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台湾総統選の"最有力候補"は「中国臓器狩り」関係者!




台湾総統選の"最有力候補"は「中国臓器狩り」関係者!? 【澁谷司──中国包囲網の現在地】

2019.03.05
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台湾総統選の"最有力候補"は「中国臓器狩り」関係者!? 【澁谷司──中国包囲網の現在地】
glen photo / Shutterstock.com
 
《本記事のポイント》
 
2020年1月に行われる台湾総統選は、アジアの命運を左右する。いったい誰が勝利するのか。現地台湾では、総統候補をめぐりさまざまな世論調査が行われている。
 
国立政治大学選挙研究センターが行った「2019国家安全調査」においては、蔡英文・現総統の支持率は15.3%と最下位だった。
 
2018年末、台湾のケーブルテレビ局「TVBS」が行った世論調査も似たような結果だった。おおむね台湾世論を映しているだろう。
 
なぜ蔡英文は人気がないのか。台湾の地上波テレビ放送局「民視」の東京支局長、張茂森氏によれば、「ほとんど何も仕事をしていないから」と手厳しい。
 
民進党支持者は、蔡英文が「新憲法制定」や「国名変更」を目指すことを期待していた。しかし蔡英文がそれらをやる気配が一向になく、「ジェンダー問題」、特に「同性婚」にこだわり過ぎていると感じている。
 
それが、2018年11月の統一地方選民進党が敗北した理由だと、張氏は指摘する。
 
 
世論調査"最有力"の柯文哲とは?
では世論調査で一番人気なのは誰だったのか。
 
それが、台北市長を務める柯文哲(か・ぶんてつ)。上記調査において、38.7%の支持を獲得し、2016年総統選で敗れた国民党の朱立倫を抜いている。
 
柯文哲は外科医から、政界入りした人物だ。かつては民進党寄りであり、蔡英文を支援していたこともあった。しかし今は、完全に同党と手を切っている。
 
台湾においては、民進党のイメージカラーは「緑」で、国民党が「青」だ。しかし柯文哲は、「医師の白衣」と「民進党にも国民党にも染まらない」という意味を込め「白色力量(白の力)」をスローガンに掲げる。2014年の市長選では前評判を覆して当選した。
 
 
中国共産党の支援で当選
しかし実際、柯文哲は白色どころか、"赤色"に染まっている可能性が高い。
 
というのも昨年11月の統一地方選で、中国共産党は「台北市では柯文哲を再選させ、高雄市では国民党の韓国瑜候補を当選させる」を意味する、「北柯南韓」をスローガンに、両者を支援していたのである。結局、中国共産党の思惑通り2人は当選した。
 
そもそも「白色力量」の動きも、2014年3月に起きた反中運動である「ひまわり学生運動」に対抗するために生まれたグループ「白色正義社會聯盟」の流れをくむもの。
 
柯文哲は、かなり中国共産党寄りの政治家なのだ。
 
彼が中国共産党と"ずぶずぶ"の関係になったきっかけとして、驚くべき説が浮上している。
 
中国の臓器狩りについて調査している米国のジャーナリスト、イーサン・ガットマン氏は昨年10月、人工肺とポンプを用いた体外循環回路による治療である「ECMO」の技術に長けた柯文哲が、中国共産党の「臓器狩り」に関わっていると告発しているのだ。こうした中で、中国に傾斜したのではないかと疑われている。
 
 
組織がない柯文哲の弱さ
そんな中国共産党の息のかかった柯文哲は、次期総統選で勝利できるだろうか。実際は、かなりハードルが高いと思われる。
 
実は1月27日、柯文哲の実力を占う前哨戦が行われた。台北市第2区で立法委員の補選が行われ、そこで側近である陳思宇(32歳、女性)が無所属で立候補したのだ。
 
結果は、陳思宇の惨敗で、得票率12%しか獲得できなかった。一方、民進党から立候補した前台北市議の何志偉は、得票率47.8%を獲得して当選した。柯文哲は個人の人気は高くとも、組織としてはほとんど力がないことが露呈してしまったのだ。
 
また、「白色力量」が仮に政党になったとしても、国民党よりも「統一志向」が強いのでは、大部分の若者には受け入れられない。
 
今回、陳思宇の補選惨敗は、それを物語っていよう。
 
次期総統選で、民進党候補と国民党候補が票の激しい奪い合いを行った場合、柯文哲市長が"漁夫の利"で勝利する可能性を排除できない。しかし、所詮、全島レベルの総統選で、組織票のない彼が"空中戦"だけで勝てるほど選挙は甘くないだろう。
 
 
拓殖大学海外事情研究所
澁谷 司

(しぶや・つかさ)1953年、東京生まれ。東京外国語大学国語学科卒。東京外国語大学大学院「地域研究」研究科修了。関東学院大学亜細亜大学青山学院大学東京外国語大学などで非常勤講師を歴任。2004年夏~2005年夏にかけて台湾の明道管理学院(現、明道大学)で教鞭をとる。2011年4月~2014年3月まで拓殖大学海外事情研究所附属華僑研究センター長。現在、拓殖大学海外事情研究所教授。著書に『人が死滅する中国汚染大陸超複合汚染の恐怖』(経済界新書)、『2017年から始まる! 「砂上の中華帝国」大崩壊』(電波社)など。

 
 
『人が死滅する中国汚染大陸 超複合汚染の恐怖』
澁谷 司著
経済界
『2017年から始まる! 「砂上の中華帝国」大崩壊』
澁谷 司著
電波社