パルデンの会

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米国、「ELリスト」に中国の二つの大学を加えた、 お人よし日本は重要データを盗み取られても平然! 表に出る人間は苦労を知らない連中だから!

 

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宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和2年(2020)6月13日(土曜日)
        通巻第6534号 
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米国、「ELリスト」に中国の二つの大学を加えた
哈爾浜工業大学、哈爾浜工程大学は日本の大学とも提携している
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 哈爾浜(ハルピン)はエキゾティックな街である。
ロシア街あり、旧日本人街あり、往時は満蒙開拓団の拠点だった。伊藤博文が暗殺されたのも、この哈爾浜駅だった。

市の中心にある中央大街を歩くと、ロシア料理店、旧松浦洋行ビル、毛皮屋、ショッピングモール。地下街は名店街となって広く買い物客、観光客を集める。高級毛皮屋を覘くと長身のロシア系美人が売り子。テンの襟巻きの値段を聞いたことがあるが、屋台で売っている二十倍ほどの価格帯だった。

 さて哈爾浜は、学問の府でもある。中国のエリート校は北京大学清華大学上海交通大学復旦大学のなを浮かべるが、同ランクに哈爾浜工業大学、哈爾浜工程大学が入っている。

 老舗、名門の哈爾浜工業大学は1920年に設立された。創立時代は東進鉄道の技術部門としてエンジニア養成だった。理事会トップは張学良だった時期もあり、ロシアの傘下に入ると、授業はロシア語。そして満州時代には日本語で授業が行われた。
 革命後、軍と密接な関係が築かれ、大砲、ミサイル、宇宙航空技術、コンピュータ分野へと拡がり、中国が打ち上げた宇宙船「神舟プロジェクトの中枢を担った。

 哈爾浜工業大学の卒業生は綺羅星のごとく、各界で活躍しているが、政治家も多く輩出し、現在の習近平の右腕、栗戦書。胡錦涛時代の番頭、李長春トウ小平時代のライバル葉選平らがいる。最近はロボット工学、レーザー分野にも進出し、世界的レベルにある。軍事技術開発の先端を担っていて、米国が注目し続けてきた大学である。

今後の問題は、日本のアカデミズムとの交流、協同関係だ。哈爾浜工業大学は、千葉工業大、早大、山形、新潟、熊本大学と技術開発の提携をしているからだ。

もうひとつの哈爾浜工程大学は戦後の1953年に創立され、米国との関係が深い。元より軍の技術部門であり、人民解放軍工程学院が前身。大砲、火薬、原子力、ミサイル技術の開発に携わってきた
卒業生には楡正声、毛沢東の孫、毛遠新がいる。

 とくに楡正声だ。かれは前身の軍工程学院OBで、文革中は一家七名が犠牲になるという辛酸をなめた。
同じく文革中に半身不随となったトウ僕方(トウ小平の長男)との親密な交際が始まり、また当時、東北地方の自動車工場にいた江沢民の知遇を得た。楡はミサイル自動化の研究者でもあった。

 1985年に実兄の楡強声が米国へ亡命したため、失脚寸前に追い込まれたが、トウ僕方の強い支援があって危機を乗り切り、また江沢民の強い推挽で習近平のあとの上海市書記をつとめた。僥倖に恵まれたうえ、2010年の上海万博を成功裏に終えたので、有望視され、習政権第1期では政治局常務委員に出世した。


 ▲米国の警戒心は、アカデミズムの交流接点にも及んだ

 さて「ELリスト」とは米商務省が「輸出管理法」に基づいて、国家安全保障や外交政策上の懸念があると認定した企業を列挙するもので、リストに掲載されると、当該企業に物品やソフトウエア、技術を輸出する場合に許可が必要となる。

ファーウェイ、ZTE、テンセント、CASIC(中国航天工業)、JHICC(福建省晋華集成電路)、ハイクビジョンなどがリスト入りしている。ここに大学が初めて顔を出したことは注目するべきである。
 さて米国はなぜこの二つの大学をELリストに加えたが。大学とはいえ、実質的には軍事技術開発センターの役割を担い、しかも世界の一流大学との提携関係は、とりわけ米国の技術を盗み出す立場にあるからではないのか。

   (註 楡正声の「楡」は「木」編をとる)
      ☆○▽◇み◎○△□や○△□◇ざ◎○△□き△□☆☆    

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エンティティー・リストとは 米安保上の懸念企業列挙  恣意的運用の恐れも

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44911580W9A510C1EA2000/

2019/5/17 2:00
日経新聞  より引用
 

米商務省は輸出管理法に基づき、国家安全保障や外交政策上の懸念があるとして指定した企業を列挙したエンティティー・リスト(EL)」を公表している。掲載された企業に物品やソフトウエア、生産・開発に必要な技術を輸出する場合は商務省の許可が必要で、申請は原則却下される。

 

米政権による恣意的な運用を懸念する声もある(ロス商務長官)=ロイター

米政権による恣意的な運用を懸念する声もある(ロス商務長官)=ロイター

リストは200ページを超え、指定企業は数千社に上る。米国が制裁を科してきた中東諸国などの企業が多いが、近年は通信や半導体などを手がける中国企業も目立つ。米政権による恣意的な運用を懸念する声もある。

同リストに基づく規制は米国外の企業にも適用されるのが特徴で、米国企業の部品やソフトが一定割合以上含まれれば、他国製品も規制の対象になる。特許など一般公開された情報は原則対象外だ。違反した場合は米国企業との取引禁止などの罰則や罰金が科される。