http://img.epochtimes.jp/i/2016/05/01/t_usufvcojvw8vp6zn9cph.jpg 2013年7月、スモッグが去り夕日が映る天安門広場の空。習近平主席は宗教工作会議で、宗教の自由と法治強化を言及した(Li Feng/Getty Images)
習近平主席「信仰自由」「法治を強化」法輪功政策が変わるシグナルか=宗教工作会議
中国習近平国家主席は4月22~23日、15年ぶりに党内最高レベルの宗教工作会議を開き、宗教信仰の自由を強調し、法治による宗教問題の解決を図る意向を示した。これまで弾圧や排除で鎮圧してきた共産党の宗教政策と異なる。これについて専門家は、中国政治情勢の核心である法輪功政策が変わるシグナルと分析している。
米コロンビア大学政治学博士で中国問題専門家の李天笑氏は、同会議の開催時期と出席者の位から、ターゲットを絞った上実質的な意義があるとの見方を示した。「習政権の反腐敗キャンペーン実施から3年経った今、内容は量的なものから本質的に変わろうとしている。これは法輪功問題を解決しようとする当局の重大なシグナルだ。江沢民を逮捕するために具体的な段取りの一つである可能性が高い」と李氏は述べた。
江沢民元国家主席は2001年12月、同様に党内最高レベルの宗教工作会議を開いている。実質的、法輪功弾圧を強化する目的が強かった。同年1月23日、法輪功に「カルト」の汚名を着せるため、天安門で学習者が焼身自殺したとの嘘を、メディアを通じて何度も喧伝して世間に悪印象を与え、党の弾圧政策を肯定しようとした。
1999年までに、中国の法輪功学習者は国内に7千万人いたとされる。同年4月25日、天津市公安局が不当に学習者を暴行・逮捕することに陳情するため、1万人の法輪功学習者が中南海に隣接する中央政府の陳情窓口「国家信訪局」に集まり、穏やかに陳情した。これに対して、かねてから法輪功に脅威と嫉妬を感じていた江沢民元主席は、この平和的な陳情活動に激怒し、徹底的に弾圧する命令を下した。
中国政治情勢の核心は法輪功弾圧だ。この問題をめぐって、中国政治はゆがんでいった。江沢民は法輪功学習者を弾圧するために、法外権力機関「610弁公室」を設立し、政法委員会書記を政治局常務委員会に入れさせたことで政法委員会の権力を拡大させ、武装警察や軍を発動・指揮できる「第二の中央」を作った。
習近平政権の宗教問題への姿勢は、過去にもみられる。12年5月末、14年12月17日、16年2月10日に一部のメディアはこれまで禁じられた気功や宗教信仰に関して報道した。法輪功の「4.25」陳情の日には、中国共産党中央党校機関紙電子版「学習時報網」で、「指導幹部が内功を修練するための心学―『習近平党校19講』を学習する」を題とした評論記事を掲載した。気功などに関連するキーワードである「修練」「内功」「心学」などを使用するのは非常にまれ。