パルデンの会

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ロシアはアルメニアの国境地域からロシア軍ならびに国境警備隊を撤退させる方針を明らかにした。近未来を予測するとロシア基軸の集団安全保障は中核的な芯をうしないつつあり、多くの地域で機能不全におちいっているようである。

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 「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和六年(2024)5月10日(金曜日)弐
        通巻第8247号 
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 ロシア基軸の集団安全保障条約は機能不全に陥ろうとしている
  ロシア軍、アルメニアのイラン、トルコ国境警備から撤退
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ロシアはアルメニアの国境地域からロシア軍ならびに国境警備隊撤退させる方針を明らかにした。
クレムリン報道官のドミトリー・ペスコフは「この決定は、旧ソ連共和国アルメニアにおけるトルコ、イランとの国境沿いにあるロシア軍の駐屯地には影響を及ぼさない」とした。
つまり国境に貼り付けていた部隊は撤退するが、アルメニアに駐在する軍基地は集団安全保障条約のもとで、そのままとする。   

 2023年にロシアはアルメニアの飛び地ナゴルノカラブフ自治区から撤退し、直後にアゼルバイジャンが侵攻したが、傍観した。トルコの支援を受けたアゼルバイジャンナゴルノ・カラバフを一日で落とした。
同地区にいた凡そ十万人のアルメニア人は本国へ引き揚げた。2020年にアルメニア政府の要請でロシア軍ならびに国境警備隊がトルコとイランの国境に派遣されていた。

2023年11月、アルメニアのニコル・パシニャン首相が「もはや状況が異なった。配備の必要性がなく、プーチン大統領も同意した」と述べ、「ただしロシアの国境警備隊アルメニア・トルコ国境およびアルメニア・イラン国境からは引き上げるが、既存の軍事基地には留まる」とした。 

ロシアとアルメニアの防衛協定とは1992年に発足した「集団安全保障条約」に基づくもので、発足時にはロシア、ベラルーシアルメニアカザフスタンキルギスタジキスタンが加わった。
その後、グルジアも加わったが、サアカシビル政権のおりに脱退、またカザフスタンは2022年の暴動のおりにロシアから緊急展開部隊派遣を要請し、暴動を抑え込んだが、その後、両国関係は冷却した。

タジキスタンは同条約にもとづき500名のロシア軍が、またキルギスにもケント基地に推定500のロシア軍が駐留を続けている。

こうした動きから近未来を予測するとロシア基軸の集団安全保障は中核的な芯をうしないつつあり、多くの地域で機能不全におちいっているようである。
 ウクライナとの戦争に戦力を集中させたい意向のあらわれからも知れない。

 □◎み○☆や◎☆ざ○☆き◎☆◎ま○☆さ◎☆ひ◎◎ろ○☆