パルデンの会

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蚊が媒介するだけで人から人へは感染しない「チクングニア熱」。それなのに中国・広東省の街は消毒用の白煙に包まれている 「3日以内にペットを処分せよ」科学的根拠なき「防疫ショー」 

「3日以内にペットを処分せよ」科学的根拠なき「防疫ショー」が暴走する中国・広東省【動画あり】

「3日以内にペットを処分せよ」科学的根拠なき「防疫ショー」が暴走する中国・広東省【動画あり】
防疫作業で白煙に覆われた街、2025年9月、広東省江門市。(映像よりスクリーンショット
 
2025/10/18 大紀元

蚊が媒介する感染症チクングニア熱」が広がる広東省江門(こうもん)市で、当局の防疫、要するに「蚊退治」が常軌を逸した騒ぎになっている。

開平区の住宅地では、住民に対し、自治会が犬の飼育は蚊の発生源になるとして、すべての飼い犬を3日以内に処分せよと命じる通告を出した。科学的根拠のないこの指示に、住民からは「狂気の沙汰だ」「あきれてものも言えない」との声が噴出し、ネット上では「唖然とした」との投稿が相次いだ。

 

左:犬の処分を命じる通告 右:鉢植えを持ち去られた住民、気づいた時には消えていた(映像よりスクリーンショット

 

チクングニア熱は蚊が媒介するウイルス性疾患で、人から人には感染しない。感染が拡大するなかでも、複数の専門家は「人から人には感染しない病気に都市封鎖や一律隔離は過剰だ」と指摘する。しかし当局は耳を貸さず、「人命第一」と唱えながら「どんな犠牲を払っても蚊を根絶せよ」と号令をかけ、強制検査や封鎖を繰り返してきた。

 

左は蚊のイメージ、右は蚊に刺され「チクングニア熱」に感染した人の皮膚(資料写真)

 

「蚊を退治せよ!」のスローガンの下、街は白煙に覆われ、家庭菜園や鉢植えまで撤去された。住宅封鎖、市場封鎖、公園封鎖、外出制限、工事現場の停止など、日常のあらゆる活動が制限されている。

町には防護服姿の防疫要員が徘徊し、人手だけでは足りずドローンまでが薬剤散布に駆り出される。発熱が確認されれば強制隔離、病棟を抜け出せば処罰が待つ、まるで感染パニック映画の世界である。

 

(街中で消毒用の白煙をまき散らす当局者、2025年9月、広東省江門市)

 

さらに、別の住宅地では「自転車置き場の鍵を提出せよ」との通告が出され、拒否すれば専門業者が強制開錠すると警告。理由は、放置自転車や収納物に雨水がたまり、そこに蚊が卵を産むかもしれない、というもの。だが実際には根拠が乏しく、住民からは「意味不明だ」「防疫を名目にした過剰介入だ」との批判が相次いだ。

 

「蚊駆除作戦で噴霧された白煙に包まれる街並み。視界が奪われ、市民からは『蚊より人間が先に倒れる』との声も」広東省広州市(映像よりスクリーンショット

 

中には消毒作業を理由に、駆除作業員が無断で住民宅に侵入し、鉢植えを持ち去る事例まで起きている。水を含んだ土壌が「蚊の発生源になる」と見なしたためとされる。

 

検査を受けるために長蛇の列をなす市民たち。2025年7月下旬、中国広東省佛山市(映像よりスクリーンショット

 

批判を受け、開平市当局は「ペットの処分命令は自治会の独断で法的根拠はない」と釈明。鍵提出の通知も撤回された。しかし、防護服姿の職員が街を白煙で覆い、ドローンまでが薬剤を散布する「防疫ショー」と化した極端な対策はなお続いており、人々の生活を締め付けている。

白煙に包まれた街中を、防護服姿の職員たちが徘徊する。まるで致死率100%のウイルスと戦う映画のようだが、相手は蚊である。現地の人々は大真面目に皮肉る。「蚊より人間のほうが先に絶滅するかもな」。怒りを通り越し、もはや笑うしかない。

 



 

蚊より人間が先に倒れそう? 中国・広東省で広がる「防疫ショー」【動画あり】

 

蚊が媒介するだけで人から人へは感染しない「チクングニア熱」。それなのに中国・広東省の街は消毒用の白煙に包まれている…。市民は「蚊より人間が先に倒れる」と嘆く。防疫か茶番か、中国の現実がここに。

 

エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!