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【外信コラム】
北京春秋 ウイグル少女の手紙
2011.7.14 03:01
「手渡したいものがある。すぐに来てほしい」という見知らぬ番号からの呼び出し電話を受けて支局近くの公園に行った。ヨレヨレの服を着た中年男性が近づいてきて「ウマイアルジャン・アブラさんが捕まった。これをあなたに渡してほしいと彼の家族に頼まれた」と2枚の紙を渡して足早に立ち去った。
ウマイアルジャン氏はウイグル族の陳情者で2度ほど取材したことがある。元中国石油の技術者で、自分が発明した特許の権利が会社に奪われたうえ解雇されたとして、数年前から北京南駅の近くで野宿しながら陳情を繰り返していた。
陳情仲間とみられる男性から渡されたのは「社会安定を乱した容疑で(ウマイアルジャン氏を)拘束した」などと書かれた「拘束通知書」と、彼の10歳の次女が地元警察あてに書いた手紙のコピーだった。
「尊敬する叔父さんたち」で始まる手紙は「お父さんはとても善良な人だ」「彼の発明は国に大きな貢献をした」などとつづられ、「お母さんは毎日泣いている。お父さんを早く返してください」と結ばれていた。