新型コロナ、マイコプラズマ…中国で複数のウイルスが広がる 各地で小児科は満杯
中国本土で最近、マイコプラズマ肺炎、インフルエンザ、RSウイルス、新型コロナウイルス(大紀元では中共ウイルスと呼んでいる)が同時に流行したため、全国の病院で小児科の受診者数が急増しており、北京、天津、上海などの大都市の小児病院は混雑を極めている。
3年前のパンデミックと同じく中国共産党(中共)は情報を隠蔽しており、ほとんど情報が出回っていないが、一部の関係者が実態を暴露している。
中国国家インフルエンザセンター(国家流感中心)の報告によれば、2023年11月13日から19日にかけて、インフルエンザの陽性率が増加し続け、主にA型ウイルス(H3N2)だった。「全国で205人のインフルエンザ疾患が報告された」
しかし、205人という数字に対する疑問の声が上がっている。ネットユーザーが投稿した動画では、多くの地方都市の病院は人でいっぱいだ。病院の感染症専門医によると、30年以上診療を続けているが、これほど多くの子供がマイコプラズマ肺炎にかかったのは今年が初めてだという。
大連当局、集団感染を隠蔽 情報源:死者が出た
11月23日、中国の元メディア関係者である趙蘭健氏はエポックタイムズに応じて、このように述べた。
「11月19日、大連にいる多くの友人に電話で集団発生を確認したところ、知り合いの子供が病気になり、彼ら自身もパニック状態に陥っているとのことだった。その後、ウェイボー(SNS)で大連市小児病院や大連での集団感染に関する情報を調べたが、見つからなかった。これは非常に深刻な問題だと思う」
「自分の知り合いは、クラス担任に娘が学校に来ない理由を尋ねられ、『昨夜、肺炎で亡くなったので、もう学校に行くことはない』と答えた。おそらく集団感染はすでに深刻で、多数の子供たちが死亡している。本当の情報は大連当局に隠蔽されただろう」
「友人がWeChatで動画を送ったつもりだったが、検閲されて送信できなかった。ウェイボーやWeChat上でも同様の情報封鎖が行われていることから、これは中共のインターネット宣伝およびインターネット管理部門による統一的な行動と考えられる」
趙蘭健氏は伝染病が流行することは怖いことだとは思わないが、中共当局や中国SNSが流行に関する情報を遮断することは、流行の深刻さを物語っていると思っていると指摘した。
専門家:マイコプラズマ肺炎、重篤な症状は「稀」
米国のウイルス専門家、米陸軍研究所のウイルス学科実験室主任も歴任した林暁旭博士は、11月23日にエポックタイムズに対し、マイコプラズマ肺炎は原則として重症の肺炎症状を伴うことは稀であり、特にレントゲンに肺が白く映る「白肺(バイフェイ)」ような重症ケースは稀だと述べた。
同氏はこれほど多くの子どもが診察を必要とし、さらには重症で肺の洗浄が必要な現状を、マイコプラズマ肺炎感染だけで説明するのは妥当ではないと指摘した。
林氏はさらに、中共ウイルス(コロナ)が他の呼吸器ウイルスや肺炎マイコプラズマの細菌と協力し、一緒に体の防御を破ると、より深刻な感染症につながり、白肺のような症状を引き起こす可能性があると説明した。
白肺の症状は中共ウイルスの感染者に多く見られている。中共当局が過去数か月間、中共ウイルスの発生実態を発表しなかったことについて、林氏は、感染拡大を隠蔽する無責任な行為だと批判した。
北京、清華大学の付属病院は開院以来のプレッシャー
現在、北京、天津など中国の北部地域では、小児病院や発熱外来が満杯状態で、冬場の呼吸器疾患に対する市民の不安が高まっている。
11月23日、清華大学の付属病院・北京清華長庚病院の小児科の晁爽副主任はマスコミに対し、「開院以来、小児科へのプレッシャーがこんなに大きいのははじめてだ」と語った。
同病院の小児科は、それまで来院患者は1日に約300人だったが、今では倍の800人にまで増え、9月の受診者数は8月に比べて2千人増加し、10月にはさらに5千人増加したという。
北京の他の病院の小児科も逼迫状態だ。
中共中央人民広播電台によると、11月21日、首都医科大学付属北京小児病院の外来ロビーは患者や保護者でごった返す状態になっている。
同病院外来部の李豫川主任は、同病院の内科は現在、病院の収容能力をはるかに上回る1日当たり7千人以上の患者の診察を行なっている。
「新京報」が報じたところによると、患者のうち、 インフルエンザ、アデノウイルス、RSウイルスが病気の原因のトップ 3であり、4位はマイコプラズマ肺炎だ。
首都医科大学付属北京朝陽病院も同様な状況だという。
中国メディア「界面新聞」によると、11月23日、中日友好病院の公式予約アプリを確認したところ、同病院の番号札は予約がいっぱいだった。京都児童医院の公式予約システムでは、呼吸科は11月23日から11月26日まで「予約不可」と表示されている。
北京友安病院呼吸器・感染症科の李侗主任医師は23日に、11月に入ってから患者が大幅に増加し、現在はインフルエンザが主で、マイコプラズマ肺炎やRSウイルスが少数だと紹介した。また、今年は若年層の受診が多かった。
公的医療機関だけでなく、高級な民間医療機関でも受診者が相次いでいる。
天津市中医医院全員連勤 流行シーズン早まりを受け
天津中医薬学第二附属医院は11月21日に、全院の力を動員して小児科の来院ピークに対応し、小児科の全スタッフが連勤すると発表した。
中国本土のネットユーザーが23日に投稿した動画では、天津で唯一の三級甲等(最高ランク)の総合小児病院である天津小児病院は混雑を極めている。
中国メディアの情報によると、天津小児病院は1日平均1万3千人の患者を診察しており、看護師が倒れる事態も発生した。
北京、天津に加え、遼寧省、吉林省、山東省、甘粛省などの病院でも小児科外来や救急外来の子どもの数が急増し、小児科が過負荷状態で運営されており、メディアの報道によると、済南婦幼保健院の小児科だけでも、1日に1千人近くの患者が受診しているという。
上海の小児病院も大混雑
北部の病院では小児科が「あふれかえっている」一方、南部の病院も混雑しているという。
上海交通大学医学院付属仁済医院の公式アカウントは、11月1日から13日にかけて、仁済医院の小児科外来受診者数は8千人を超え、前年同期比175%増加したと示している。
同病院によると、今年2月以降、インフルエンザウイルス、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルスなどの小児感染症の影響で、仁済南医院小児科病棟の受診者は満杯状態が続いており、9月以降は肺炎マイコプラズマウイルスの影響で、再び受診者数が急増している。