パルデンの会

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200億円支援の台湾に日本外務省がひどい仕打ちをしていた


200億円支援の台湾に日本外務省がひどい仕打ちをしていた

2011.12.03 16:00


経済の急成長とともに台湾への野心を剥きだしにしつつある中国。しかしそれを見過ごすことは日本にとっても大きな問題になりかねないとジャーナリストの櫻井よしこ氏は警告する。

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軍事力で相手を脅しながら、一方では経済や文化の交流で籠絡し、抵抗の意欲を失わせる。こうして軍事力を使わずに相手を屈服させるのが「孫子の兵法」、中国の戦略です。

中国の策略に自ら嵌まり、属国精神に染まっているのかと問いたくなるのが、台湾の馬英九総統です。台湾はアメリカに新型戦闘機F16C/Dを66機購入したいと要望して結果断られましたが、馬氏は、「米国がF16C/Dの売却をできなくても仕方がない」と発言したと聞いています。最初から諦めているかのような発言です。「自分たちの手で台湾を守る」という気概そのものが、国民党政権にはないと言わざるを得ません。

中国は1979年以来、台湾に「三通」(通商、通航、通信の直接交流)を呼びかけてきました。その結果、両国の経済的交流が深まり、昨年9月には中台経済協力枠組協定(ECFA)が発効しました。協定では中国が539品目の関税を撤廃し、台湾は267品目を撤廃と、一見台湾に有利ですが、真の目的は台湾を「経済的に離れられなくする」ことです。

台湾経済の中国への依存度は高まるばかり。現在、台湾の輸出の40%は中国向けで、中国大陸で働く台湾人は150万人規模にのぼります。家族を含めれば約600万人です。2300万人の台湾人のおよそ4分の1が中国との直接的関わりの中で生計を営んでいることになります。

馬氏は最近、10年以内に平和協定を結ぶ意向を示しましたが、平和の名のもとに、実質的には併合協定が結ばれてしまうことでしょう。
来年1月の台湾総統選は、まさに台湾の存亡を決する選挙になると思います。日本にとっても他のアジア諸国や米国にとっても、命運を左右する重要な分岐点です。

引き続き馬氏が総統となれば、中国の台湾併合への戦略は、次の段階に進むでしょう。もちろん、馬政権の親中的政策を批判する民主進歩党蔡英文氏が勝っても、中国の基本的な路線は変わりませんが、台湾側が自ら中国の手に落ちていくような方向性を転換することにつながります。

台湾が脅かされれば東アジアが不安定になる以上、それを防ぐことが日本の国益です。

日本が台湾に対してできることはたくさんあります。今すぐにでもできるのは、「台湾の未来を台湾の人々の意思に沿って守っていく」という意思を日本として明らかにする、つまり民主主義を支持すると表明すること。そのために支援を惜しまないと言い続けることです。これは台湾の人々を勇気づけ、台湾の政治に力を与える効果を生みます。

言葉だけでなく、実際の行動においても台湾との関係を緊密にしていくことが大事です。台湾とのFTA自由貿易協定)で経済交流を深め、交換留学生をはじめ、各界各層の人事交流も活発に行なっていくべきです。
軍事的には、米国とアジア諸国、インド、オーストラリアなどとの連携が重要になります。日本は原子力潜水艦を造り、東シナ海をはじめ重要な海域に展開させる。これは中国の台湾侵略、そして尖閣諸島を守る抑止力になります。
台湾は東日本大震災の際、200億円というどの国よりも多い義援金を送ってくれました。台湾の人々の熱い想いがこめられた有り難い支援でした。その台湾に対し、外務省はこれ以上のひどいことはないと言ってよい仕打ちをしました。
10月6日に開かれた台湾の建国記念日双十節(10月10日)の祝賀会には、各省庁の政務三役(大臣、副大臣政務官)ら、政府関係者は出席を自粛するようにという通知を出していたのです。中国への卑屈さと、台湾に対する非礼には呆れるばかりです。
異形の国家、中国に気兼ねをすることは、台湾を窮地に追い込み、日本をも危うくする。私たちはそのことを肝に銘じなければなりません。
※SAPIO2011年12月7日号

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台湾の声より

【報告】「謝謝台湾、日本頑張れ感謝イベント」



日台文化芸術交流協会


今年の「311東日本大震災」の際、

多くの台湾国民が日本に総額220億円にも上る義捐金と沢山の物資を日本に送りました。我々は台湾の国民に対する感謝の気持ちで、岩手、宮城、福島という三つの被災地の県知事や被災地代表を含む行政機関および民間団体をもって「謝謝台湾、日本頑張れ感謝イベント実行委員会」を設立し、数ヶ月間の準備を経て「謝謝台湾、日本頑張れ感謝イベント」を2011年12月2日に台北市の「国立国父記念館」にて開催いたしました。

11月1日の記者会見後、反響が大きく入場希望者が殺到しました。日本の震災復興に関心を持つ沢山の台湾国民は、この感謝イベントにも大変な熱意を示しました。
僅か一週間で入場券は全て予約されたにもかかわらず、参加希望者は予想の倍以上になり、5、6000人に達したほどでした。

この台湾国民の熱意に応えるべく、われわれは資金や場所、出演者の調整などの困難を乗り越え、12月2日午後3時半にリハーサルの形式で追加演出し、定員オーバーの入場希望者が感謝イベントに参加できるよう取り計らいました。
それでも、予約したにもかかわらず入場券を入手できない方が多数いました。実行委員会はお詫びのしるしとしてノートや記念ボールペン、番組進行表などを送り、機会があれば、再度台湾で今回以上の意義あるイベントを開催し、台湾国民の熱意に応えたいとの気持ちもお伝えしました。

感謝イベント当日は日本企業の台湾訪問団、参議院議員の台湾訪問団なども含め、2500人余の席は埋め尽くされました。現場では百名以上のボランティアが参加者にきめ細かいサービスを提供しました。

2時間にも及ぶイベントの司会は民視テレビのニュースキャスターの翁郁容氏が担当し、林倍暉氏が通訳を務めました。イベントが始まる前、安倍晋三元総理が事前に録画したVTRで挨拶し、引き続き、岩手、宮城、福島の被災地の状況もVTRで放映されました。その後、主催者代表のトニータナカ氏のリードにより、参加者全員で犠牲者のために黙祷しました。

演出は三部に分けて進行しました。

・第1部:開幕、謝謝台湾

まず、岩手県県知事の父親である達増崔夫氏が2名の被災地の教職員と2名の学生代表と一緒に挨拶し、その後、相澤光哉・宮城県議会震災復興委員長によるメッセージをVTRで放映しました。また、震災後の台湾における日本救援活動、日本の実況映像、孫文と親交のある日本友人の末裔である小坂文乃女史のVTRメッセージを放映、さらにその後、映画「海角七号」主演女優の田中千絵氏と、日本から来られた山谷えり子参議院議員もそれぞれ挨拶しました。

・第2部:日本の心

衣紋道高倉流東京道場の「十二単着付け」の稽古の様子をVTRで放映した後、荘司礼子会長が800年の歴史がある日本伝統文化を代表する「十二単」の着付けを自ら演出して観客に魅了させました。

・第3部:ベスト パートナー

日本と台湾の両国民に愛され、大スターでもあるジュディオング氏が新作「ベスト パートナー」と「祈祷」を中国語で、また「魅せられて」を日本語で歌いながら、青木ホールディングスの会長で「ベスト パートナー」の作詞者でもある会場の青木寶久氏に敬意を表されました。

閉幕前、ジュディオング氏とともに、台北永福ロータリークラブのメンバー30名、青木寶久会長、トニータナカ会長、十二単出演メンバー、岩手県教職員、学生代表らが壇上に上がり、参加者全員とともに「ベスト パートナー」を合唱しました。
このようにして「謝謝台湾、日本頑張れ感謝イベント」は、暖かい雰囲気の中で盛会裡に幕を閉じました。

日台間の友好関係が更に強固になるようにお祈りいたします。