パルデンの会

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人間の叡智がすべて流れ去った水害、 そこからどんな叡智が再生するのか??



収穫目前で流失、豊作のクリ園 準備から7年目

紀伊民報 9月22日(木)17時2分配信
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【流失したクリ園で、残った木を植え直したという小川恵弘さん(和歌山県田辺市龍神村福井で)】
 地元の車いすのお年寄りらにクリ拾いを楽しんでもらおうと、和歌山県田辺市龍神村福井の木工所経営小川恵弘さん(69)が日高川沿いに造ったクリ園が、台風12号による川の氾濫ですべて流された。準備から7年目。ようやく豊作を迎えていた園は、一度も開園することなく更地となった。「夢を見過ぎたのか」と小川さん。数本残った木を植え直し、再建すべきかどうか心を揺らせている。

 自宅近くの日高川沿いの荒れ地や田を借り、7年前に約40アールを整地、5年前にクリの苗木約110本を植えた。獣害対策用にトタン板で敷地を囲い、農薬散布など世話をして実が結ぶのを待っていた。

 「昔遊んだクリ拾いが楽しかった」と近所の車いすの女性から聞いたことがきっかけだった。「仕事上でも世話になった周囲の人に恩返しがしたかった」。クリ園は車いすが通れるよう平らにならして整備。藤棚のある休憩所や、園内にバスが乗り付けられる駐車場も造った。観光農園としての景観を考え、もともとあった大きなスギの周囲に造園用の大きな石を並べ、花を植えた。

 5年目でようやく豊作。「細い枝は重みでしなっていた」といい、お年寄りらを招待しようと楽しみにしていた矢先、台風が襲った。大雨で川の水位はみるみる上がり、クリ園が水没。園の敷地に積み上げてあったシイタケ栽培用の原木5千本以上と、近くに置いてあった仕事関係の重機や農機具、資材も流れた。修理途中だった小川さん所有の漁船も姿を消した。「とにかく水の引きが速く、何もかも持って行かれた」

 台風の後、園に倒れて残ったクリの木を妻の美代子さん(68)らと起こして立てた。使えそうな木は10本しかなかった。園の一画では柿やモモといった果樹を試験的に栽培しており、よく育つ品種で園を広げる計画もあったが、白紙となった。

 園全体の表土は、場所により1メートル近くさらわれたため、再建するには敷き直す土が必要という。小川さんは「台風被害で、皆さんから心配の電話をたくさんもらった。土を元通りにできるかどうかが課題。また5年かけて園をできるか考えている」という。