パルデンの会

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日本は緊張、台湾お祭り… 鴻海・シャープ会見ルポ


本当に悪い 売国日本人 とは やはり銀行であり 大手企業に勤めるものであった。
彼らは日本の一部であるが、工業も商業も 中小企業 あっての産業である。
自民党が保守代表というなら 自分たちの財布を空にして仕事をしなければならない。
シャープは台湾に売られたのかもしれないが、その技術は支那共産党に売られたのだ。
それが理解できないマスコミにも 「NO」 を言うべきである。


日本は緊張、台湾お祭り… 鴻海・シャープ会見ルポ

2016/4/3 8:54
日本経済新聞 電子版
 経営再建中のシャープは2日、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下に入る契約に調印した。午後からの記者会見にもかかわらず液晶パネルの生産会社、堺ディスプレイプロダクト(SDP、堺市)には朝早くから日本だけでなく、台湾からも数十社の報道陣が駆けつけた。鴻海の郭台銘董事長は友好ムードを演出したが、記者の目には驚きが多かった。
■会見待つ朝 飛び交う中国語
鴻海・シャープの会見が開かれた堺ディスプレイプロダクト(堺市、写真は2014年)
 2日、午前8時30分すぎ。SDPの前にはすでに15時からの会見にそなえて待機する報道陣が集まっていた。10時過ぎには約30人が列を作ったが、聞こえるのはほとんどが中国語だ。「列に割り込むな」。緊張感が高まる。

 広大な敷地を持つSDP内の会見場には玄関からバスで移動するが、12時半、記者らが乗り込んだところで車内に緊張が走った。突然バスに乗り込んできた一般の男性が怒鳴る。「報道陣は悔しくないのか! 海外企業にシャープを買われて!」。男性は警備員に取り押さえられたが、ニュースへの関心の高さを痛感した

 会見場の入り口付近に着くと、鴻海の英語名「フォックスコン」とシャープの社旗が並んでいた。一斉にカメラを向けた報道陣は、その先に止まっている1台の車に気がついた。記者の1人がつぶやく。「あれ、もしかして郭さんのお母さんじゃない?」。よく見ると、郭董事長の家族が車に乗り込む様子が見えた。事前に会場を見学していたようだ。小さい子供もいる。

■「鴻海予約席」は誰のため?
 バスを降り会場に着いて驚いたのは、前方の席に置かれていた「Reserved for Hon Hai(鴻海予約席)」の紙。なんだろう。
 そこで後方からまたも大きな怒鳴り声が響く。記者会見ではカメラマンが脚立を立て事前に撮影のベストポジションを探るが、みんな歴史的な瞬間を逃さないよう必死だ。一方の台湾メディアは会見場を背景に記念撮影を始める人が多い。まるでお祭り騒ぎじゃないか。
記者会見場の8Kディスプレーに映し出されたシャープの高橋社長(右)と鴻海の郭董事長(2日午後、堺市

 会見前にはシャープが5年前に建設したモデルルーム「エコハウス」の見学会も開催された。鴻海の通信技術も組み合わせ、指紋認証センサーでドアを開けたり、エアコン・照明などが反応したりするシステムを紹介した。オーブンレンジ「ヘルシオ」やお茶メーカー「お茶プレッソ」など人気商品を展示したが、中国や台湾などで人気の赤色でそろえられていた。

 会見場の中には日の丸と台湾の旗が掲げられている。演台の横にはシャープが開発したフルハイビジョンの16倍、「4K」の4倍の解像度を持つ「8K」の液晶パネルを使った大型モニターが2台設置された。1台は会見に登場する高橋興三社長や郭董事長の横顔を映すようだ。確かに後方の記者にもわかりやすい。もう1台は家電量販店のように、鮮やかなお祭りの映像が流れ続ける。製品をアピールしようとの狙いだろうか。

■自信満ちる郭董事長 高橋社長は緊張気味

 15時。いよいよ調印式が始まる。会場には報道陣だけでなく、証券アナリスト機関投資家、銀行関係者も集まり約300人で埋まった。さっきの鴻海予約席のなぞが解けた。前列から関係者がずらり。交渉で鴻海のファイナンシャルアドバイザーを務めたという、米金融大手JPモルガンの幹部が来賓として紹介された。日本の記者会見では見られない光景だ。

調印式を終え、握手する(右から)シャープの高橋社長、鴻海精密工業の郭董事長、戴副総裁(2日午後、堺市
 高橋社長、郭董事長、それに郭董事長の右腕とされる戴正呉副総裁がそろって入場してきた。郭董事長は自信に満ちあふれ、表情は晴れやか。対照的に高橋社長はやや緊張しているかに見える。鴻海側は買収に関する調印を戴副総裁がサインした。
 そのまま3人の写真撮影だ。撮影はあらかじめ写真カメラが3分、テレビなど映像カメラが3分と決められている。いがみあっていたカメラマンも、この瞬間ばかりは目の前のファインダーに集中する。

 そして高橋社長のあいさつ。「当社は電子機器受託製造サービス(EMS)の世界最大手、鴻海からの資本提携と広範な戦略パートナーシップを含む提案を受け入れることを決定しました。両社が持つベンチャースピリット、起業家精神の融合を図りアジア初のプロダクトイノベーション開発の姿を示していきたい」。随時、英語の通訳が入るためか、一言一言じっくり硬い表情で語る。

■「私は鴻海がナマズとは思っていない」
 郭董事長は、プレゼンテーション資料を背後の画面に映して説明を始めた。

 「私が初めて大阪に来たのは30歳だった」「私はシャープの100年を超す歴史を尊敬している」。終始にこやかに穏やかな語り口。シャープの歴史を持ち上げ、外資による買収に対する従業員や関係者の警戒感を和らげようと意識しているのだろうか。中国・北京の知人が1986年に買ったシャープ製の冷蔵庫が30年たっても動いているエピソードも紹介した。

 「実は今回こんなストーリーを聞いた。『鴻海は、わなにかかったイワシの中の1匹のナマズのようだ。イワシは懸命に泳がないとナマズに食われてしまう』という話だ」

 台湾の人の例え話だろうか。日本でもそう思っている人がいるかもしれない。「私はナマズとは思っていない。しかし変化の触媒であると考えている。私たちがシャープにおいて変化を促さなければ世界のライバルが、私たちを生きたまま食べてしまう」。ユーモアを交えたスピーチは30分強に及んだ。

■「買収価格さらに減額は」「ご質問が理解できません」
 質疑応答は郭董事長に多く集まる。「シャープの弱みはどう改善するのか」
 「日本では記者会見が重要視されていて、弱さより強さを語ることが重要だと言われている」
 経営再建の考え方は誰もが知りたい質問なのだが、核心には触れない。「マスコミの皆さん、シャープの黒字化のために、政府が消費増税しない論調をお願いします」。冗談も飛び出す。
 「2月の発表に比べて、3月末の買収価格を引き下げた。今後さらに減額することはないか」
 「ご質問が理解できません」
 「増資の支払いの段階で減額する可能性はあるか」
 記者も食い下がる。
 「すでに契約を締結しているので、それはありません」
紙コップの水で乾杯するシャープの高橋社長(右)と鴻海の郭董事長(中)ら(2日午後、堺市

 ようやく強く言い切った。郭董事長の発言には時折、関係者から大きな拍手が起きる。日本企業の記者会見ではめったにない。質問の一つ一つに熱を込めて長時間答えるので、なかなか質問の順番が来ない。金融関係者や台湾メディアには記者会見の後、それぞれ別に時間が用意されているようで質問は少ない。質問の途中、郭董事長はペットボトルの水を高橋社長のコップについで、そろって乾杯した。余裕たっぷりだ。

 会見時間は約2時間40分。最後に郭董事長は両脇の高橋社長と戴副総裁の肩を抱き、再び満面の笑顔を浮かべた。