済と国防など多くの分野に影響を与える可能性があるが諸葛明陽氏は、中共が遺伝子情報を悪用しかねないと示している2018年8月22日、北京の研究所で働く技術者。参考写真 (Greg Baker/AFP/Getty Images)
 
2023/08/22 大紀元
 
更新: 2023/08/22

中国共産党中共)が新たに導入した「人類遺伝資源管理条例実施細則」(以下、「実施細則」)では、全国規模の遺伝子調査が5年ごとに実施されると明記されている。

これにより、市民のプライバシーが侵害される可能性があるだけでなく、その背後にある真の目的についても懸念されている。

中国科学技術部が最近発布した「実施細則」は、今年7月1日から施行された。これは、2019年7月から実施されている「中国人類遺伝資源管理条例」に関する初めての具体的な実施細則となる。

「実施細則」の第三章によると、中国科技部は「全国で人類遺伝資源の調査」を担当する。

省の科技行政部門は科技部からの委託を受けて、地域での調査を実施する。この調査は「5年ごとに実施され」、必要に応じて調査を行うこともできる。

中共政府が全国規模で遺伝子調査を行うことを公に認めたのは今回が初めて。

「実施細則」は、提供者のプライバシーと個人の権利を尊重し、保障し、書面によるインフォームド・コンセントなどを取得するとしている。

独立系コラムニストの諸葛明陽氏は8月16日、エポックタイムズに対して、「生物工学と遺伝子の面で中国人をコントロールし、ひいては全世界を脅かすことこそ、中共の真の目的だ」と語った。

人類遺伝子の研究は医療保健、生物安全、経済と国防など多くの分野に影響を与える可能性がある。しかしながら、諸葛明陽氏は、中共が遺伝子情報を悪用しかねないと示している。

遺伝子武器の製造

中国軍の機関紙である「解放軍報」は2017年11月10日に、「遺伝子兵器は未来の戦争にどのような影響を与えるのか」と題した記事を発表した。

記事によると、21世紀に入ってから、遺伝子編集技術は盛んに発展し、人類ゲノムの地図はすでに完成され、生物兵器の研究も遺伝子兵器の時代に入った。

また、遺伝子兵器の遺伝コードは設計者にしか分からず、相手がワクチンを作って対抗するのは難しい。更に、新たな基因兵器が絶えず登場するため、ワクチンの開発スピードは「攻撃」のスピードに追いつくことができない。

人間を改造しようとしている

2018年11月、中国の科学者・賀建奎氏は、世界で初めて遺伝子編集の赤ん坊、双子の女児が中国で誕生したと発表した。同氏のチームは双子の遺伝子を改変し、生まれつきエイズに抵抗できるようにした。

このようなやり方が最終的にエイズの免疫ができるかどうかは、まだ不明である。重要なのは、賀氏は科学倫理の一線を超えていると指摘している。

編集された遺伝子は世代を超えて受け継がれるため、潜在的なリスクは計り知れないほどある。テクノロジーは、人間の他の特徴を変化させ、より多くの社会的不公平を引き起こすために使用され、パンドラの箱を開けることになるのではないかと懸念されている。

デジタル独裁を推進

中国国内には4億1500万台以上の監視カメラが設置されており、世界で最も多い。中共はビックデータと顔認識、音声認識に基づく巨大捜査網によって国民を監視している。国家規模の遺伝子データベースが加わると、中共によるデジタル独裁は更に強化されるだろう。

豪州戦略政策研究所が2020年6月17日に発表した報告書によると、中共が国民のDNAサンプルを大量に収集することで、世界最大の警察用DNAデータベースを構築しているという。

一般的な刑事鑑定用のDNAデータベースとは異なり、中共は意図的に数千万人の犯罪歴のない一般国民のDNAサンプルをデータベース化した。

DNAデータベースと他の監視装置を併用することで、安定維持の名目の下で、市民社会を抑圧する能力が大幅に向上できると報告書は指摘している。

少数民族や個人への抑圧を後押し

米商務省は2020年7月20日、中国新疆ウイグルでの少数民族に対する人権侵害に関与しているとして、中国企業11社を輸出管理規則(EAR)に基づくエンティティリストに追加した。

ゲノム解析大手の華大基因(BGI)の子会社2社がウイグル族などに対する抑圧目的での遺伝情報の収集・分析に関与しているとして、リストに追加された。

国際的な人権機関ヒューマン・ライツ・ウォッチHRW)は2017年12月に、新疆当局は12~65歳までの住民のDNAサンプル、指紋、スキャン、血液型情報を収集していると明かした。

HRWの中国担当部長であるソフィー・リチャードソン氏は、新疆当局が少数民族のDNAや他の生体識別データを収集して、そのデータによって政府に批判的な個人を追跡していると批判した。

中国で拘束された複数の民主活動家、陳情者、法輪功学習者たちは、警察に拘束された後、強制的に血液検査を受けさせられ、一部の警察はそれをDNA検査のためだと語ったと述べている。

法輪功学習者の陳小軍氏は、警察がDNA検査を装って、移植用の臓器適合のために生物情報データベースを構築している可能性が高いと考えている。

陳氏は中国にいた時、法輪功を修練するため何度も逮捕された。同氏は2015年に中国を脱出してニュージーランドに来た。

当時、陳氏はエポックタイムズの記者に、中国の多くの所で、(法輪功学習者)が逮捕されると、警察はその身元を確認することも、何をしたのかを尋ねることもせず、「まずはあなたの血液検査を行う」と語った。

警察が学習者の生体情報をすべてデータベースに入力し、今後の臓器摘出に備えている可能性が高いと同氏は疑っている。