パルデンの会

チベット独立と支那共産党に物言う人々の声です 転載はご自由に  HPは http://palden.org

習近平独裁体制はもはや崩壊寸前ではないかとの推理結論が導きだす  「軍の本音」とは「台湾侵攻はやりたくない」のであり、外国企業は「反スパイ法」で中国離れが加速した。国内外で「戦狼外交」は総スカン、「習近平思想」は紙屑となった。


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 「宮崎正弘の国際情勢解題」 
      令和七年(2025年)5月25日(日曜日)
          通巻第8795号 
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<<日曜版>>

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読書特集
石平『習近平失墜!』(ワック文庫)
島田裕巳GHQは日本の宗教をどう変えたのかーー神道指令について』(育鵬社) 
読者の声ほか。。。
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  書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
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日本のメディアが伝えない中国の闇の奥
本当は何が中南海で繰り広げられているのか

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石平『習近平失墜!』(ワック文庫)
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習近平政権 終わりの始まり」とする石平氏はまず四つの理由を挙げる。
やりすぎた粛清は反撥を運んだ。軍幹部が一斉に「逆襲」にでたため、習近平は軍の実権を失った。 
 事態の急変は苗華(中国共産党中央軍事委員会委員)が失脚したことから始まった。苗華は海軍提督で、習が抜擢した経緯がある。
 李尚福国防相の失脚は『不在』が数ヶ月続いたあと明らかになり、董軍が新しく国防相と発表され、失脚がわかった。その董軍も取り調べを受けているという情報が行き交う。
 その前は秦剛外務大臣が失脚したが、外相ポストは王毅(政治局員、国務委員、前外相)が兼ね、中国外交を独占している。習外国訪問の時、左隣は王毅の指定席となった。
 苗華の取り調べが明らかになったのは不在となってから一ヶ月以上あとで、中国国防部の呉謙報道官が2024年11月27日の月例記者会見で「調査が進行される間、苗華氏の職務を停止することにした」と述べた。その前日には就任したばかりの董軍国防相が「腐敗容疑で調査を受けている」と英紙ファイナンシャルタイムズが報道し、中国外交部の毛寧スポークスマンが否定した。
苗華は中国人民解放愚における「福建閥」とされ、習近平と同じ釜の飯を食べた間柄だ。5人に減った軍事委員会メンバーだった。同委主席は習近平、副主任が張又侠である。どうも鍵は張又侠の鵺的な言動にあるのではないか。一時、張は失脚したと囁かれ、また習近平フィクサーなどと言われたが習にすり寄って延命をはかった。
 中国軍では戦略核ミサイルを専管する「ロケット軍」などで大規模汚職調査が行われ、2024年6月には、前国防相の李尚福、その前の国防相だった魏鳳和が党籍剥奪となった。2023年には李玉超ロケット軍司令官が党籍剥奪処分、周亜寧初代ロケット軍司令官も退いた。
李尚福国防相は就任7カ月で失脚した。ロケット軍高官に処分が集中したのは、試験発射の失敗、ミサイルの機能不全、システムの整合性の欠如などで、習が焦る「軍事大国」は夢幻ではないかという強迫観念が心理的に潜在するようである。

 習をトップとする軍事委員会は七名で構成されたが、李尚福と苗華の失脚により、習のほかは副主席の張又侠、何衛東、劉振、張昇民の五人となった。
 習が事実上の権力掌握は2013年からだ。粛清、汚職追放キャンペーンは徐々に本格化して、今日までに高官数百、戒告処分など末端にまで影響し、百万人ほどが降格、左遷などの処分対象になった
 習近平はキャンペーンを「虎から蠅まで」とした。或る観察者は、この遣り方は「粛清でスターリンの道を行く」ものと解析した。経済停滞、若者の失業、中流階級の不満の高まりなど、中国が抱える諸問題は、たとえば公務員ひとりの募集に四百人が列を作るというような経済の落ち込み現象に顕著だ。
そこから生まれた不安、トラウマ、政府への不信と不満に繋がり、人民解放軍が弱体化、あるいは不安定化すれば、習近平主席の権威が損なわれることになる。
 習近平は忠誠のつよい軍人をトップに抜擢し、能力は後回し、結局は歴代皇帝がそうであったように周囲はイエスマン茶坊主、軍人はばかばかしくて闘わない。そもそも人民解放軍は国軍ではなく、共産党のプライベートアーイーだから愛国心は希薄なのである。
 処分理由はいつも「党規違反」とか「汚職」である。
軍内の汚職は誰もがやっていることで、腐敗体質は数千年変わらないシナの文化である。台湾統一、尖閣は中国の領土などと政治プロパガンダが喧しいときは中国軍の内部で熾烈な権力闘争が闘われている事実を隠蔽する常套手段である。
 さて独裁権曲を支える軍がかような状況だとすれば行政はどうなの
 孤立する習近平は最側近すら信じないようになり、李強首相をはじめ腹心の部下も見限り始めたという。国務院が経済を専管するはずだが、経済は悪化の一途であり、習は疫病神扱いだ。くわえて外交も失敗続きである。
 石平氏はこれらを踏まえ、つぎに習の軍・経済・外交の諸政策を検討し、習近平独裁体制はもはや崩壊寸前ではないかとの推理結論が導きだすのである。
 つまり「軍の本音」とは「台湾侵攻はやりたくない」のであり、外国企業は「反スパイ法」で中国離れが加速した。国内外で「戦狼外交」は総スカン、「習近平思想」は紙屑となった。

 追加。5月24日に石平ニュースによれば側近中の側近、蔡奇が李強首相らと同様に習近平と距離を置き始めたという。蔡奇、おまえもか!

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